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無双パロ6
「おやおや、神子殿。おはようございます」
「郭嘉さま、おはようございます」
「昨夜は曹丕様がお泊まりになられたのですか?お噂どおりのご寵愛ですね」
「噂?」
「ええ、ひとときも離れたくない姫をわざわざ戦場へお連れするために、曹丕様は暁の女神などと姫を称している、と」
「わたしたちそんな関係じゃ・・・」
「しかし、私はあなたが唯人とは思えない。少なくとも可愛いだけの姫君ではないとお見受けします」
「なにがいいたいんです」
「そう怖い顔をなさらないでください。私はただ、あなたともっとお近づきになりたいだけです。可愛らしい戦神子に魅了された哀れな男と思ってください」
「司馬懿が、あなたには気をつけろといっていたのはそういう意味だったんですね」
「あなたの話題で持ち切りですよ、神子殿」
「張コウ殿」
「あなたの目覚ましい活躍!みなあなたの美しさの虜となっております」
「わたし、みなさんの役に立てたんでしょうか」
「それはもう!」
「今朝は郭嘉さまにからかわれてしまいました」
「郭嘉殿が?」
「ええ、子桓がわたしを寵愛してるとか、自分もわたしに興味があるとか」
「本当のことではございませんか!恥ずかしがらないでよろしいのですよ。愛とは美しいもの」
「だって、本当にわたしと子桓はなにもないんです。昨日だってなんでわざわざうちで寝ていったのか本当に意味わからない」
「・・・それは、神子殿をお守りしたいお気持ちでしょう。戦場では女性に飢えた獣たちが隙あらばと狙っておりますから。事実、情けない話ですが、女官や女兵士が自軍の男から乱暴を受けることも多いのです」
「そう、なんだ」
「曹丕様は神子殿を大切にされていらっしゃるのですね」
「子桓、毎日くるんだね」
「寒くてな」
「嘘。張コウ殿にきいたよ。私のこと守ってくれてたんだね。ありがと・・・変態とかいってごめん」
「あいつめ・・・」
「確かに寒いし、布団にいれてあげる。おしゃべりしながら寝ようよ。パジャマパーティーみたいだね」
「パジャマパーティー?」
「そうそう。寝間着で、朝までベッドの中でおしゃべりするの。好きな子の話とか、将来の話とか」
「男もか?」
「パジャマパーティーは男子禁制かな」
「ならよい」
「気になる?」
「まあな。しかし、ここではお前はわたしのものだ。わたしのものに手を出す者は許さない。お前が龍に出会ってお前の世界に帰るまで、お前は俺が守る」
「旦那様と真矢様は同じ部屋でお過ごしになるものとお聞きして、お部屋を整えておりましたのに!残念ですわ」
「ごめんってば。ほら、わたしまだ結婚もしてないし、順番を守りたいのよね」
「まぁ、淑女の見本ですわね。旦那様には早く祝言をあげていただきませんと」
「ははは、子桓もこれから忙しいし、結婚なんて暇ないんじゃないかな」
「だからこそ、早くお世継ぎが必要なのですわ」
「心配はいらん。私もそのことについては考えている。お前達も真矢に余計なことを吹き込むな。こいつはすぐ暴走するからな」
「失礼いたしました」
「司馬懿が来ている。真矢も来い」
「待たせたな」
「いえ、遅くに申し訳ございません」
「わたしに関係ある話なの?」
「ああ、率直にいうと、殿がお前の仕官を望んでおられる」
「仕官?私、女だよ?女官ってこと?」
「いや、軍師として曹魏に仕えろということだ。曹丕様の妃ならばその才をもって仕えよとな」
「軍師?無理だよ、兵法なんかわからないし、大体子桓の奥さんじゃないし」
「まだ抱いていなかったのですか」
「・・・私は真矢を国へ返してやりたいと思っているのだ」
「ほう、女性にお優しくなられたようですな」
「嫌みか」
「私としても、お前が阿呆なことがばれると今までの苦労が水の泡なので避けたいのだが、殿は諦めるつもりはない様子」
「曹操様か・・・子桓のお父さんだもんね」
「私は父より人間ができている!」
「だからなんとなく予想つくってこと」
「暁の女神をそばに置いておきたいのだろう。ときに玉璽より人心を掴む」
「ちょっと、大げさにしないでよ。私なにもしてない」
「民の心とはそういうものだ。残虐な肥え太った肉の塊より、うら若き戦神子に民は希望を見いだす」
「なんのはなし?」
「今、都では董卓という奸臣が帝を拐かし残虐の限りをつくしておる。その討伐軍が近く組織されるだろう」
「なるほど。また神子を演じて、大義名分の一部になれってことね。私はどうせ龍を探さなきゃいけないんだから、暇なんだから協力しろよっていいたいのね」
「そうだ。なかなか頭が働くではないか」
「私も父には貸しを作っておきたいが、お前を危険に晒すことになるやもしれん」
「?だってお父さんの軍師でしょ?」
「英雄色を好むというだろう」
「あ、そういうこと・・・」
「私と曹丕様の配下にはしていただけるが、権謀術数渦巻く場所だ。」
「仕方ないよ。上から言われたら、断れないんでしょう。お世話になってるし、私やるよ。剣の腕も上がってきたかなと思うし。でも、できるだけ私のこと守ってよね」
「私の妻だというんだぞ」
「わかってるよ。曹丕様の奥さんに手を出す馬鹿は限られるっていうんでしょ」
「そうだ。わかってるではないか」
「なによー」
振り返った瞬間、真矢は曹丕に抱きすくめられた。いきなりの出来事に反応できていない彼女の顎を捕らえると、曹丕は唇を重ねた。
「な、にするの」
「口付けだが」
「私、あんたの恋人でもなんでもない」
「妻と名乗れと言ったばっかりだ」
「あ」
「お前のその勝ち気なところは好みだが、少々深慮が足りぬな」
「でも、キスするなんてひどい」
「キス?キスというのか。もしかして初めてか?」
「当たり前じゃない」
「その唇、私以外に許すなよ」
まさかファーストキスを1800年は年上の男としてしまうなんて思ってもみなかった。何歳差なんだろう、とぼんやり考えた。
「郭嘉さま、おはようございます」
「昨夜は曹丕様がお泊まりになられたのですか?お噂どおりのご寵愛ですね」
「噂?」
「ええ、ひとときも離れたくない姫をわざわざ戦場へお連れするために、曹丕様は暁の女神などと姫を称している、と」
「わたしたちそんな関係じゃ・・・」
「しかし、私はあなたが唯人とは思えない。少なくとも可愛いだけの姫君ではないとお見受けします」
「なにがいいたいんです」
「そう怖い顔をなさらないでください。私はただ、あなたともっとお近づきになりたいだけです。可愛らしい戦神子に魅了された哀れな男と思ってください」
「司馬懿が、あなたには気をつけろといっていたのはそういう意味だったんですね」
「あなたの話題で持ち切りですよ、神子殿」
「張コウ殿」
「あなたの目覚ましい活躍!みなあなたの美しさの虜となっております」
「わたし、みなさんの役に立てたんでしょうか」
「それはもう!」
「今朝は郭嘉さまにからかわれてしまいました」
「郭嘉殿が?」
「ええ、子桓がわたしを寵愛してるとか、自分もわたしに興味があるとか」
「本当のことではございませんか!恥ずかしがらないでよろしいのですよ。愛とは美しいもの」
「だって、本当にわたしと子桓はなにもないんです。昨日だってなんでわざわざうちで寝ていったのか本当に意味わからない」
「・・・それは、神子殿をお守りしたいお気持ちでしょう。戦場では女性に飢えた獣たちが隙あらばと狙っておりますから。事実、情けない話ですが、女官や女兵士が自軍の男から乱暴を受けることも多いのです」
「そう、なんだ」
「曹丕様は神子殿を大切にされていらっしゃるのですね」
「子桓、毎日くるんだね」
「寒くてな」
「嘘。張コウ殿にきいたよ。私のこと守ってくれてたんだね。ありがと・・・変態とかいってごめん」
「あいつめ・・・」
「確かに寒いし、布団にいれてあげる。おしゃべりしながら寝ようよ。パジャマパーティーみたいだね」
「パジャマパーティー?」
「そうそう。寝間着で、朝までベッドの中でおしゃべりするの。好きな子の話とか、将来の話とか」
「男もか?」
「パジャマパーティーは男子禁制かな」
「ならよい」
「気になる?」
「まあな。しかし、ここではお前はわたしのものだ。わたしのものに手を出す者は許さない。お前が龍に出会ってお前の世界に帰るまで、お前は俺が守る」
「旦那様と真矢様は同じ部屋でお過ごしになるものとお聞きして、お部屋を整えておりましたのに!残念ですわ」
「ごめんってば。ほら、わたしまだ結婚もしてないし、順番を守りたいのよね」
「まぁ、淑女の見本ですわね。旦那様には早く祝言をあげていただきませんと」
「ははは、子桓もこれから忙しいし、結婚なんて暇ないんじゃないかな」
「だからこそ、早くお世継ぎが必要なのですわ」
「心配はいらん。私もそのことについては考えている。お前達も真矢に余計なことを吹き込むな。こいつはすぐ暴走するからな」
「失礼いたしました」
「司馬懿が来ている。真矢も来い」
「待たせたな」
「いえ、遅くに申し訳ございません」
「わたしに関係ある話なの?」
「ああ、率直にいうと、殿がお前の仕官を望んでおられる」
「仕官?私、女だよ?女官ってこと?」
「いや、軍師として曹魏に仕えろということだ。曹丕様の妃ならばその才をもって仕えよとな」
「軍師?無理だよ、兵法なんかわからないし、大体子桓の奥さんじゃないし」
「まだ抱いていなかったのですか」
「・・・私は真矢を国へ返してやりたいと思っているのだ」
「ほう、女性にお優しくなられたようですな」
「嫌みか」
「私としても、お前が阿呆なことがばれると今までの苦労が水の泡なので避けたいのだが、殿は諦めるつもりはない様子」
「曹操様か・・・子桓のお父さんだもんね」
「私は父より人間ができている!」
「だからなんとなく予想つくってこと」
「暁の女神をそばに置いておきたいのだろう。ときに玉璽より人心を掴む」
「ちょっと、大げさにしないでよ。私なにもしてない」
「民の心とはそういうものだ。残虐な肥え太った肉の塊より、うら若き戦神子に民は希望を見いだす」
「なんのはなし?」
「今、都では董卓という奸臣が帝を拐かし残虐の限りをつくしておる。その討伐軍が近く組織されるだろう」
「なるほど。また神子を演じて、大義名分の一部になれってことね。私はどうせ龍を探さなきゃいけないんだから、暇なんだから協力しろよっていいたいのね」
「そうだ。なかなか頭が働くではないか」
「私も父には貸しを作っておきたいが、お前を危険に晒すことになるやもしれん」
「?だってお父さんの軍師でしょ?」
「英雄色を好むというだろう」
「あ、そういうこと・・・」
「私と曹丕様の配下にはしていただけるが、権謀術数渦巻く場所だ。」
「仕方ないよ。上から言われたら、断れないんでしょう。お世話になってるし、私やるよ。剣の腕も上がってきたかなと思うし。でも、できるだけ私のこと守ってよね」
「私の妻だというんだぞ」
「わかってるよ。曹丕様の奥さんに手を出す馬鹿は限られるっていうんでしょ」
「そうだ。わかってるではないか」
「なによー」
振り返った瞬間、真矢は曹丕に抱きすくめられた。いきなりの出来事に反応できていない彼女の顎を捕らえると、曹丕は唇を重ねた。
「な、にするの」
「口付けだが」
「私、あんたの恋人でもなんでもない」
「妻と名乗れと言ったばっかりだ」
「あ」
「お前のその勝ち気なところは好みだが、少々深慮が足りぬな」
「でも、キスするなんてひどい」
「キス?キスというのか。もしかして初めてか?」
「当たり前じゃない」
「その唇、私以外に許すなよ」
まさかファーストキスを1800年は年上の男としてしまうなんて思ってもみなかった。何歳差なんだろう、とぼんやり考えた。
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無双パロ5
「来たか、暁の女神よ」
「あんたが張角?私を日本に返して!」
「お主は神に選ばれたのだ!光栄であろう!儂のために、黄天の世のために、その力を我にあずけよ」
「同じ術者なら、日本に返せるって聞いた!私は家に帰りたいの!」
「真矢、張角はここで討ち取ってしまわねばならん」
「わかってる!ちょっと司馬懿はだまっててよ」
「日本に返して」
「儂もここまでか・・・暁の女神さえ手に入っていればこんなことには」
「暁の女神ってなんなのよ!私はただの高校生で、女神なんかじゃない!」
「女神はその身を選んだ。現人神は人間なのだ。しかし人であって人ではない。事実、お主は我が策を見抜き、いまここにいる。暁の女神は戦の神。乱世を切り開き、天に平穏をもたらすだろう。ゆえに女神を手にすれば天下を手にしたも同義」
「意味わかんないよ」
「嫌でも分かる。もうお主は神を降ろした。儂の力では元の世界に返してやることはできん。人の身に、神の力は大きすぎたのだ」
「私、もう帰れないの?」
「神にも等しい術者を探すのだな。そんな人間がおるとは思えんが、龍を宿す術者ならば可能性もあろう」
「龍・・・」
「真矢、もう待てぬ」
「暁の女神よ!お主の世界はここだ!天命なのだ。お主の戦、みてみたかったぞ」
「どうした、暗い顔をして」
「そりゃあね、帰れると思ってたのにまだこんなところにいるんだもん。今ごろ、フカフカのベッドで寝てるはずだったのに」
「ベッド・・・?」
「寝台のこと」
「珍妙な言葉をつかう。やはり異世界の者なのだな」
「そうよ。でも帰れなかった」
「龍を探すのだろう。曹操様はこれより天下をとりに動かれるだろう。中華全土を探せば、そのような術者もおるやもしれぬ」
「司馬懿、慰めてくれてるの?下手くそだね」
「なっ、人が折角!」
「でもありがとう。あんたも優しいとこあるんだ」
「ふんっ、私はいつも優しいではないか」
「それお酒持ってきてくれたの?のもっか」
「ああ」
「私これからどうなるの?」
「とりあえずは今まで通り曹丕様の屋敷で暮らせ。きっとまた戦場にいかねばならん。それまでに色々解決しておくことだな」
「色々ってなによ」
「お前、人を斬るのは初めてだったろう。平和な国で育ったようだし、そういうのを引きずると次に死ぬのはお前だからな」
「ですよね・・・」
「司馬懿は人を斬ったときどうおもったの?」
「これで血から逃れられんと腹をくくった。人を殺めることは自分が死なぬために必要なことだ」
「逃げられない、か。うん、そうだね。わたしの国では人を殺すなんて考えられなくて、たまに殺人事件とかも起こるけど、犯人は重罪になるし、ここみたいに偉い人が誰かを起こって殺すってのもなかったの」
「戦はなかったのか」
「昔あったけど、私がうまれるずっーと前。今も、外国ではあってるけど、全然実感なかった」
「平和な国で育ったのだな」
「うん」
「戻れなくて残念だったな」
「乙女の寝室にあんたねぇ」
「私も多忙でな。こうでもしないとお前とゆっくり話もできん」
「いいよ、偉い人たちも大変だよね」
「落ち込んでると思って来たのだが、意外と元気そうだな」
「そうだね。なんか戦が終わってほっとしちゃったのかな。とりあえず少し落ち着こうと思って」
「そうか」
「龍を探さないとね。子桓は天下を目指すんでしょ?一緒にいけば、龍に出会えるかもしれない」
「そうか、私と共にくるか」
「どうしたの?」
「私はお前に人を斬らせた。私と共にくるということは、戦に巻き込まれるということだ。わかっているな?」
「わかってるよ。私は龍を探す。子桓は天下を目指す。それまでそばにいさせて」
「それは、真矢としてか?暁の女神としてか?」
「?私はわたしだよ」
「まあいい。疲れた。私もここで寝る」
「ちょっと!なに考えてんのよ変態!」
「寝台は一人には広かろう。半分わけろ」
「ちょっと!勝手に寝ないでよ!なんなのよあんた」
「ほら寝るぞ。こっちは俺の領地だから入ってくるな」
「あんたこそでてけ!!」
「あんたが張角?私を日本に返して!」
「お主は神に選ばれたのだ!光栄であろう!儂のために、黄天の世のために、その力を我にあずけよ」
「同じ術者なら、日本に返せるって聞いた!私は家に帰りたいの!」
「真矢、張角はここで討ち取ってしまわねばならん」
「わかってる!ちょっと司馬懿はだまっててよ」
「日本に返して」
「儂もここまでか・・・暁の女神さえ手に入っていればこんなことには」
「暁の女神ってなんなのよ!私はただの高校生で、女神なんかじゃない!」
「女神はその身を選んだ。現人神は人間なのだ。しかし人であって人ではない。事実、お主は我が策を見抜き、いまここにいる。暁の女神は戦の神。乱世を切り開き、天に平穏をもたらすだろう。ゆえに女神を手にすれば天下を手にしたも同義」
「意味わかんないよ」
「嫌でも分かる。もうお主は神を降ろした。儂の力では元の世界に返してやることはできん。人の身に、神の力は大きすぎたのだ」
「私、もう帰れないの?」
「神にも等しい術者を探すのだな。そんな人間がおるとは思えんが、龍を宿す術者ならば可能性もあろう」
「龍・・・」
「真矢、もう待てぬ」
「暁の女神よ!お主の世界はここだ!天命なのだ。お主の戦、みてみたかったぞ」
「どうした、暗い顔をして」
「そりゃあね、帰れると思ってたのにまだこんなところにいるんだもん。今ごろ、フカフカのベッドで寝てるはずだったのに」
「ベッド・・・?」
「寝台のこと」
「珍妙な言葉をつかう。やはり異世界の者なのだな」
「そうよ。でも帰れなかった」
「龍を探すのだろう。曹操様はこれより天下をとりに動かれるだろう。中華全土を探せば、そのような術者もおるやもしれぬ」
「司馬懿、慰めてくれてるの?下手くそだね」
「なっ、人が折角!」
「でもありがとう。あんたも優しいとこあるんだ」
「ふんっ、私はいつも優しいではないか」
「それお酒持ってきてくれたの?のもっか」
「ああ」
「私これからどうなるの?」
「とりあえずは今まで通り曹丕様の屋敷で暮らせ。きっとまた戦場にいかねばならん。それまでに色々解決しておくことだな」
「色々ってなによ」
「お前、人を斬るのは初めてだったろう。平和な国で育ったようだし、そういうのを引きずると次に死ぬのはお前だからな」
「ですよね・・・」
「司馬懿は人を斬ったときどうおもったの?」
「これで血から逃れられんと腹をくくった。人を殺めることは自分が死なぬために必要なことだ」
「逃げられない、か。うん、そうだね。わたしの国では人を殺すなんて考えられなくて、たまに殺人事件とかも起こるけど、犯人は重罪になるし、ここみたいに偉い人が誰かを起こって殺すってのもなかったの」
「戦はなかったのか」
「昔あったけど、私がうまれるずっーと前。今も、外国ではあってるけど、全然実感なかった」
「平和な国で育ったのだな」
「うん」
「戻れなくて残念だったな」
「乙女の寝室にあんたねぇ」
「私も多忙でな。こうでもしないとお前とゆっくり話もできん」
「いいよ、偉い人たちも大変だよね」
「落ち込んでると思って来たのだが、意外と元気そうだな」
「そうだね。なんか戦が終わってほっとしちゃったのかな。とりあえず少し落ち着こうと思って」
「そうか」
「龍を探さないとね。子桓は天下を目指すんでしょ?一緒にいけば、龍に出会えるかもしれない」
「そうか、私と共にくるか」
「どうしたの?」
「私はお前に人を斬らせた。私と共にくるということは、戦に巻き込まれるということだ。わかっているな?」
「わかってるよ。私は龍を探す。子桓は天下を目指す。それまでそばにいさせて」
「それは、真矢としてか?暁の女神としてか?」
「?私はわたしだよ」
「まあいい。疲れた。私もここで寝る」
「ちょっと!なに考えてんのよ変態!」
「寝台は一人には広かろう。半分わけろ」
「ちょっと!勝手に寝ないでよ!なんなのよあんた」
「ほら寝るぞ。こっちは俺の領地だから入ってくるな」
「あんたこそでてけ!!」
無双パロ4
「子桓・・・さま、とっても落ち着かないんですが・・・」
「神子ご安心なされよ。すぐ戦も治まりましょう」
「ちょっと子桓、なによこれ」
「少しは見せびらかさねば女神もなにもあるまい。堂々としていろ」
「みんな見てるんたけど!神子っていうのもやめてよ!」
「お前が美しいからだ。自信をもて。司馬懿もなにかいってやれ」
「ええ、馬子にも衣装とはいいますが、よく似合っているぞ。せいぜい衣装に見合った振る舞いをするんだな。曹丕様に恥をかかせるなよ」
「はいはい」
「曹丕よ、その姫が噂の暁の女神か?」
「ええ、真矢姫です。必ずや我らを覇道に導いてくれる光となりましょう」
「ほう、未来をみるそうだな」
「この戦を機に、父上の覇道が始まると申している。暁は夜明けの女神、我らが曹家の夜明けとなりましょう」
「そうか。楽しみにしていよう。して真矢姫、そなたの活躍がみてみたいものだな。暁の女神は戦の女神。その腰の剣の腕、存分にふるってくれ」
「曹操・・・子桓のお父さんか」
「父は極度の好色だ。極力近寄るな。ボロかでてもいかんしな」
「わたしの目的は張角に会うことだから。目的のためなら女神様のふりもがんばるよ」
「ほう、いい心がけだな」
「さっき後ろにいた人、ずっとこっちをみてた。もし疑われたりしたら、張角に会えなくなるかもしれない。帰るためだもん。しっかりしなきゃ。もう文句いったりしないから安心して」
「あれは郭嘉だ。軍師をしている。優男だが、気のつく男だ。気を抜くなよ」
「ねえ司馬懿、ここ、なんだろう」
「なんだ?」
「なんかおかしいよ。わたしは兵法とかよくわかんないけど、もしわたしだったら、ここから挟み打ちする。曹丕がいまここに向かってるんだよね?」
「確かに。相手は雑魚の集まりとはいえ、この位置で挟撃されれば曹丕様といえどもただではすむまい」
「わたし、行ってくる!」
「待て!お前ひとりでなにができると思っているのだ!」
「なら騎馬隊かして!」
「おい!ちっ、騎馬部隊、神子殿の後を追え!」
「司馬懿、先ほど神子殿が駆けていくのがみえたけど」
「曹丕様に挟撃の恐れがあると出陣されたのだ」
「へぇ、挟撃を挟撃で返すのか。面白いことを思いついたね」
「本当に曹丕様が狙われておればの話だ」
「それを伝えにきたんだよ。伝令から、付近に伏兵の気配あり、とね」
「あの子、本当に暁の女神様なのかもね」
「神子殿!あちらに砂煙が!」
「このまま突っ込みます!」
「真矢!いったい何故このようなところにいる」
「挟み打ち、されると思って、助けにきたの」
「よくやった。このまま前の部隊も叩くぞ」
「真矢、どうした」
「今更、震えてきちゃって・・・人を殺しちゃった。斬っちゃった。感触がね、気持ち悪い」
「お前がきてくれねば、私は死んでいたかもしれん」
「でも、私、初めて人を!何人も!」
「お前の罪は私が背負おう。しかし、これが乱世なのだ」
「私、私・・・」
「迷っていては、明日死ぬのはお前だ。私や、司馬懿かもしれん。お前の目的はなんだ?日本とやらへ帰るのだろう。それまでお前は生き延びねばならん」
「うわああん」
「真矢」
「うん。明日はもう後悔しない。でもお願い。少しだけ」
「・・・お前は平和の世から来たのだったな・・・」
「神子殿、昨日の御活躍、さすがは暁の女神と殿も大変お喜びでしたよ」
「郭嘉さま」
「今日にでも敵本陣がひらくでしょう。神子殿もご出陣なされるのですか?」
「そのつもりです。あの、子桓様と司馬懿はいま席を外しておりますが、なにかご用でしょうか?」
「私は神子殿に会いにきたのです」
「わたしに?」
「不思議な方だ・・・現人神とかこうも神々しいものなのでしょうか。私は神子殿に興味があるんです。ただの娘かと思いきや、本当に暁の女神かもしれないと感じました」
「どう思うかはその方次第です」
「そう警戒しないでください。私は神子殿に魅了された哀れな男のひとりだと、お伝えしたかったのです。次は勝利の杯を交わしましょう」
「神子ご安心なされよ。すぐ戦も治まりましょう」
「ちょっと子桓、なによこれ」
「少しは見せびらかさねば女神もなにもあるまい。堂々としていろ」
「みんな見てるんたけど!神子っていうのもやめてよ!」
「お前が美しいからだ。自信をもて。司馬懿もなにかいってやれ」
「ええ、馬子にも衣装とはいいますが、よく似合っているぞ。せいぜい衣装に見合った振る舞いをするんだな。曹丕様に恥をかかせるなよ」
「はいはい」
「曹丕よ、その姫が噂の暁の女神か?」
「ええ、真矢姫です。必ずや我らを覇道に導いてくれる光となりましょう」
「ほう、未来をみるそうだな」
「この戦を機に、父上の覇道が始まると申している。暁は夜明けの女神、我らが曹家の夜明けとなりましょう」
「そうか。楽しみにしていよう。して真矢姫、そなたの活躍がみてみたいものだな。暁の女神は戦の女神。その腰の剣の腕、存分にふるってくれ」
「曹操・・・子桓のお父さんか」
「父は極度の好色だ。極力近寄るな。ボロかでてもいかんしな」
「わたしの目的は張角に会うことだから。目的のためなら女神様のふりもがんばるよ」
「ほう、いい心がけだな」
「さっき後ろにいた人、ずっとこっちをみてた。もし疑われたりしたら、張角に会えなくなるかもしれない。帰るためだもん。しっかりしなきゃ。もう文句いったりしないから安心して」
「あれは郭嘉だ。軍師をしている。優男だが、気のつく男だ。気を抜くなよ」
「ねえ司馬懿、ここ、なんだろう」
「なんだ?」
「なんかおかしいよ。わたしは兵法とかよくわかんないけど、もしわたしだったら、ここから挟み打ちする。曹丕がいまここに向かってるんだよね?」
「確かに。相手は雑魚の集まりとはいえ、この位置で挟撃されれば曹丕様といえどもただではすむまい」
「わたし、行ってくる!」
「待て!お前ひとりでなにができると思っているのだ!」
「なら騎馬隊かして!」
「おい!ちっ、騎馬部隊、神子殿の後を追え!」
「司馬懿、先ほど神子殿が駆けていくのがみえたけど」
「曹丕様に挟撃の恐れがあると出陣されたのだ」
「へぇ、挟撃を挟撃で返すのか。面白いことを思いついたね」
「本当に曹丕様が狙われておればの話だ」
「それを伝えにきたんだよ。伝令から、付近に伏兵の気配あり、とね」
「あの子、本当に暁の女神様なのかもね」
「神子殿!あちらに砂煙が!」
「このまま突っ込みます!」
「真矢!いったい何故このようなところにいる」
「挟み打ち、されると思って、助けにきたの」
「よくやった。このまま前の部隊も叩くぞ」
「真矢、どうした」
「今更、震えてきちゃって・・・人を殺しちゃった。斬っちゃった。感触がね、気持ち悪い」
「お前がきてくれねば、私は死んでいたかもしれん」
「でも、私、初めて人を!何人も!」
「お前の罪は私が背負おう。しかし、これが乱世なのだ」
「私、私・・・」
「迷っていては、明日死ぬのはお前だ。私や、司馬懿かもしれん。お前の目的はなんだ?日本とやらへ帰るのだろう。それまでお前は生き延びねばならん」
「うわああん」
「真矢」
「うん。明日はもう後悔しない。でもお願い。少しだけ」
「・・・お前は平和の世から来たのだったな・・・」
「神子殿、昨日の御活躍、さすがは暁の女神と殿も大変お喜びでしたよ」
「郭嘉さま」
「今日にでも敵本陣がひらくでしょう。神子殿もご出陣なされるのですか?」
「そのつもりです。あの、子桓様と司馬懿はいま席を外しておりますが、なにかご用でしょうか?」
「私は神子殿に会いにきたのです」
「わたしに?」
「不思議な方だ・・・現人神とかこうも神々しいものなのでしょうか。私は神子殿に興味があるんです。ただの娘かと思いきや、本当に暁の女神かもしれないと感じました」
「どう思うかはその方次第です」
「そう警戒しないでください。私は神子殿に魅了された哀れな男のひとりだと、お伝えしたかったのです。次は勝利の杯を交わしましょう」
無双パロ3
「司馬懿も帰ったし、私ももう寝るね」
「待て。お前とゆっくり話したい。私の部屋に来い」
「えーやだ」
「な・・・私の誘いを断るのか。そんな女初めてだ!」
「信頼関係ないし・・・」
「お前を抱こうと思えばいつでも抱けた。ここは私の屋敷だからな。自意識過剰だバカが」
「きーっ!バカとはなによバカとは!」
「その態度もどうにかしろ。屋敷では許すが、一歩外にでれば他の家臣に言い訳できん」
「ごめん、曹丕ってえらい人なんだよね。示しがいるよね。こんな小娘になめた口きかれてたらみんなびっくりするね」
「ものわかりがいいな」
「なんて呼べばいい?曹丕様?旦那様?」
「子桓と呼べ」
「子桓さま?」
「普段は呼び捨てでかまわない。お前には全ての無礼を許している」
「というか、お前がこちらの流儀をすぐに覚えられるとはおもっていないから安心しろ」
「なんかバカにされてるんですけど」
「私もお前の国のことはわからん。大目にみてやるといっているんだ」
「あ、ありがとう…子桓?」
「甘い酒なら飲めるか?少し付き合え」
「気持ちいい風」
「あまり気を張るな。酒と風と過ぎゆく時を楽しむのだ」
「あちらに恋人はいたのか?」
「恋人はいないけど、家族がいるよ。みんなに会いたい・・・」
「家族か・・・私にはわからん。肉親の情というものが理解できない」
「そっか。子桓は愛されることが下手に育っちゃったんだね。だからそんなに眉間のシワよせて他人を拒んでる」
「乱世に愛なぞ不要だ」
真矢はぐいっと酒を飲み干すと、腰掛ける曹丕の背後から彼を抱きしめた。
「暖かい?」
「ああ、なんのまねだ」
「暖かいのって気持ちいい?」
「・・・ああ」
「子供のころ、こうしてほしいときがあったよね。思い出して。」
「お父様に抱きしめて欲しかったよね。お母様に受け入れて欲しかったよね」
「かわりに私が子桓の味方でいる。裏切らない。でも好きなことや嫌なことははっきりいうからね」
「子桓、いつも頑張ってるね。子桓は私の自慢よ。子桓あまり無理しないでね。あなたがいきているだけで嬉しいんだから」
「なんのまねだ真矢。もう酔ったのか?」
「うん。酔った」
「お前の国の流儀か?」
「わたしの流儀かな」
「あんた、ほんとは優しいひとだと思う。こんな怪しいわたしのことなんか、ほんとは殺しちゃうのが一番なのに、家にまで住まわせて、世話して」
「お前が暁の女神だからだ」
「偽物でもなんでもいいんでしょ。わたしすごく不安だったの。いきなり意味わかんないとこに来て、司馬懿は怖い顔で殺すかとかいうし、びしょ濡れだし」
「でもあんたに文句いったり、一緒にご飯たべたり、口げんかして、居場所っていうか、態度はでかいし口も悪いけど、優しいひとだなって思った」
「ありがとね。感謝してる。わたし、子桓のために女神様になりきってみせるよ」
「ああ、期待している」
ちょっと仲良くなった
「待て。お前とゆっくり話したい。私の部屋に来い」
「えーやだ」
「な・・・私の誘いを断るのか。そんな女初めてだ!」
「信頼関係ないし・・・」
「お前を抱こうと思えばいつでも抱けた。ここは私の屋敷だからな。自意識過剰だバカが」
「きーっ!バカとはなによバカとは!」
「その態度もどうにかしろ。屋敷では許すが、一歩外にでれば他の家臣に言い訳できん」
「ごめん、曹丕ってえらい人なんだよね。示しがいるよね。こんな小娘になめた口きかれてたらみんなびっくりするね」
「ものわかりがいいな」
「なんて呼べばいい?曹丕様?旦那様?」
「子桓と呼べ」
「子桓さま?」
「普段は呼び捨てでかまわない。お前には全ての無礼を許している」
「というか、お前がこちらの流儀をすぐに覚えられるとはおもっていないから安心しろ」
「なんかバカにされてるんですけど」
「私もお前の国のことはわからん。大目にみてやるといっているんだ」
「あ、ありがとう…子桓?」
「甘い酒なら飲めるか?少し付き合え」
「気持ちいい風」
「あまり気を張るな。酒と風と過ぎゆく時を楽しむのだ」
「あちらに恋人はいたのか?」
「恋人はいないけど、家族がいるよ。みんなに会いたい・・・」
「家族か・・・私にはわからん。肉親の情というものが理解できない」
「そっか。子桓は愛されることが下手に育っちゃったんだね。だからそんなに眉間のシワよせて他人を拒んでる」
「乱世に愛なぞ不要だ」
真矢はぐいっと酒を飲み干すと、腰掛ける曹丕の背後から彼を抱きしめた。
「暖かい?」
「ああ、なんのまねだ」
「暖かいのって気持ちいい?」
「・・・ああ」
「子供のころ、こうしてほしいときがあったよね。思い出して。」
「お父様に抱きしめて欲しかったよね。お母様に受け入れて欲しかったよね」
「かわりに私が子桓の味方でいる。裏切らない。でも好きなことや嫌なことははっきりいうからね」
「子桓、いつも頑張ってるね。子桓は私の自慢よ。子桓あまり無理しないでね。あなたがいきているだけで嬉しいんだから」
「なんのまねだ真矢。もう酔ったのか?」
「うん。酔った」
「お前の国の流儀か?」
「わたしの流儀かな」
「あんた、ほんとは優しいひとだと思う。こんな怪しいわたしのことなんか、ほんとは殺しちゃうのが一番なのに、家にまで住まわせて、世話して」
「お前が暁の女神だからだ」
「偽物でもなんでもいいんでしょ。わたしすごく不安だったの。いきなり意味わかんないとこに来て、司馬懿は怖い顔で殺すかとかいうし、びしょ濡れだし」
「でもあんたに文句いったり、一緒にご飯たべたり、口げんかして、居場所っていうか、態度はでかいし口も悪いけど、優しいひとだなって思った」
「ありがとね。感謝してる。わたし、子桓のために女神様になりきってみせるよ」
「ああ、期待している」
ちょっと仲良くなった
三国無双 トリップ 魏
橘 真矢
天は赤い河、マ、いろいろパロ
ナキア 張角
カイル 曹丕 司馬懿 司馬師
ラムセス 趙雲 陸遜
その日は大雨だった。私は急いで学校へ向かっていた。最近夢にみる風景とそっくりの土砂降りで、なんだかとても恐ろしかった。夢のなかで私は濁流の側溝に引きずり込まれて、祭壇に祀られるのだ。気持ちの悪い導師のおじさんに首を切られ、死ぬ夢。おかげでここのところ寝不足だ。
あと少しで学校につく。びしょ濡れだから、先生にいってジャージで授業を受けさせてもらおう。
「見つけたぞ」
「え?」
声がきこえた。はっきりと、見つけたと。男の声だ。私はこの声を知っている。夢のなかで何度も聞いたものだ。
その瞬間、足をなにかに掴まれた。叫ぶが、誰もいない。いつもならたくさんの人がいる通りなのに誰もいなかった。
「きゃああああ」
「捕まえたぞ、暁の女神」
濁流のなかに引きずり込まれる。息ができない。抵抗しようともがいたが、いつの間にか意識を失ってしまっていた。
「おい、起きろ娘」
「う・・ん・・・」
温かい。水、いやお湯だ。雨で冷え切っていた体がぬくもりを取り戻す。
「何者だ娘。ここが私の湯殿だと分かってここにいるのか?」
「なに?なに言ってるのかわかんない」
目をあけると、裸のイケメンにお姫様だっこされていた。温かいのは、温泉旅館並みのお風呂に浮かんでいるからで、謎のイケメンが謎の言葉でなにかいっている。機嫌が悪そうだが、それどころではない。
「変態!なんなのよあんた!ここどこ?なんで裸なのよ、なんて言ってるの?離してよ!」
「お前、間者か?それとも誰かがよこした妃候補か?それにしては色気がないが」
イケメンから逃れようと暴れてみるが、びくともしない。私、こんなところで貞操の危機?むしろ命の危機?
「うるさいぞ。少し静かにしろ」
イケメンの顔が近づく。近い、近い、近すぎる。はねのけようとした瞬間、距離は限りなくゼロになる。唇に唇が触れる。ファーストキス。
「や、やだ、なにすんのよ!初めてだったのに!」
「初めてが私とは幸運だったな娘」
言葉がわかる。なにが起きたのかまた意味がわからなくなる。
「なに偉そうに!イケメンだからって調子のってんじゃないわよ。初めてだったのに・・・ひどい」
「曹丕様、どうなさいましたか」
「司馬懿か、この娘を連れていけ」
「新しい妾ですか」
「知らん。突然あらわれたのだ」
「間者でしょうか」
「さあな」
「娘、来い」
「やだ、痛い!」
「お前、名は?」
「橘真矢です」
「聞き慣れぬ響きだな。どこの出身だ?」
「日本!普通の日本人の名前よ」
「日本?どこだそれは」
「え・・・ねぇ、ここはどこなの?あなたも、変な格好してる」
「変な格好とはなんだ!これは魏の官服だ。ここは許昌、魏の曹操様の居城だ」
「魏?魏って、まさか、三国志?うそ・・・」
「お前、この国のものではないな。なぜ曹丕様の湯殿にいた?」
「分からない。気付いたらあそこで・・・誰かに捕まったの。雨のなかに吸い込まれて、捕まえたぞ、暁の女神、って声が聞こえて」
「暁の女神だと?」
「なんなのよ!知らないわよ!」
「戦に勝利をもたらすという伝説の女神だ」
「真矢といったか。それを誰にいわれた?」
「知らない人・・・気持ち悪いおじさん。導師っていってた。みんな黄色の服を着てて、妖しい感じで怖かった。ずっと夢にでてきてた。黄天がどうのって」
「黄天か。よもや張角が本物とはな」
「連中は妖しい術をつかうといいます。乱を起こすとの噂もありますし、戦の神を欲しがっても不思議はありますまい」
「ほう、疑り深いお前が信じるのか司馬懿よ」
「信じたわけではありません。が、曹丕様の湯殿はこんな小娘が入り込めるような造りにはなっておりませんし、この珍妙な身なり、突然あらわれたということですし、殺すのはいつでもできます」
「殺すって!私を?殺すの?」
「間者ならば容赦はせぬ」
「間者ならばな。暁の女神ならば話は違う。司馬懿よ、この娘のこと、父上には内密にせよ。私がそばにおく」
「娘、真矢といったか」
「そうだけど、あなたは?さっきの司馬懿より偉そうね」
「私は曹丕子桓。この国の太子だ」
「太子・・・ほんとに日本じゃないんだ・・・」
「お前はどこからきたのだ」
「日本っていう国。多分、ずっと東のほうだよ。多分未来からきたの」
「多分ばっかりだな」
「だって自分でもわかんないんだもん!びしょ濡れで、いきなりこんなとこ来て、こ、殺されるとか・・・意味わかんない!」
「まあいい。ついてこい。屋敷に帰るぞ」
「まあ曹丕様、こちらのお嬢さまは?まあ、ずぶ濡れではございませんか」
「真矢という。これからここに住まわせる。部屋と服と、すべて整えてやれ」
「ちょっと曹丕!」
「真矢様こちらにどうぞ」
「真矢、終わったら部屋にこい」
「お、お邪魔します・・・」
「あぁ入れ」
「服とか、ありがとう…ございます」
「ほぅ、馬子にも衣装だな」
「バカにして・・・」
「違う。磨けば光るといっているんだ。美しいと」
「あなたって、そんな冗談、いうんだ」
「冗談はあまり言わん。が、まあよい。お前、いくあてもなかろう。ここで暮らすんだな。不自由はさせまい」
「私が暁の女神だから?でも知らないわよ!違うかもしれない」
「どうでもよい。たとえ例えお前が本物の暁の女神だったら、儲けたなとは思うかもしれん。私の宮に暁の女神がいる、それだけで充分なのだ」
「あなた、すごい野心家ね。自分の力だけでやってやるって顔してる」
「ふっ、今すぐ抱かれたくないなら早く部屋に戻ることだな」
「なっ、なに言ってるのよ!戻るから!じゃあね!おやすみ!」
天は赤い河、マ、いろいろパロ
ナキア 張角
カイル 曹丕 司馬懿 司馬師
ラムセス 趙雲 陸遜
その日は大雨だった。私は急いで学校へ向かっていた。最近夢にみる風景とそっくりの土砂降りで、なんだかとても恐ろしかった。夢のなかで私は濁流の側溝に引きずり込まれて、祭壇に祀られるのだ。気持ちの悪い導師のおじさんに首を切られ、死ぬ夢。おかげでここのところ寝不足だ。
あと少しで学校につく。びしょ濡れだから、先生にいってジャージで授業を受けさせてもらおう。
「見つけたぞ」
「え?」
声がきこえた。はっきりと、見つけたと。男の声だ。私はこの声を知っている。夢のなかで何度も聞いたものだ。
その瞬間、足をなにかに掴まれた。叫ぶが、誰もいない。いつもならたくさんの人がいる通りなのに誰もいなかった。
「きゃああああ」
「捕まえたぞ、暁の女神」
濁流のなかに引きずり込まれる。息ができない。抵抗しようともがいたが、いつの間にか意識を失ってしまっていた。
「おい、起きろ娘」
「う・・ん・・・」
温かい。水、いやお湯だ。雨で冷え切っていた体がぬくもりを取り戻す。
「何者だ娘。ここが私の湯殿だと分かってここにいるのか?」
「なに?なに言ってるのかわかんない」
目をあけると、裸のイケメンにお姫様だっこされていた。温かいのは、温泉旅館並みのお風呂に浮かんでいるからで、謎のイケメンが謎の言葉でなにかいっている。機嫌が悪そうだが、それどころではない。
「変態!なんなのよあんた!ここどこ?なんで裸なのよ、なんて言ってるの?離してよ!」
「お前、間者か?それとも誰かがよこした妃候補か?それにしては色気がないが」
イケメンから逃れようと暴れてみるが、びくともしない。私、こんなところで貞操の危機?むしろ命の危機?
「うるさいぞ。少し静かにしろ」
イケメンの顔が近づく。近い、近い、近すぎる。はねのけようとした瞬間、距離は限りなくゼロになる。唇に唇が触れる。ファーストキス。
「や、やだ、なにすんのよ!初めてだったのに!」
「初めてが私とは幸運だったな娘」
言葉がわかる。なにが起きたのかまた意味がわからなくなる。
「なに偉そうに!イケメンだからって調子のってんじゃないわよ。初めてだったのに・・・ひどい」
「曹丕様、どうなさいましたか」
「司馬懿か、この娘を連れていけ」
「新しい妾ですか」
「知らん。突然あらわれたのだ」
「間者でしょうか」
「さあな」
「娘、来い」
「やだ、痛い!」
「お前、名は?」
「橘真矢です」
「聞き慣れぬ響きだな。どこの出身だ?」
「日本!普通の日本人の名前よ」
「日本?どこだそれは」
「え・・・ねぇ、ここはどこなの?あなたも、変な格好してる」
「変な格好とはなんだ!これは魏の官服だ。ここは許昌、魏の曹操様の居城だ」
「魏?魏って、まさか、三国志?うそ・・・」
「お前、この国のものではないな。なぜ曹丕様の湯殿にいた?」
「分からない。気付いたらあそこで・・・誰かに捕まったの。雨のなかに吸い込まれて、捕まえたぞ、暁の女神、って声が聞こえて」
「暁の女神だと?」
「なんなのよ!知らないわよ!」
「戦に勝利をもたらすという伝説の女神だ」
「真矢といったか。それを誰にいわれた?」
「知らない人・・・気持ち悪いおじさん。導師っていってた。みんな黄色の服を着てて、妖しい感じで怖かった。ずっと夢にでてきてた。黄天がどうのって」
「黄天か。よもや張角が本物とはな」
「連中は妖しい術をつかうといいます。乱を起こすとの噂もありますし、戦の神を欲しがっても不思議はありますまい」
「ほう、疑り深いお前が信じるのか司馬懿よ」
「信じたわけではありません。が、曹丕様の湯殿はこんな小娘が入り込めるような造りにはなっておりませんし、この珍妙な身なり、突然あらわれたということですし、殺すのはいつでもできます」
「殺すって!私を?殺すの?」
「間者ならば容赦はせぬ」
「間者ならばな。暁の女神ならば話は違う。司馬懿よ、この娘のこと、父上には内密にせよ。私がそばにおく」
「娘、真矢といったか」
「そうだけど、あなたは?さっきの司馬懿より偉そうね」
「私は曹丕子桓。この国の太子だ」
「太子・・・ほんとに日本じゃないんだ・・・」
「お前はどこからきたのだ」
「日本っていう国。多分、ずっと東のほうだよ。多分未来からきたの」
「多分ばっかりだな」
「だって自分でもわかんないんだもん!びしょ濡れで、いきなりこんなとこ来て、こ、殺されるとか・・・意味わかんない!」
「まあいい。ついてこい。屋敷に帰るぞ」
「まあ曹丕様、こちらのお嬢さまは?まあ、ずぶ濡れではございませんか」
「真矢という。これからここに住まわせる。部屋と服と、すべて整えてやれ」
「ちょっと曹丕!」
「真矢様こちらにどうぞ」
「真矢、終わったら部屋にこい」
「お、お邪魔します・・・」
「あぁ入れ」
「服とか、ありがとう…ございます」
「ほぅ、馬子にも衣装だな」
「バカにして・・・」
「違う。磨けば光るといっているんだ。美しいと」
「あなたって、そんな冗談、いうんだ」
「冗談はあまり言わん。が、まあよい。お前、いくあてもなかろう。ここで暮らすんだな。不自由はさせまい」
「私が暁の女神だから?でも知らないわよ!違うかもしれない」
「どうでもよい。たとえ例えお前が本物の暁の女神だったら、儲けたなとは思うかもしれん。私の宮に暁の女神がいる、それだけで充分なのだ」
「あなた、すごい野心家ね。自分の力だけでやってやるって顔してる」
「ふっ、今すぐ抱かれたくないなら早く部屋に戻ることだな」
「なっ、なに言ってるのよ!戻るから!じゃあね!おやすみ!」