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無双パロ3
「司馬懿も帰ったし、私ももう寝るね」
「待て。お前とゆっくり話したい。私の部屋に来い」
「えーやだ」
「な・・・私の誘いを断るのか。そんな女初めてだ!」
「信頼関係ないし・・・」
「お前を抱こうと思えばいつでも抱けた。ここは私の屋敷だからな。自意識過剰だバカが」
「きーっ!バカとはなによバカとは!」
「その態度もどうにかしろ。屋敷では許すが、一歩外にでれば他の家臣に言い訳できん」
「ごめん、曹丕ってえらい人なんだよね。示しがいるよね。こんな小娘になめた口きかれてたらみんなびっくりするね」
「ものわかりがいいな」
「なんて呼べばいい?曹丕様?旦那様?」
「子桓と呼べ」
「子桓さま?」
「普段は呼び捨てでかまわない。お前には全ての無礼を許している」
「というか、お前がこちらの流儀をすぐに覚えられるとはおもっていないから安心しろ」
「なんかバカにされてるんですけど」
「私もお前の国のことはわからん。大目にみてやるといっているんだ」
「あ、ありがとう…子桓?」
「甘い酒なら飲めるか?少し付き合え」
「気持ちいい風」
「あまり気を張るな。酒と風と過ぎゆく時を楽しむのだ」
「あちらに恋人はいたのか?」
「恋人はいないけど、家族がいるよ。みんなに会いたい・・・」
「家族か・・・私にはわからん。肉親の情というものが理解できない」
「そっか。子桓は愛されることが下手に育っちゃったんだね。だからそんなに眉間のシワよせて他人を拒んでる」
「乱世に愛なぞ不要だ」
真矢はぐいっと酒を飲み干すと、腰掛ける曹丕の背後から彼を抱きしめた。
「暖かい?」
「ああ、なんのまねだ」
「暖かいのって気持ちいい?」
「・・・ああ」
「子供のころ、こうしてほしいときがあったよね。思い出して。」
「お父様に抱きしめて欲しかったよね。お母様に受け入れて欲しかったよね」
「かわりに私が子桓の味方でいる。裏切らない。でも好きなことや嫌なことははっきりいうからね」
「子桓、いつも頑張ってるね。子桓は私の自慢よ。子桓あまり無理しないでね。あなたがいきているだけで嬉しいんだから」
「なんのまねだ真矢。もう酔ったのか?」
「うん。酔った」
「お前の国の流儀か?」
「わたしの流儀かな」
「あんた、ほんとは優しいひとだと思う。こんな怪しいわたしのことなんか、ほんとは殺しちゃうのが一番なのに、家にまで住まわせて、世話して」
「お前が暁の女神だからだ」
「偽物でもなんでもいいんでしょ。わたしすごく不安だったの。いきなり意味わかんないとこに来て、司馬懿は怖い顔で殺すかとかいうし、びしょ濡れだし」
「でもあんたに文句いったり、一緒にご飯たべたり、口げんかして、居場所っていうか、態度はでかいし口も悪いけど、優しいひとだなって思った」
「ありがとね。感謝してる。わたし、子桓のために女神様になりきってみせるよ」
「ああ、期待している」
ちょっと仲良くなった
「待て。お前とゆっくり話したい。私の部屋に来い」
「えーやだ」
「な・・・私の誘いを断るのか。そんな女初めてだ!」
「信頼関係ないし・・・」
「お前を抱こうと思えばいつでも抱けた。ここは私の屋敷だからな。自意識過剰だバカが」
「きーっ!バカとはなによバカとは!」
「その態度もどうにかしろ。屋敷では許すが、一歩外にでれば他の家臣に言い訳できん」
「ごめん、曹丕ってえらい人なんだよね。示しがいるよね。こんな小娘になめた口きかれてたらみんなびっくりするね」
「ものわかりがいいな」
「なんて呼べばいい?曹丕様?旦那様?」
「子桓と呼べ」
「子桓さま?」
「普段は呼び捨てでかまわない。お前には全ての無礼を許している」
「というか、お前がこちらの流儀をすぐに覚えられるとはおもっていないから安心しろ」
「なんかバカにされてるんですけど」
「私もお前の国のことはわからん。大目にみてやるといっているんだ」
「あ、ありがとう…子桓?」
「甘い酒なら飲めるか?少し付き合え」
「気持ちいい風」
「あまり気を張るな。酒と風と過ぎゆく時を楽しむのだ」
「あちらに恋人はいたのか?」
「恋人はいないけど、家族がいるよ。みんなに会いたい・・・」
「家族か・・・私にはわからん。肉親の情というものが理解できない」
「そっか。子桓は愛されることが下手に育っちゃったんだね。だからそんなに眉間のシワよせて他人を拒んでる」
「乱世に愛なぞ不要だ」
真矢はぐいっと酒を飲み干すと、腰掛ける曹丕の背後から彼を抱きしめた。
「暖かい?」
「ああ、なんのまねだ」
「暖かいのって気持ちいい?」
「・・・ああ」
「子供のころ、こうしてほしいときがあったよね。思い出して。」
「お父様に抱きしめて欲しかったよね。お母様に受け入れて欲しかったよね」
「かわりに私が子桓の味方でいる。裏切らない。でも好きなことや嫌なことははっきりいうからね」
「子桓、いつも頑張ってるね。子桓は私の自慢よ。子桓あまり無理しないでね。あなたがいきているだけで嬉しいんだから」
「なんのまねだ真矢。もう酔ったのか?」
「うん。酔った」
「お前の国の流儀か?」
「わたしの流儀かな」
「あんた、ほんとは優しいひとだと思う。こんな怪しいわたしのことなんか、ほんとは殺しちゃうのが一番なのに、家にまで住まわせて、世話して」
「お前が暁の女神だからだ」
「偽物でもなんでもいいんでしょ。わたしすごく不安だったの。いきなり意味わかんないとこに来て、司馬懿は怖い顔で殺すかとかいうし、びしょ濡れだし」
「でもあんたに文句いったり、一緒にご飯たべたり、口げんかして、居場所っていうか、態度はでかいし口も悪いけど、優しいひとだなって思った」
「ありがとね。感謝してる。わたし、子桓のために女神様になりきってみせるよ」
「ああ、期待している」
ちょっと仲良くなった
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無双パロ2
曹丕の屋敷に来て2週間たった。日本ではきっと大騒ぎだろう。女子高生失踪事件の主役になる日がくるとは思っても見なかった。
「真矢、お前未来からきたといっていたな」
「多分」
「これからなにが起こるかしっているか」
「知らないよ。三国志なんて、ずっと昔の話だもん」
「三国志?なんだそれは」
「歴史小説?魏、呉、蜀って3つの国が中国にあって、その戦争の話かな。三国時代ってのがあったはずだから、ここはその魏なんでしょ?」
「多くの国がある。三国では足りん」
「だから、諸葛亮が天下三分の計で三国にしたんでしょ?」
「もっと話してみろ」
「あんまり詳しくないし・・・有名なのは、曹操、孫権、劉備かな。あと呂布とか関羽?」
「知らんな」
「あ、黄巾の乱でみんなでてくるんだよ。私、そこにいかなきゃいけないの。張角に、日本に帰してもらわないといけない」
「もしその乱が起こったときは一緒に連れて行ってやろう」
「真矢、今宵は司馬懿が屋敷にくる。お前も一緒に夕餉をとる」
「決定事項なのね。はいはい待ってますよ旦那様!」
「・・・いいな、それ」
「は?」
「旦那様、だ」
「この屋敷の旦那様って意味よ!バーカ」
「あんな楽しそうな曹丕様は初めてですわ」
「あれが楽しそうって、相当楽しくない人生なのねあの人」
「真矢様がいらっしゃってから、毎日楽しそうで、私たちも大変嬉しく思っておりますの
」
「さぁ真矢様、司馬懿様がいらっしゃっるのなら準備しませんと。お湯がわきましたら、湯殿をご用意いたしますので、しっかりおめかしいたしましょうね!」
「えー司馬懿でしょ?いいよこの格好で。会ったことあるし。なんかやな奴だし」
「いけません!曹丕様の奥方としてお客様をおもてなししませんと旦那様の名折れです」
「奥方?誰が、いつ、だれの」
「なにをいまさらおっしゃいます。真矢様は旦那様が初めてお側においた女性ですわ。あんな素敵な方に愛されて、真矢様は都中の娘たちの憧れの方ですのに」
「お帰りなさいませ」
「ほう、なかなか様になっているではないか」
「久しぶりね司馬懿サマ!今日はわざわざどうなさったんですか」
「お前のこれからの話をしにきたのだ」
「真矢、お前は戦場に行きたいのだったな」
「黄巾党の張角に会いにいかなきゃいけないのよ。日本に帰してもらわないと」
「その黄巾党だが、そろそろ乱が起こりそうだ。我々も出兵の準備に取りかかっている」
「しかしな、戦場に女は連れていけぬ」
「え、だって、連れていってくれるって曹丕いったよね?あいつに会って、戻してもらわなきゃ帰れないんでしょ?」
「そうだ。同じ術者にしかできない」
「そこでお前は、暁の女神として我が軍に同行する。なにか使える武器はあるか?」
「えっと、剣道してたから、刀なら少しは」
「稽古をつけてやろう」
「暁の女神は戦の神だ。それをたずさえて我が軍が勝利する。お前は私のそばで女神のふりをしておけばよい」
「女神のふりって、気恥ずかしいし、具体的にどんなのよ」
「曹丕様のお側に黙って飾られておけばよい。まずはそれらしい衣装を用意させよう」
「あとは、噂を流せば良い。この曹丕が女神を手にいれた、天下は我が手に落ちると」
「私が本物でも偽物でも、シンボルをアピールして見せびらかして、勝っちゃえばそれが真実になるってことね」
「シンボル?」
「ああ、その、象徴っていみ」
「そうだ。真矢、私の勝利の女神を演じてみせよ」
「真矢、お前未来からきたといっていたな」
「多分」
「これからなにが起こるかしっているか」
「知らないよ。三国志なんて、ずっと昔の話だもん」
「三国志?なんだそれは」
「歴史小説?魏、呉、蜀って3つの国が中国にあって、その戦争の話かな。三国時代ってのがあったはずだから、ここはその魏なんでしょ?」
「多くの国がある。三国では足りん」
「だから、諸葛亮が天下三分の計で三国にしたんでしょ?」
「もっと話してみろ」
「あんまり詳しくないし・・・有名なのは、曹操、孫権、劉備かな。あと呂布とか関羽?」
「知らんな」
「あ、黄巾の乱でみんなでてくるんだよ。私、そこにいかなきゃいけないの。張角に、日本に帰してもらわないといけない」
「もしその乱が起こったときは一緒に連れて行ってやろう」
「真矢、今宵は司馬懿が屋敷にくる。お前も一緒に夕餉をとる」
「決定事項なのね。はいはい待ってますよ旦那様!」
「・・・いいな、それ」
「は?」
「旦那様、だ」
「この屋敷の旦那様って意味よ!バーカ」
「あんな楽しそうな曹丕様は初めてですわ」
「あれが楽しそうって、相当楽しくない人生なのねあの人」
「真矢様がいらっしゃってから、毎日楽しそうで、私たちも大変嬉しく思っておりますの
」
「さぁ真矢様、司馬懿様がいらっしゃっるのなら準備しませんと。お湯がわきましたら、湯殿をご用意いたしますので、しっかりおめかしいたしましょうね!」
「えー司馬懿でしょ?いいよこの格好で。会ったことあるし。なんかやな奴だし」
「いけません!曹丕様の奥方としてお客様をおもてなししませんと旦那様の名折れです」
「奥方?誰が、いつ、だれの」
「なにをいまさらおっしゃいます。真矢様は旦那様が初めてお側においた女性ですわ。あんな素敵な方に愛されて、真矢様は都中の娘たちの憧れの方ですのに」
「お帰りなさいませ」
「ほう、なかなか様になっているではないか」
「久しぶりね司馬懿サマ!今日はわざわざどうなさったんですか」
「お前のこれからの話をしにきたのだ」
「真矢、お前は戦場に行きたいのだったな」
「黄巾党の張角に会いにいかなきゃいけないのよ。日本に帰してもらわないと」
「その黄巾党だが、そろそろ乱が起こりそうだ。我々も出兵の準備に取りかかっている」
「しかしな、戦場に女は連れていけぬ」
「え、だって、連れていってくれるって曹丕いったよね?あいつに会って、戻してもらわなきゃ帰れないんでしょ?」
「そうだ。同じ術者にしかできない」
「そこでお前は、暁の女神として我が軍に同行する。なにか使える武器はあるか?」
「えっと、剣道してたから、刀なら少しは」
「稽古をつけてやろう」
「暁の女神は戦の神だ。それをたずさえて我が軍が勝利する。お前は私のそばで女神のふりをしておけばよい」
「女神のふりって、気恥ずかしいし、具体的にどんなのよ」
「曹丕様のお側に黙って飾られておけばよい。まずはそれらしい衣装を用意させよう」
「あとは、噂を流せば良い。この曹丕が女神を手にいれた、天下は我が手に落ちると」
「私が本物でも偽物でも、シンボルをアピールして見せびらかして、勝っちゃえばそれが真実になるってことね」
「シンボル?」
「ああ、その、象徴っていみ」
「そうだ。真矢、私の勝利の女神を演じてみせよ」
三国無双 トリップ 魏
橘 真矢
天は赤い河、マ、いろいろパロ
ナキア 張角
カイル 曹丕 司馬懿 司馬師
ラムセス 趙雲 陸遜
その日は大雨だった。私は急いで学校へ向かっていた。最近夢にみる風景とそっくりの土砂降りで、なんだかとても恐ろしかった。夢のなかで私は濁流の側溝に引きずり込まれて、祭壇に祀られるのだ。気持ちの悪い導師のおじさんに首を切られ、死ぬ夢。おかげでここのところ寝不足だ。
あと少しで学校につく。びしょ濡れだから、先生にいってジャージで授業を受けさせてもらおう。
「見つけたぞ」
「え?」
声がきこえた。はっきりと、見つけたと。男の声だ。私はこの声を知っている。夢のなかで何度も聞いたものだ。
その瞬間、足をなにかに掴まれた。叫ぶが、誰もいない。いつもならたくさんの人がいる通りなのに誰もいなかった。
「きゃああああ」
「捕まえたぞ、暁の女神」
濁流のなかに引きずり込まれる。息ができない。抵抗しようともがいたが、いつの間にか意識を失ってしまっていた。
「おい、起きろ娘」
「う・・ん・・・」
温かい。水、いやお湯だ。雨で冷え切っていた体がぬくもりを取り戻す。
「何者だ娘。ここが私の湯殿だと分かってここにいるのか?」
「なに?なに言ってるのかわかんない」
目をあけると、裸のイケメンにお姫様だっこされていた。温かいのは、温泉旅館並みのお風呂に浮かんでいるからで、謎のイケメンが謎の言葉でなにかいっている。機嫌が悪そうだが、それどころではない。
「変態!なんなのよあんた!ここどこ?なんで裸なのよ、なんて言ってるの?離してよ!」
「お前、間者か?それとも誰かがよこした妃候補か?それにしては色気がないが」
イケメンから逃れようと暴れてみるが、びくともしない。私、こんなところで貞操の危機?むしろ命の危機?
「うるさいぞ。少し静かにしろ」
イケメンの顔が近づく。近い、近い、近すぎる。はねのけようとした瞬間、距離は限りなくゼロになる。唇に唇が触れる。ファーストキス。
「や、やだ、なにすんのよ!初めてだったのに!」
「初めてが私とは幸運だったな娘」
言葉がわかる。なにが起きたのかまた意味がわからなくなる。
「なに偉そうに!イケメンだからって調子のってんじゃないわよ。初めてだったのに・・・ひどい」
「曹丕様、どうなさいましたか」
「司馬懿か、この娘を連れていけ」
「新しい妾ですか」
「知らん。突然あらわれたのだ」
「間者でしょうか」
「さあな」
「娘、来い」
「やだ、痛い!」
「お前、名は?」
「橘真矢です」
「聞き慣れぬ響きだな。どこの出身だ?」
「日本!普通の日本人の名前よ」
「日本?どこだそれは」
「え・・・ねぇ、ここはどこなの?あなたも、変な格好してる」
「変な格好とはなんだ!これは魏の官服だ。ここは許昌、魏の曹操様の居城だ」
「魏?魏って、まさか、三国志?うそ・・・」
「お前、この国のものではないな。なぜ曹丕様の湯殿にいた?」
「分からない。気付いたらあそこで・・・誰かに捕まったの。雨のなかに吸い込まれて、捕まえたぞ、暁の女神、って声が聞こえて」
「暁の女神だと?」
「なんなのよ!知らないわよ!」
「戦に勝利をもたらすという伝説の女神だ」
「真矢といったか。それを誰にいわれた?」
「知らない人・・・気持ち悪いおじさん。導師っていってた。みんな黄色の服を着てて、妖しい感じで怖かった。ずっと夢にでてきてた。黄天がどうのって」
「黄天か。よもや張角が本物とはな」
「連中は妖しい術をつかうといいます。乱を起こすとの噂もありますし、戦の神を欲しがっても不思議はありますまい」
「ほう、疑り深いお前が信じるのか司馬懿よ」
「信じたわけではありません。が、曹丕様の湯殿はこんな小娘が入り込めるような造りにはなっておりませんし、この珍妙な身なり、突然あらわれたということですし、殺すのはいつでもできます」
「殺すって!私を?殺すの?」
「間者ならば容赦はせぬ」
「間者ならばな。暁の女神ならば話は違う。司馬懿よ、この娘のこと、父上には内密にせよ。私がそばにおく」
「娘、真矢といったか」
「そうだけど、あなたは?さっきの司馬懿より偉そうね」
「私は曹丕子桓。この国の太子だ」
「太子・・・ほんとに日本じゃないんだ・・・」
「お前はどこからきたのだ」
「日本っていう国。多分、ずっと東のほうだよ。多分未来からきたの」
「多分ばっかりだな」
「だって自分でもわかんないんだもん!びしょ濡れで、いきなりこんなとこ来て、こ、殺されるとか・・・意味わかんない!」
「まあいい。ついてこい。屋敷に帰るぞ」
「まあ曹丕様、こちらのお嬢さまは?まあ、ずぶ濡れではございませんか」
「真矢という。これからここに住まわせる。部屋と服と、すべて整えてやれ」
「ちょっと曹丕!」
「真矢様こちらにどうぞ」
「真矢、終わったら部屋にこい」
「お、お邪魔します・・・」
「あぁ入れ」
「服とか、ありがとう…ございます」
「ほぅ、馬子にも衣装だな」
「バカにして・・・」
「違う。磨けば光るといっているんだ。美しいと」
「あなたって、そんな冗談、いうんだ」
「冗談はあまり言わん。が、まあよい。お前、いくあてもなかろう。ここで暮らすんだな。不自由はさせまい」
「私が暁の女神だから?でも知らないわよ!違うかもしれない」
「どうでもよい。たとえ例えお前が本物の暁の女神だったら、儲けたなとは思うかもしれん。私の宮に暁の女神がいる、それだけで充分なのだ」
「あなた、すごい野心家ね。自分の力だけでやってやるって顔してる」
「ふっ、今すぐ抱かれたくないなら早く部屋に戻ることだな」
「なっ、なに言ってるのよ!戻るから!じゃあね!おやすみ!」
天は赤い河、マ、いろいろパロ
ナキア 張角
カイル 曹丕 司馬懿 司馬師
ラムセス 趙雲 陸遜
その日は大雨だった。私は急いで学校へ向かっていた。最近夢にみる風景とそっくりの土砂降りで、なんだかとても恐ろしかった。夢のなかで私は濁流の側溝に引きずり込まれて、祭壇に祀られるのだ。気持ちの悪い導師のおじさんに首を切られ、死ぬ夢。おかげでここのところ寝不足だ。
あと少しで学校につく。びしょ濡れだから、先生にいってジャージで授業を受けさせてもらおう。
「見つけたぞ」
「え?」
声がきこえた。はっきりと、見つけたと。男の声だ。私はこの声を知っている。夢のなかで何度も聞いたものだ。
その瞬間、足をなにかに掴まれた。叫ぶが、誰もいない。いつもならたくさんの人がいる通りなのに誰もいなかった。
「きゃああああ」
「捕まえたぞ、暁の女神」
濁流のなかに引きずり込まれる。息ができない。抵抗しようともがいたが、いつの間にか意識を失ってしまっていた。
「おい、起きろ娘」
「う・・ん・・・」
温かい。水、いやお湯だ。雨で冷え切っていた体がぬくもりを取り戻す。
「何者だ娘。ここが私の湯殿だと分かってここにいるのか?」
「なに?なに言ってるのかわかんない」
目をあけると、裸のイケメンにお姫様だっこされていた。温かいのは、温泉旅館並みのお風呂に浮かんでいるからで、謎のイケメンが謎の言葉でなにかいっている。機嫌が悪そうだが、それどころではない。
「変態!なんなのよあんた!ここどこ?なんで裸なのよ、なんて言ってるの?離してよ!」
「お前、間者か?それとも誰かがよこした妃候補か?それにしては色気がないが」
イケメンから逃れようと暴れてみるが、びくともしない。私、こんなところで貞操の危機?むしろ命の危機?
「うるさいぞ。少し静かにしろ」
イケメンの顔が近づく。近い、近い、近すぎる。はねのけようとした瞬間、距離は限りなくゼロになる。唇に唇が触れる。ファーストキス。
「や、やだ、なにすんのよ!初めてだったのに!」
「初めてが私とは幸運だったな娘」
言葉がわかる。なにが起きたのかまた意味がわからなくなる。
「なに偉そうに!イケメンだからって調子のってんじゃないわよ。初めてだったのに・・・ひどい」
「曹丕様、どうなさいましたか」
「司馬懿か、この娘を連れていけ」
「新しい妾ですか」
「知らん。突然あらわれたのだ」
「間者でしょうか」
「さあな」
「娘、来い」
「やだ、痛い!」
「お前、名は?」
「橘真矢です」
「聞き慣れぬ響きだな。どこの出身だ?」
「日本!普通の日本人の名前よ」
「日本?どこだそれは」
「え・・・ねぇ、ここはどこなの?あなたも、変な格好してる」
「変な格好とはなんだ!これは魏の官服だ。ここは許昌、魏の曹操様の居城だ」
「魏?魏って、まさか、三国志?うそ・・・」
「お前、この国のものではないな。なぜ曹丕様の湯殿にいた?」
「分からない。気付いたらあそこで・・・誰かに捕まったの。雨のなかに吸い込まれて、捕まえたぞ、暁の女神、って声が聞こえて」
「暁の女神だと?」
「なんなのよ!知らないわよ!」
「戦に勝利をもたらすという伝説の女神だ」
「真矢といったか。それを誰にいわれた?」
「知らない人・・・気持ち悪いおじさん。導師っていってた。みんな黄色の服を着てて、妖しい感じで怖かった。ずっと夢にでてきてた。黄天がどうのって」
「黄天か。よもや張角が本物とはな」
「連中は妖しい術をつかうといいます。乱を起こすとの噂もありますし、戦の神を欲しがっても不思議はありますまい」
「ほう、疑り深いお前が信じるのか司馬懿よ」
「信じたわけではありません。が、曹丕様の湯殿はこんな小娘が入り込めるような造りにはなっておりませんし、この珍妙な身なり、突然あらわれたということですし、殺すのはいつでもできます」
「殺すって!私を?殺すの?」
「間者ならば容赦はせぬ」
「間者ならばな。暁の女神ならば話は違う。司馬懿よ、この娘のこと、父上には内密にせよ。私がそばにおく」
「娘、真矢といったか」
「そうだけど、あなたは?さっきの司馬懿より偉そうね」
「私は曹丕子桓。この国の太子だ」
「太子・・・ほんとに日本じゃないんだ・・・」
「お前はどこからきたのだ」
「日本っていう国。多分、ずっと東のほうだよ。多分未来からきたの」
「多分ばっかりだな」
「だって自分でもわかんないんだもん!びしょ濡れで、いきなりこんなとこ来て、こ、殺されるとか・・・意味わかんない!」
「まあいい。ついてこい。屋敷に帰るぞ」
「まあ曹丕様、こちらのお嬢さまは?まあ、ずぶ濡れではございませんか」
「真矢という。これからここに住まわせる。部屋と服と、すべて整えてやれ」
「ちょっと曹丕!」
「真矢様こちらにどうぞ」
「真矢、終わったら部屋にこい」
「お、お邪魔します・・・」
「あぁ入れ」
「服とか、ありがとう…ございます」
「ほぅ、馬子にも衣装だな」
「バカにして・・・」
「違う。磨けば光るといっているんだ。美しいと」
「あなたって、そんな冗談、いうんだ」
「冗談はあまり言わん。が、まあよい。お前、いくあてもなかろう。ここで暮らすんだな。不自由はさせまい」
「私が暁の女神だから?でも知らないわよ!違うかもしれない」
「どうでもよい。たとえ例えお前が本物の暁の女神だったら、儲けたなとは思うかもしれん。私の宮に暁の女神がいる、それだけで充分なのだ」
「あなた、すごい野心家ね。自分の力だけでやってやるって顔してる」
「ふっ、今すぐ抱かれたくないなら早く部屋に戻ることだな」
「なっ、なに言ってるのよ!戻るから!じゃあね!おやすみ!」
司馬師子元 鍾会士季
トライアングル
司馬師
鍾会
桜宵 司馬の遠縁
「お前が飾りをつけているのは珍しいな」
「あの自惚れ者が、私に似合うと思った、などと持ってきたのです」
「鍾会とは仲が悪いと思っていた」
「年が近いので話しやすいのでしょう。たまに愚痴をいいに来ます」
「ほう」
「口は悪いし態度も悪いし、いけすかぬ者ですが、子犬のようでかわいいところもあるのです」
「子犬か。桜宵は奴を気に入っておるようだな」
「子元さま?」
「
自惚れ者、といいたかっただけ
思いつかない
司馬師
鍾会
桜宵 司馬の遠縁
「お前が飾りをつけているのは珍しいな」
「あの自惚れ者が、私に似合うと思った、などと持ってきたのです」
「鍾会とは仲が悪いと思っていた」
「年が近いので話しやすいのでしょう。たまに愚痴をいいに来ます」
「ほう」
「口は悪いし態度も悪いし、いけすかぬ者ですが、子犬のようでかわいいところもあるのです」
「子犬か。桜宵は奴を気に入っておるようだな」
「子元さま?」
「
自惚れ者、といいたかっただけ
思いつかない
遥か3 景望 つづき 祝言の日
「きれいよ望美。兄上にはもったいないくらい」
「朔ったら」
「でも嬉しいわ。これで本当に家族になれるんですもの。兄上のことも見直したわ。こんなすてきなお嫁さんを連れてきて」
「わたしも、みんなと家族になれて、嬉しいよ。朔、これからもよろしくね」
「望美さん、朔さん、準備が整ったようですよ。神殿へどうぞ」
「弁慶さん」
「きれいです、望美さん。景時に渡すのが惜しいくらいだ。このまま僕と逃げませんか」
「弁慶殿、うちの花嫁を拐かすのはやめてください」
「景時さん!」
「望美ちゃん!うわ、きれいだね。びっくりしちゃったよ。」
「景時さんも、かっこいいです。正装って、初めてみるかも」
「なんだか照れくさいね。さ、いこっか」
「かしこみかしこみもうす・・・」
神職姿のヒノエくんは、いつもと違う雰囲気で、なれた様子で祝詞を読む。久しぶりに訪れた熊野本宮には、家族のいないわたしのためにいろんな人が集まってくれた。みんなに見守られながら、わたしは景時さんと杯を飲み交わした。
「これで夫婦になったなんて、あまり実感ないですね」
「そうだね。でも、俺は、きみが花嫁姿で隣にいてくれてるだけで、もう幸せでいっぱいいっぱいだよ」
「景時にあきたらいつでもオレのとこに来いよ姫君。かぐやの姫のようにきれいだ、今すぐ攫っていきたい気分だぜ」
「ヒノエくんひどいよ、みんな俺から花嫁さんを奪うことばっかり考えて。祝言あげたばっかりだっていうのに」
「男の嫉妬さ。お前はそれだけいい女を娶ったんだ。幸せにしなきゃ、すぐ攫うからな」
「はー、疲れましたね景時さん」
「そうだね、向こうじゃまだ宴会が続いてるよ」
「久しぶりに会うひとも多いですから。景時さんはもういいんですか?」
「いいのいいの」
「・・・初夜に花嫁と過ごさなくてどうするの」
「あ・・・」
「ほんとに、俺でいいの?」
「景時さんがいいんです!」
「俺も、望美ちゃんが好きだよ…」
「景時、さん」
「俺を選んでくれてありがとう。お嫁さんになってくれてありがとう、幸せって思ってもらえるようにがんばるね」
「わたしも・・・景時さんと幸せになります」
衣が静かに暴かれる。肌触りのいい襦袢がするりと落ちて、素肌が露わになった。月明かりさえ眩しく思える。見たことのない艶を含んだ景時さんの表情に、全身がぞくぞくと熱をもった。
普段みない、彼の男の顔に、ほんの少し恐怖を感じた。食べられてしまいそうだ。
「大丈夫、怖くないよ」
わたしの心を感じとったのか、景時さんは優しくいつもの笑顔で髪をなでた。キスをして、素肌の体温を確かめあうように抱き合った。逞しい胸に顔をうずめると、微かに梅の香りがした。
「あ、梅の香り・・・」
「ああ、うん、昔きみにもらった香り袋を今日もってたんだ。匂いが移ったかな」
「まだ、もっててくれたんですか」
「当たり前だよ、すごく、嬉しかったんだ」
深いキスをする。わたしは息継ぎも分からずにそれだけで身体中の血液が沸騰しそうになった。ゆっくりゆっくり、進んでいく儀式は景時さんの優しさを全身で感じる。彼の指先、体重、体温、おずおずと壊れ物に触れるように、けれどもどかしさはなく、ただただ優しいものだった。
「痛く、ない?」
「は、い・・・景時さん、すき」
「望美ちゃん・・・そんなこと言われると、ガマンできなくなっちゃうよ」
「ガマンなんて、しないでください・・・全部、受けとめさせて」
温かいぬくもりと、髪を撫でられる感覚に目をさました。後ろから抱きしめられている。いつのまに眠ってしまったんだろう。素肌の体温に、昨晩の記憶がよみがえり、急に気恥ずかしくなった。景時さんは「おはよう望美ちゃん」とニコニコ微笑んで、ぎゅっと強く抱きしめた。
「お、おはようございます景時さん」
「夕べはむりさせちゃったかな、体、大丈夫?」
「あ・・・ちょっと、動けない、かも・・・」
「今日は二人でゆっくりしてよう。ずっと、このままで」
あたたかな体温にまぶたが重くなる。
幸せな夢が訪れる。
「朔ったら」
「でも嬉しいわ。これで本当に家族になれるんですもの。兄上のことも見直したわ。こんなすてきなお嫁さんを連れてきて」
「わたしも、みんなと家族になれて、嬉しいよ。朔、これからもよろしくね」
「望美さん、朔さん、準備が整ったようですよ。神殿へどうぞ」
「弁慶さん」
「きれいです、望美さん。景時に渡すのが惜しいくらいだ。このまま僕と逃げませんか」
「弁慶殿、うちの花嫁を拐かすのはやめてください」
「景時さん!」
「望美ちゃん!うわ、きれいだね。びっくりしちゃったよ。」
「景時さんも、かっこいいです。正装って、初めてみるかも」
「なんだか照れくさいね。さ、いこっか」
「かしこみかしこみもうす・・・」
神職姿のヒノエくんは、いつもと違う雰囲気で、なれた様子で祝詞を読む。久しぶりに訪れた熊野本宮には、家族のいないわたしのためにいろんな人が集まってくれた。みんなに見守られながら、わたしは景時さんと杯を飲み交わした。
「これで夫婦になったなんて、あまり実感ないですね」
「そうだね。でも、俺は、きみが花嫁姿で隣にいてくれてるだけで、もう幸せでいっぱいいっぱいだよ」
「景時にあきたらいつでもオレのとこに来いよ姫君。かぐやの姫のようにきれいだ、今すぐ攫っていきたい気分だぜ」
「ヒノエくんひどいよ、みんな俺から花嫁さんを奪うことばっかり考えて。祝言あげたばっかりだっていうのに」
「男の嫉妬さ。お前はそれだけいい女を娶ったんだ。幸せにしなきゃ、すぐ攫うからな」
「はー、疲れましたね景時さん」
「そうだね、向こうじゃまだ宴会が続いてるよ」
「久しぶりに会うひとも多いですから。景時さんはもういいんですか?」
「いいのいいの」
「・・・初夜に花嫁と過ごさなくてどうするの」
「あ・・・」
「ほんとに、俺でいいの?」
「景時さんがいいんです!」
「俺も、望美ちゃんが好きだよ…」
「景時、さん」
「俺を選んでくれてありがとう。お嫁さんになってくれてありがとう、幸せって思ってもらえるようにがんばるね」
「わたしも・・・景時さんと幸せになります」
衣が静かに暴かれる。肌触りのいい襦袢がするりと落ちて、素肌が露わになった。月明かりさえ眩しく思える。見たことのない艶を含んだ景時さんの表情に、全身がぞくぞくと熱をもった。
普段みない、彼の男の顔に、ほんの少し恐怖を感じた。食べられてしまいそうだ。
「大丈夫、怖くないよ」
わたしの心を感じとったのか、景時さんは優しくいつもの笑顔で髪をなでた。キスをして、素肌の体温を確かめあうように抱き合った。逞しい胸に顔をうずめると、微かに梅の香りがした。
「あ、梅の香り・・・」
「ああ、うん、昔きみにもらった香り袋を今日もってたんだ。匂いが移ったかな」
「まだ、もっててくれたんですか」
「当たり前だよ、すごく、嬉しかったんだ」
深いキスをする。わたしは息継ぎも分からずにそれだけで身体中の血液が沸騰しそうになった。ゆっくりゆっくり、進んでいく儀式は景時さんの優しさを全身で感じる。彼の指先、体重、体温、おずおずと壊れ物に触れるように、けれどもどかしさはなく、ただただ優しいものだった。
「痛く、ない?」
「は、い・・・景時さん、すき」
「望美ちゃん・・・そんなこと言われると、ガマンできなくなっちゃうよ」
「ガマンなんて、しないでください・・・全部、受けとめさせて」
温かいぬくもりと、髪を撫でられる感覚に目をさました。後ろから抱きしめられている。いつのまに眠ってしまったんだろう。素肌の体温に、昨晩の記憶がよみがえり、急に気恥ずかしくなった。景時さんは「おはよう望美ちゃん」とニコニコ微笑んで、ぎゅっと強く抱きしめた。
「お、おはようございます景時さん」
「夕べはむりさせちゃったかな、体、大丈夫?」
「あ・・・ちょっと、動けない、かも・・・」
「今日は二人でゆっくりしてよう。ずっと、このままで」
あたたかな体温にまぶたが重くなる。
幸せな夢が訪れる。