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牧 改定2

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マヤ 29
牧 22


「おはようございます~清田の姉です。いつもノブがお世話になってます~」
「今日は急病の監督の代わりに、清田のお姉さんに引率していただくことになった。みんな、言うこときくように」
「よろしくお願いしまーす」

「高校なんて久しぶり~」
「7年ぶりだな姉ちゃん」
「うるさい。ほら、いっておいで」
「ごめんね、私スコアとか全く分かんなくて」
「向こうのマネージャーがうちの分も付けてくれるそうなので、大丈夫です。居てくれるだけで助かります。ゆっくり見ててください。勝ってきます。」

「今日の牧さんすごかったっすね」
「赤木も木暮もいないからな。桜木はまだ復帰したばかりだ。元気そうで安心した。」

「お、桜木。退院おめでとう。調子良さそうだな」
「おい!その美女は誰だ!」
「美女…!ありがとうお姉さん嬉しい」
「俺の姉ちゃん」
「野猿の、お姉さんだと…?!言われて見れば似てるような…似てないような」
「なんだ、てっきり牧さんの彼女さんかと思って。すみません、この子が興奮しちゃって」

「ジィに彼女がいるわけないな!この天才にもいないんだ!ガハハ」
「あなたね~牧くんをジィって呼んでる子。信長の姉のマヤです。ノブと仲良くしてくれてありがとう」
「仲良くない!」
「ごめんねぇ、いっつもこんなんでしょ」
「いえいえ、うちも迷惑かけてます。ほら花道、落ち着きなさい」
「野猿にこんな美人のお姉さんがいたなんて…信じられん」
「牧さんもすみません、花道が失礼しました」
「いや…今日はありがとう。赤木たちの抜けた分、頑張ってくれ。体に気をつけてな」

「面白い子だったね、桜木くん?」
「ああ…あいつはこの前バスケを始めたばかりなのにインハイまでいって、すごい奴なんです」
「それはすごいね!」
「冬はもっと上手くなってるでしょうね。信長、負けるなよ」
「負けませんよ!」

「わ~海だ~ひさしぶりだ~」
「マヤさん、今日はありがとうございました。助かりました。」
「初めてみんながバスケしてるとこみてね、すっごくかっこよかったよ。またみたいな。いつでも声かけてね。」
「あの、もうひとつお願いがあるんです。」
「ん?明日も引率する?」
「いえ、実は今日、俺の誕生日なんです」
「えええ、聞いてない!」
「教えてくれれば、プレゼント用意したのにー」
「今日、マヤさんがいてくれて幸せでした。」
「やだな、大げさだよ」
「18になったんで、言わせて下さい。好きです。高校卒業したら俺と付き合って下さい。」
「ちょっと、牧くん、早まるな。お姉さんは君の7つ上だ。若い子にいきなさい、若い子に。大学入ればいくらでも出会いがあるから。」
「迷惑にならないよう18になるまで待ちました。結婚を前提に付き合って下さい。」
「ええ、ちょっと、…頭が混乱して…」
マヤは浜辺にへたれこんだ。
「私、もうアラサーだからね、牧くんが22のとき29だからね。あ、医学部なら卒業したときもう30すぎてるからね。ほら冷静になって。親御さんも反対するって。途中で飽きるよ。そしたら私も可哀相でしょ」
「卒業したら、もう一度言います。そのときまで、考えて下さい。」
「あと…誕生日プレゼントとして、合コンに行かないって約束、もらえませんか。」
「ええ…」
「牧さん!姉ちゃん!そろそろ電車の時間だってー!」
「おう、帰るか」

牧くんは医学部への推薦が決まり、冬のインターハイまでバスケを続けた。同級生が追い上げる中、勉強も今までどおりの成績を保っているらしい。インターハイが終わってからは、大学バスケ部の練習に加わったりしながら、よくノブ達とうちで夕飯を食べて、何事もなく帰っていった。
あの告白が嘘だったように平穏な日々だった。でも、私を見るやさしい目つきや、ふとしたときの表情が、「後輩のお姉さん」に宛てたものではないというのは鈍感な私にも分かっていた。
高校生に手を出したら、それがどんな関係であろうと大人が裁かれる。牧くんは私の立場に配慮して、色んなものを我慢していた。自分が彼の年齢のとき、そんな思慮深い振る舞いが出来ただろうか?
彼との半ば強引な「約束」に強制力はなかったが、私はあれから一度も合コンの類いに顔を出すことはなかった。


「牧くんの卒業パーティー…っていうか鍋パね。こんなんでいいの?」
「このメンバーで姉ちゃんち!ってのがいいんだろ。アットホームで。まだ寒いし、ね!牧さん!」
「そうだな」
「はいはい。あんたは肉が食べられればどこでもいいんでしょー」
「親が肉持たせてくれました。お世話になってますと伝えるように言われました」
「わあ!松阪牛!すごい~!ノブ、うちじゃ食べられないお肉だよ…」
「牧さん…」
「お前たちにも世話になったからな。いっぱい食べろよ」
「おいしい…」
「改めて、先輩卒業おめでとうございます。大学でも頑張って下さいね」
「ああ、部を頼んだ」
「はい」
「いい話やぁ…」
「姉ちゃん酒飲んでんの?俺も飲みたい!」
「松坂牛様を堪能したくて…君たちはまだジュースです!」
本当は、牧くんに告白の返事をしなきゃいけないんじゃないかと思って、緊張に耐えきれずアルコールに頼ったのだ。
「ちょっとくらいいーじゃん」
「ダメ!」
「俺たちもあと数年で飲める。お前が成人したら、俺が飲みに連れてってやるよ。」
「そのときはまたこのメンバーで飲みましょう」
「そうだな。信長、内部推薦とれるくらいは勉強しておけよ」
「う…神さんはどーなんすか」
「俺は問題ないよ」
「バカは俺だけかよ~」
「あんたが勉強してないだけでしょ」
「姉ちゃんまでひどい」


「じゃ、そろそろ帰りなさーい。もう遅いから気をつけてね」
「はい。あ、片付け」
「俺がやってくから、二人は先に帰れ」
牧くんの家はここから徒歩圏内なので、いつも彼が残って片付けを手伝ってくれていた。

「牧くんお片付けも上手よね…」
「そうですか?」
「私が大ざっぱだからなぁ、丁寧だなぁっていつも感謝してます。」
「俺も、いつも料理作ってもらって感謝してます。」
「いい旦那さんになるよ~」
ポロッと出た言葉にドキッとした。わざわざ蒸し返すようなことを言ってしまった。もしかしたら牧くんの方は、とっくの昔に考えを変えているかもしれないのに。
一瞬、時が止まったのち、彼が沈黙を破った。
「…マヤさん、合コン行かないでくれましたね。ありがとうございます。」
「…なぜ知っている…」
「見てれば分かりますよ。」
「誕生日プレゼントだったから」
「マヤさん」
「せ、正座…!あ、はい、ちょっと待って、正座正座…はい、なんでしょうか」
「やっと卒業しました。あのときの答えを聞かせてください。」
「牧くんは…考え変わらなかったの?」
「では、もう一度言います。俺と結婚を前提に付き合ってください」
大きな人が正座して目の前に座っている。それだけで迫力があるというのに、取って食われるような真剣な目でこちらを射抜く。試合中に見せるその表情に何度も撃ち抜かれてきた。普段はしっかりしているようで、年相応な油断も見せる彼。大人と子供の狭間にいる人の、真っ直ぐな感情。この人は、自分がこれと思ったことは全て実現させる人だ。年齢を理由に誤魔化してはいけない。自分の気持ちも裏切ってはいけないと思った。
本当は、断ろうと思っていた。牧くんのことはとっくの昔に好きになっていたけれど、彼の将来を縛るわけにはいかないと思っていた。若い時代の7年は大きい。
でも、この目に見つめられたら、NOと言うことなんてできないではないか。
「…はい…こちらこそ、よろしくお願いします。」
ポロッとまた言ってしまった。アルコールなんて入れたのが間違いだ。アルコールは人に道を踏み外させるものだ。
「キスしても…いいですか」
なにも言わずしてしまえばいいのに。たどたどしく唇を寄せる牧くんは、見た目よりずっと小さく見えた。ちゃんと高校生だ。自分の若いころを思い出した。何もかもが手探りで、一生懸命だった。
「…はい」

片膝を立てて境界線を越える。ぎこちないキス。

「今日は、これで失礼します。」
「あ、はい、おやすみなさい」
「おやすみなさい」

※ご挨拶

「わ、牧さん!お久しぶりっす!どうしたんすか家にくるなんて!偶然近く通りかかったとか?上がってください!今日、姉ちゃんが彼氏連れてくるらしくて!!一緒に見ましょうよ!」
「ごめんね、紳一くん、いつもいつもノブが…」
「いや、なれてる」
「へ?え?姉ちゃんが呼んだの?」
「ささ、上がって上がって」
「へ?まさか、姉ちゃん、牧さんと??え、姉ちゃんの彼氏って牧さん?!」 「うちで何度も会ってたじゃん…」
「ええ、近いからご飯食べにきてたんじゃなかったんすか?!」
「それはお前だけだ」
「はじめまして。牧紳一と申します。」
「ノブが高1のときのバスケのキャプテンよ。」
「あら、マヤ、やるじゃない」
「覚えてるよ…え、マヤの彼氏ってキャプテン?」
「結婚を前提にお付き合いさせていただいております。ご挨拶が遅れて大変申し訳ありません。」
「紳一くんはね、すぐ挨拶したいっていってくれてたんだけど、未成年だったし、大学出てからにしよう!って私が言ったの!あ、未成年っていっても高校卒業してからね!あと、大学はあと二年あるんだけど」
「海南大医学部の5回生になりまして、ようやくマヤさんからお許しが出たので、ご挨拶に参りました。まだ頼りない身で失礼いたします。」
「あら~あらあら~どうぞ貰ってください!もう、この子ったら29にもなってなにもないからすごく心配してたんです」
「マヤとは…7歳差…?いいんですか?」
「いいもなにも、私の方こそ若輩で頼りないでしょうが、精一杯マヤさんを幸せにできればと思います。」
「若いのに、立派だなぁ…」
「うふふ」
「結婚式はいつするの?」
「今年の秋頃にできればと思っています。」
「私も貯金あるし、心配しなくていいよ~」
「両親が、早めに結納をさせてほしいと言っています。御都合はいかがでしょうか?」
「うちはいつでも!」
「娘をよろしくお願いします…キャプテンかー!父さんより頼りがいあるだろ」



*友人パーティー


「やっぱりジィの彼女だった!」
「付き合い始めたのは卒業してからって言ってたでしょ」
「俺の勘は当たった…ふふふ」
「まさか弟の先輩と結婚するとは思わなかったよ~」
「でも、今思えば、たしかに花道の言うとおり、牧さんの視線とか柔らかかったかも」
「告白されるまで、ぜんっぜん考えもしなかったのよ」
「牧さんの告白なんか、絶対カッコいい!あの人、心に決めたら一直線って感じですよね。」
「そーなのよ。こんな年上なのに、物好きよねぇ」



「マヤさん、実は、マヤさんはうちの部では有名人だったんですよ」
「えーなにそれ」
「ランニングのときたまにすれ違ってたでしょ?信長が入学する半年前くらいから見かけるようになって、キレイな人がいるって話題になってたんです。」
「うそだー」
「先輩、そのころからずっとマヤさんのこと好きだったんですよ」
「おい、神!やめろ」
「ええ、初耳!」
「牧さん一途ですからね」


「結婚、しちゃったねえ…」
「そうだな。やっと捕まえた。長かった」
「ほんとに私で良かったの?私すぐおばあちゃんになるよ?」
「一緒に年をとるんだよ。シワシワのお婆さんになってもずっと愛してる」
「あー、幸せだなあ」
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