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tueto hum pa

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無双パロ蜀へ2

体も回復し、真矢は外ですごすことが増えてきた。曹丕はどうしているだろうか。心配してるかな。すぐに連絡をとりたくてもここには電話もメールもない。軍を興したばかりの劉備殿では、曹家に遣いをだすことはなかなか難しいそうだ。連合軍の盟主である袁家を通して書簡を送ってくれているというのだが、いつ届くかどうかは分からない。
「神子殿?どうなさいました?ぼっとされて、まさか熱でも!」
「い、いえ、ちょっと考えごとしてました。ごめんなさい、えっと、薬草もちゃんと摘んでますよ」
「それは…毒草ですね」
「あ…わたし、だめですね」
「これはよく似ているので、熟練の者でも間違えるのです。お気になさらないでください」
「姜維殿はすごいですね。お強いし、頭もいいし、いろんなこと知ってるし。かっこいいです」
「そんな…私なんて師に比べればなんでもありません。まだまだ勉強中の身」
「お師匠様がいるんですか?」
「はい。今は別働隊として動いていらっしゃいますので、書簡で指示を頂いています」
「こっちの動きも指示なさるんですか?」
「はい。師は龍眼を持つお方です。この世の全てを見通しておられるのではないかと思うほどです」
「龍…」
「神子殿?」
「あの、その方にはお会いできませんか?わたし、龍を宿す方を探しているんです。」
「龍を宿す、ですか。しかし師とは行軍の予定が合うかどうか。機があれば、必ずご紹介いたしましょう」
「ありがとうございます!」
「神子殿も、ご事情がおありなのですね」
「はい…信じていただけないかも知れませんが、私、張角って導師に違う時代からさらわれて来たんです。曹丕に拾われて、乱に参加して張角に元の時代に帰してもらおうとしたら、龍を宿す術師じゃなきゃできないって」
「そうなのですか。あなたは不思議な方だ。神子とはそういう神秘性をもつのでしょうか。あなたが嘘を言っているようには思えない」
「いきなり暁の神子なんて呼ばれて驚いたんです。今でも自分がそんな立派ななにかなのかって信じられないけど、みんなが求めてるならこの時代にいる間は頑張ろうって思ってます」
「神子殿なんでも私に頼ってください!ご協力は惜しみません。私はあなたに笑っていてほしいと、思いました…その…」
「姜維殿、お優しいんですね」
「そ、そろそろ戻りましょう」
「はい」
「神子殿は…お名前を教えていただけませんか」
「真矢です。橘真矢」
「真矢殿…」
「真矢って呼んでください」


薬草摘みから帰ってくると、馬超が馬の手入れをしていた。
「おお神子殿、薬草はとれました」
「はい。ほとんど姜維殿が、ですけど」
「ははは、そのうち山のように摘んでこられるようになります。神子殿は野山の暮らしには不慣れなようにお見受けしますな」
「そうですね、馬に触るのも初めてでした」
「馬に?よっぽどのお嬢様か、海育ち…には見えませんが」
「ここじゃない世界からきたから、ちょっと勝手が違うみたいですね」
「外国人にしては言葉が美しいな。てっきり都の出かと思っておりました」
「そうですか?」
「確かに、戦女神は異国より現れるといいますからな。とても、神秘的だ」
「え?」
「馬もよく神子殿に懐いています。元々おとなしい生き物ですが、気が荒いやつまであなたには気を許しているようだ。曹家に帰すのが嫌になります」
「あ…曹家は仇だと、お聞きしました…」
「それもありますが、神子殿を独占したくなりました。神子殿では味気ない。お名はなんと申される」
「真矢です。橘真矢。これでお友達ですね」
「…真矢、こちらの世界では特別な相手以外に名は明かさぬものだ」
「俺を特別な男と思ってくれたと解釈するぞ」
「え!そんなの初めてきいた!」
「まあ、そういうことだと思っていた。これからは注意しろよ」
「なんでいきなり口調まで変わるのよ!」
「俺たちは特別なお友達、だろ」
「なんか、違う気がする…」
「お前も口調が変わっているぞ。そっちが、素だな?勝ち気な女は好きだ」
「ちょっと触らないでよ!神子に手出したら劉備様に怒られるわよ!」
「このくらいで神子殿の清浄性は失われたりせぬさ」
「や、馬超、どこ触って…」
「意外と女らしい体つきをしているじゃないか。声もいい」
「お友達にこんなことするの!?」
「愛情表現だ。馬だってすることさ」
「馬って、私たち、人間だからね、もう少し複雑なんじゃないかな!」
「うっ、お前…やるな…」
「ばーか!」

「はぁ、びっくりした」
「なにが、びっくりしたんですか?」
「きゃ!趙雲殿!」
「そろそろ夕餉の支度ができますので、お探しさしていました」
「ありがとうございます!おなかペコペコだな~」
「なににびっくりしたんですか?」
「え、そのはなし蒸し返します?」
「ええ、神子殿のことはなんでも知っていたいのです」
「あの、馬超殿に名前を教えたら、この世界では特別な相手にしか名前は教えないものだって迫られて、びっくりして逃げてきたんです」
「な、馬超殿が、神子殿にご無礼を!?お怪我はありませんか!!もしや、なにか失礼なことなど、ございませんでしたか?」
「はい、びっくりして勢いで蹴っちゃって…そのまま逃げてきました…」
「姜維殿は名前を名乗ってもそんなことしてこなかったので、本当にびっくりしたんです。名乗っちゃダメなんて知らなかったし…」
「姜維殿にも、教えたのですか…」
「はい、聞かれたから名乗っただけのつもりだったのですが…これからは気をつけます」
「夕餉はお部屋にお持ちしますので、ごゆっくり落ち着かれてください」


「趙雲殿、真矢のところにいくのか?」
「真矢?」
「おっと、神子殿だ。なんだ、知らなかったのか」
「女性の名を聞くなんて、ましてや神子殿ですぞ馬超殿!」
「ははは、美しい女性を口説くのに神子もなにも関係ないさ。謝っておいてくれるか。次は優しくするから恋しくなったら呼べ、とな」
「馬超殿!?」
「あの娘、色気のないと思っていたが、予想以上だったぞ」


「神子殿、夕餉をお持ちしました」
「ありがとうございます。あの、よかったら、一緒に食べませんか?ひとりじゃ寂しくて」
「では、お言葉に甘えて」
「真矢殿とおっしゃるんですね」
「はい」
「馬超殿が、次は優しくするから恋しくなったら呼べとおっしゃっていました」
「な!あいつ!そんなことばっかり言って!」
「随時仲が良いんですね」
「友達です!それ以上でも以下でもないです」
「友達…では、私は、なんなのでしょう。正直、私だけお名前を教えていただけなくて、落ち込んでおります。もちろん!女性の慎ましさとは理解しておりますが、馬超殿に自慢までされて、私のほうが神子殿と親しくさせていただいていると思っていただけに…」
「そんなことありません!趙雲殿のこと、私は大好きです。助けていただいて、お世話までしていただいて…立派な方にお友達なんて、失礼かと後込みしてしまいました。私の国では、男性も女性も名前は誰にでも教えて大丈夫なんです。あまり考えもせずに教えてしまいました…これからは気をつけます」
「私も、お友達になってもいいですか?真矢殿と、二人のときなどはお呼びしてよいでしょうか」
「はい!」
「あと、馬超殿になにをされたんですか?」
「えっと…抱きしめられて、その、体、触られて…あの人慣れてるっていうか、気づけなくて…」
「なんてことを…」
「わわわ、いいんです、いや、よくないけど、もう気をつけますし、私が迂闊だったのが、いけないんです」
「私はあなたを守りたいんです…真矢殿…ここにいる間だけでも、私はあなたの槍になりたい」
「趙雲殿…」
「子龍と申します。そうお呼びください」
「あ…子龍…殿」
この笑顔は反則でしょう。ごめん曹丕。ちょっと心が揺れちゃった。
「私、曹丕の妻なんです!ほんとの妻じゃないけど、奥さんだから、ほかの男性にクラクラしちゃダメなんですわたし!」
「本当の妻ではない?どういうことですか?」
「私、元の世界に帰るから、キレイなままで返してくれるって、だから、ほんとの奥さんじゃないけど、一応、人妻なんです」
「…すごい方だ。真矢殿を愛していらっしゃるんですね」
「…わかりません。でも、あの人に会いたいです」
「この子龍、真矢殿を絶対に曹家まで無事にお届けします」
「ありがとう…」

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火の手 ライター 化 ご苦労様 そうだ 若旦那 言うなれば 取り外し可能

by kqd6rlsd9n0 | 2013/12/09 06:39 | EDIT
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