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29話らへん

「今日、坊主がいってたよ。なんで僕をコーディネイターにしたのって、聞いてしまいそうだってさ」
「…だから、ご両親と会わなかったんだ」
「まぁ…MSに乗ってるんだ。わからんでもないな」
フラガは「人を殺してるんだから」、とは言わなかった。それはみんなが分かっている。
「ふふッ、なんか、懐かしいなぁ…わたしも悩んだ時期があったなぁって」

イオリのその時期には心当たりがあった。初めて士官学校で出合ってから、5年ほどのつきあいだが、隣りで嫌というほど感じて来た。目に光のない、人形のような少女。提督の娘で、天才児という扱いだったがフラガは彼女が自ら打ち明ける前にそれがコーディネイターの能力だと気付いていた。ブルーコスモスのジン提督がなぜ末の娘の遺伝子を操作したのか、それは想像に難くなかった。

「もう解決したのか?」
「解決…どうでもよくなっちゃったの。わたしは軍のために作られただけだって、諦めついたの。自由少ないけど、どう楽しく生きてやろうかって、それだけ。きっと、死ななかったら、キラくんもどうでもよくなるよ」
「そりゃあ、悟ってるな」
「まぁね」

二人は自然に手を繋ぐ。仲のよい兄妹のようにみえるだろうか。恋人のようにみえるだろうか。
イオリは彼の大きな手のひらをギュッと握りしめた。キリキリと細い指が締まる。彼女もまだ子どもだ。美しく、いかに優秀な兵士だとしても、彼女もまだ子どもなのだ。
手の痛みには気付かないふりをした。

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