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tueto hum pa

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牧 改定2

> マヤ 25
> 牧 18
> 神 17
> 信長 16
>

マヤ 29
牧 22


「おはようございます~清田の姉です。いつもノブがお世話になってます~」
「今日は急病の監督の代わりに、清田のお姉さんに引率していただくことになった。みんな、言うこときくように」
「よろしくお願いしまーす」

「高校なんて久しぶり~」
「7年ぶりだな姉ちゃん」
「うるさい。ほら、いっておいで」
「ごめんね、私スコアとか全く分かんなくて」
「向こうのマネージャーがうちの分も付けてくれるそうなので、大丈夫です。居てくれるだけで助かります。ゆっくり見ててください。勝ってきます。」

「今日の牧さんすごかったっすね」
「赤木も木暮もいないからな。桜木はまだ復帰したばかりだ。元気そうで安心した。」

「お、桜木。退院おめでとう。調子良さそうだな」
「おい!その美女は誰だ!」
「美女…!ありがとうお姉さん嬉しい」
「俺の姉ちゃん」
「野猿の、お姉さんだと…?!言われて見れば似てるような…似てないような」
「なんだ、てっきり牧さんの彼女さんかと思って。すみません、この子が興奮しちゃって」

「ジィに彼女がいるわけないな!この天才にもいないんだ!ガハハ」
「あなたね~牧くんをジィって呼んでる子。信長の姉のマヤです。ノブと仲良くしてくれてありがとう」
「仲良くない!」
「ごめんねぇ、いっつもこんなんでしょ」
「いえいえ、うちも迷惑かけてます。ほら花道、落ち着きなさい」
「野猿にこんな美人のお姉さんがいたなんて…信じられん」
「牧さんもすみません、花道が失礼しました」
「いや…今日はありがとう。赤木たちの抜けた分、頑張ってくれ。体に気をつけてな」

「面白い子だったね、桜木くん?」
「ああ…あいつはこの前バスケを始めたばかりなのにインハイまでいって、すごい奴なんです」
「それはすごいね!」
「冬はもっと上手くなってるでしょうね。信長、負けるなよ」
「負けませんよ!」

「わ~海だ~ひさしぶりだ~」
「マヤさん、今日はありがとうございました。助かりました。」
「初めてみんながバスケしてるとこみてね、すっごくかっこよかったよ。またみたいな。いつでも声かけてね。」
「あの、もうひとつお願いがあるんです。」
「ん?明日も引率する?」
「いえ、実は今日、俺の誕生日なんです」
「えええ、聞いてない!」
「教えてくれれば、プレゼント用意したのにー」
「今日、マヤさんがいてくれて幸せでした。」
「やだな、大げさだよ」
「18になったんで、言わせて下さい。好きです。高校卒業したら俺と付き合って下さい。」
「ちょっと、牧くん、早まるな。お姉さんは君の7つ上だ。若い子にいきなさい、若い子に。大学入ればいくらでも出会いがあるから。」
「迷惑にならないよう18になるまで待ちました。結婚を前提に付き合って下さい。」
「ええ、ちょっと、…頭が混乱して…」
マヤは浜辺にへたれこんだ。
「私、もうアラサーだからね、牧くんが22のとき29だからね。あ、医学部なら卒業したときもう30すぎてるからね。ほら冷静になって。親御さんも反対するって。途中で飽きるよ。そしたら私も可哀相でしょ」
「卒業したら、もう一度言います。そのときまで、考えて下さい。」
「あと…誕生日プレゼントとして、合コンに行かないって約束、もらえませんか。」
「ええ…」
「牧さん!姉ちゃん!そろそろ電車の時間だってー!」
「おう、帰るか」

牧くんは医学部への推薦が決まり、冬のインターハイまでバスケを続けた。同級生が追い上げる中、勉強も今までどおりの成績を保っているらしい。インターハイが終わってからは、大学バスケ部の練習に加わったりしながら、よくノブ達とうちで夕飯を食べて、何事もなく帰っていった。
あの告白が嘘だったように平穏な日々だった。でも、私を見るやさしい目つきや、ふとしたときの表情が、「後輩のお姉さん」に宛てたものではないというのは鈍感な私にも分かっていた。
高校生に手を出したら、それがどんな関係であろうと大人が裁かれる。牧くんは私の立場に配慮して、色んなものを我慢していた。自分が彼の年齢のとき、そんな思慮深い振る舞いが出来ただろうか?
彼との半ば強引な「約束」に強制力はなかったが、私はあれから一度も合コンの類いに顔を出すことはなかった。


「牧くんの卒業パーティー…っていうか鍋パね。こんなんでいいの?」
「このメンバーで姉ちゃんち!ってのがいいんだろ。アットホームで。まだ寒いし、ね!牧さん!」
「そうだな」
「はいはい。あんたは肉が食べられればどこでもいいんでしょー」
「親が肉持たせてくれました。お世話になってますと伝えるように言われました」
「わあ!松阪牛!すごい~!ノブ、うちじゃ食べられないお肉だよ…」
「牧さん…」
「お前たちにも世話になったからな。いっぱい食べろよ」
「おいしい…」
「改めて、先輩卒業おめでとうございます。大学でも頑張って下さいね」
「ああ、部を頼んだ」
「はい」
「いい話やぁ…」
「姉ちゃん酒飲んでんの?俺も飲みたい!」
「松坂牛様を堪能したくて…君たちはまだジュースです!」
本当は、牧くんに告白の返事をしなきゃいけないんじゃないかと思って、緊張に耐えきれずアルコールに頼ったのだ。
「ちょっとくらいいーじゃん」
「ダメ!」
「俺たちもあと数年で飲める。お前が成人したら、俺が飲みに連れてってやるよ。」
「そのときはまたこのメンバーで飲みましょう」
「そうだな。信長、内部推薦とれるくらいは勉強しておけよ」
「う…神さんはどーなんすか」
「俺は問題ないよ」
「バカは俺だけかよ~」
「あんたが勉強してないだけでしょ」
「姉ちゃんまでひどい」


「じゃ、そろそろ帰りなさーい。もう遅いから気をつけてね」
「はい。あ、片付け」
「俺がやってくから、二人は先に帰れ」
牧くんの家はここから徒歩圏内なので、いつも彼が残って片付けを手伝ってくれていた。

「牧くんお片付けも上手よね…」
「そうですか?」
「私が大ざっぱだからなぁ、丁寧だなぁっていつも感謝してます。」
「俺も、いつも料理作ってもらって感謝してます。」
「いい旦那さんになるよ~」
ポロッと出た言葉にドキッとした。わざわざ蒸し返すようなことを言ってしまった。もしかしたら牧くんの方は、とっくの昔に考えを変えているかもしれないのに。
一瞬、時が止まったのち、彼が沈黙を破った。
「…マヤさん、合コン行かないでくれましたね。ありがとうございます。」
「…なぜ知っている…」
「見てれば分かりますよ。」
「誕生日プレゼントだったから」
「マヤさん」
「せ、正座…!あ、はい、ちょっと待って、正座正座…はい、なんでしょうか」
「やっと卒業しました。あのときの答えを聞かせてください。」
「牧くんは…考え変わらなかったの?」
「では、もう一度言います。俺と結婚を前提に付き合ってください」
大きな人が正座して目の前に座っている。それだけで迫力があるというのに、取って食われるような真剣な目でこちらを射抜く。試合中に見せるその表情に何度も撃ち抜かれてきた。普段はしっかりしているようで、年相応な油断も見せる彼。大人と子供の狭間にいる人の、真っ直ぐな感情。この人は、自分がこれと思ったことは全て実現させる人だ。年齢を理由に誤魔化してはいけない。自分の気持ちも裏切ってはいけないと思った。
本当は、断ろうと思っていた。牧くんのことはとっくの昔に好きになっていたけれど、彼の将来を縛るわけにはいかないと思っていた。若い時代の7年は大きい。
でも、この目に見つめられたら、NOと言うことなんてできないではないか。
「…はい…こちらこそ、よろしくお願いします。」
ポロッとまた言ってしまった。アルコールなんて入れたのが間違いだ。アルコールは人に道を踏み外させるものだ。
「キスしても…いいですか」
なにも言わずしてしまえばいいのに。たどたどしく唇を寄せる牧くんは、見た目よりずっと小さく見えた。ちゃんと高校生だ。自分の若いころを思い出した。何もかもが手探りで、一生懸命だった。
「…はい」

片膝を立てて境界線を越える。ぎこちないキス。

「今日は、これで失礼します。」
「あ、はい、おやすみなさい」
「おやすみなさい」

※ご挨拶

「わ、牧さん!お久しぶりっす!どうしたんすか家にくるなんて!偶然近く通りかかったとか?上がってください!今日、姉ちゃんが彼氏連れてくるらしくて!!一緒に見ましょうよ!」
「ごめんね、紳一くん、いつもいつもノブが…」
「いや、なれてる」
「へ?え?姉ちゃんが呼んだの?」
「ささ、上がって上がって」
「へ?まさか、姉ちゃん、牧さんと??え、姉ちゃんの彼氏って牧さん?!」 「うちで何度も会ってたじゃん…」
「ええ、近いからご飯食べにきてたんじゃなかったんすか?!」
「それはお前だけだ」
「はじめまして。牧紳一と申します。」
「ノブが高1のときのバスケのキャプテンよ。」
「あら、マヤ、やるじゃない」
「覚えてるよ…え、マヤの彼氏ってキャプテン?」
「結婚を前提にお付き合いさせていただいております。ご挨拶が遅れて大変申し訳ありません。」
「紳一くんはね、すぐ挨拶したいっていってくれてたんだけど、未成年だったし、大学出てからにしよう!って私が言ったの!あ、未成年っていっても高校卒業してからね!あと、大学はあと二年あるんだけど」
「海南大医学部の5回生になりまして、ようやくマヤさんからお許しが出たので、ご挨拶に参りました。まだ頼りない身で失礼いたします。」
「あら~あらあら~どうぞ貰ってください!もう、この子ったら29にもなってなにもないからすごく心配してたんです」
「マヤとは…7歳差…?いいんですか?」
「いいもなにも、私の方こそ若輩で頼りないでしょうが、精一杯マヤさんを幸せにできればと思います。」
「若いのに、立派だなぁ…」
「うふふ」
「結婚式はいつするの?」
「今年の秋頃にできればと思っています。」
「私も貯金あるし、心配しなくていいよ~」
「両親が、早めに結納をさせてほしいと言っています。御都合はいかがでしょうか?」
「うちはいつでも!」
「娘をよろしくお願いします…キャプテンかー!父さんより頼りがいあるだろ」



*友人パーティー


「やっぱりジィの彼女だった!」
「付き合い始めたのは卒業してからって言ってたでしょ」
「俺の勘は当たった…ふふふ」
「まさか弟の先輩と結婚するとは思わなかったよ~」
「でも、今思えば、たしかに花道の言うとおり、牧さんの視線とか柔らかかったかも」
「告白されるまで、ぜんっぜん考えもしなかったのよ」
「牧さんの告白なんか、絶対カッコいい!あの人、心に決めたら一直線って感じですよね。」
「そーなのよ。こんな年上なのに、物好きよねぇ」



「マヤさん、実は、マヤさんはうちの部では有名人だったんですよ」
「えーなにそれ」
「ランニングのときたまにすれ違ってたでしょ?信長が入学する半年前くらいから見かけるようになって、キレイな人がいるって話題になってたんです。」
「うそだー」
「先輩、そのころからずっとマヤさんのこと好きだったんですよ」
「おい、神!やめろ」
「ええ、初耳!」
「牧さん一途ですからね」


「結婚、しちゃったねえ…」
「そうだな。やっと捕まえた。長かった」
「ほんとに私で良かったの?私すぐおばあちゃんになるよ?」
「一緒に年をとるんだよ。シワシワのお婆さんになってもずっと愛してる」
「あー、幸せだなあ」
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牧 改定1

マヤ 25
牧 18
神 17
信長 16



ランニングの時、たまにすれ違うお姉さん。すれ違えたら、どんなに練習が辛くても、ラッキーな1日だったと眠りにつける。


「あれ、姉ちゃん!マヤ姉!」
「ノブ、部活終わったの?元気そうだね、お疲れさま」
「あ、こちら部活のキャプテンと先輩!」
「信長の姉のマヤです。弟がいつもお世話になって…大変でしょう」
「キャプテンの牧紳一です…」
「二年の神です」
深々と挨拶を交わす三人
「姉ちゃん仕事帰り?こんなおせぇの?」
「うん、繁忙期なの。でももうすぐ終わるから、そしたらうちに遊びにおいで」
「やった!焼き肉ね!」
「薄給一人暮らしに贅沢いうなぁ」
「牧くんも、神くんも、遊びにきてね。ノブがお世話になってるお礼になんかご馳走させてね」


「信長、お前、お姉さんいたんだ」
「はい、マヤ姉が一番上で、真ん中にもう一人いますよ!」
「…お姉さん、キレイだな」
「えーそうっすかね?9も違うんで、姉ちゃんっつーか小さい母ちゃんみたいで、そういうの考えたこともなかったっすね!」
「7つ上か…」
「8つ上か…」
「大学生かと思っていた」
「姉ちゃんのこと知ってるんすか?」
「ランニング中、たまにすれ違ってたからな。」
「ああ、家ちかいんすよ。俺が海南行くってなったんで、転勤のタイミングでこっちきてて、そこら辺歩いてたかもっすね」


「なんか落としたよ~」
「すみません…マ…清田のお姉さん!お久しぶりです」
つい、マヤさん、と呼んでしまいそうになった。
「あれ、ノブの…牧くん!お久しぶりです。部活こんなに遅いの?」
「いえ、もうすぐ試験なので残って勉強してました。」
「偉いねぇ…ノブなんか、スポーツ推薦だからってなにもしてないらしくて…母から愚痴がすごいのに…」
「今度言っておきます。お姉さんは今日も残業ですか?」
「そうなの。来週までかな。早くいつものズボラ生活に戻りたくて」
「それは…お疲れ様です」
「そうだ、私の残業地獄と、牧くんたちの試験が終わったら、焼き肉しよ。お肉いっぱい買っとくから」
「ご迷惑では」
「お店に3人連れてく財力はないけど、おうち焼き肉くらいなら大丈夫!ノブのお世話大変でしょ…すっごく分かるの…良かったらお礼させて下さい」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」


「ってことで、ノブ、土曜日、部活終わったらおいでよ。」
「やった!楽しみ!姉ちゃんサンキュ!」

「ごめん、昨日から熱だしちゃって、今日の焼き肉できそうにないわ。先輩たちにも謝っといて…」
「って、メッセ来てました。すんません」
「いや、俺たちはいいんだが、お姉さん大丈夫か?一人暮らしだろ」
「姉ちゃんしっかりしてますから!」
「ちょっと待ってろ」

「姉ちゃん、生きてる?差し入れ」
「え、ノブ、あんたそんな気遣い出来るようになったの…大人になって…」
「や、牧さんが持たせてくれた。」
「牧くん、すごいね、さすがキャプテン…後輩の姉まで面倒見てくれるなんて…ありがたや…」
「来週焼き肉な!先輩たち心配してたから、早く治せよ」
「うん~サンキューノブ」

「完全復活したらしいっす。土曜日空いてるかって言ってます」
「じゃあ、神、お邪魔させてもらうか」
「そうですね。楽しみだな」
「伝えときまーす」

「いらっしゃい~狭いけど、どうぞ上がって下さい」
「先週はごめんね、差し入れもありがとうございました。助かりました。」
「残業続きだと、備蓄がなかったらと心配になりまして。お役に立てたなら良かったです。」
「すごい…この気遣い…ノブと2つしか変わらないなんて信じられない」
「おせっかいかと思ったんですが、元気になられたようで安心しました」
「今日はお肉いっぱい用意したから、いっぱい食べていってね。あんまりいいお肉じゃないけど、うふふ」
「お姉さん、料理上手ですね。味付けが…」
「ノブがねえ、小さいころ全然食べなかったから、研究したの。今じゃ信じられないけど。誉めてもらえて嬉しいな」
「お前、お姉さんに迷惑ばっかりかけてきたんだな…」
「え?なんかいいました?」
「いや、いい」

「気をつけて帰ってね~また遊びにきてね~」
「いいお姉さんだな」
「お前、あんまり迷惑かけるなよ」
「マヤ姉、なかなか悪くないとおもうんすけどね、彼氏なんでいないかなあ。母ちゃんが心配してて」
「彼氏、いないのか」
「良かったですね」
「え…」


「牧くん、お勉強?」
「マ…清田のお姉さん、ご無沙汰してます。」
「ランニング中はたまにすれ違うけどね、お久しぶりです」
「図書館、よく来るんですか?」
「たまにね。牧くんは?」
「俺は部活が早く終わった日に、勉強してます。」
「ノブから聞いたよ、牧さんはバスケもすごいけど勉強もすごいんだって。すごいねぇ…いつまで勉強するの?」
「5時くらいには終わる予定です。」
「私もしばらく本読んでるから、終わったら、声かけて。お茶おごっちゃう」
「あと、マヤって呼んでね」
「はい…マヤさん」

「マヤさん!終わりました!そちらは?」
「お、じゃあ借りてくる。ちょっと待っててね」
「勉強するとお腹へるよね。糖分とカロリー補給しないとね」
「いつもすみません。実は空腹でした」
「ノブは学校でいい子にしてる?牧くんの言うことなら聞いてそうだけど」
「あいつは、ええ、人の嫌がることはしませんから、大丈夫です」
「牧くんって、ほんと大人。海南のキャプテンやれる人ってすごいんだなってびっくりしちゃうよ」
「まだまだ未熟です。所詮高校生ですから。ついてきてくれるチームメイトのおかげですよ」
「うーん…すでに大企業の部長クラスの余裕があるわ…」
「…そんなに老けてますか」
「違う違う、ごめんね。器が、違うって言いたかった」
「老けてる老けてると色んな人に言われるんですが、最近ジィなんてあだ名をつけられまして」
「なにそれ!ジィ!それは気にするよねぇ。思春期の子になんてことを。まあちょっと高校生には見えないけど、素敵なお兄さんって感じだよ」
「そうですか。」
「牧くん?」
「早く大人になりたいと思っただけです」
「あー、受験はね~、辛いよねえ。どこ受けるの?勉強しなくても牧くんなら推薦いっぱいもらえるんじゃない?」
「海南大にそのまま上がる予定ですが、医学部なので成績は落とせないんです。」
「え!お医者さんになるの!?インターハイ選手でお医者さんでってなにそれ」
「親が海南病院の理事なんで、医学部にいって欲しいと言われていまして。成績落とさないのを条件にバスケさせてもらってるんですよ。」
「えええ、超お坊ちゃまじゃん!でも納得したよ。なんでも頑張ってきたんだね。だからそんなにしっかりしてるんだねえ…忙しいだろうけど、牧くんならできるよ!大学でもバスケするの?」
「はい。両立させます」
「はー、牧くん女の子にモテモテでしょう。バスケ上手で、しっかりしてて、面倒見よくて、礼儀正しくて、頭もよくて、かっこよくて、将来はお医者さん…なに、完璧超人」
「そんなことありませんよ。モテません」
「うそだあ、わかった、大学入ったらモテモテになる。これ予言ね。」
「俺は、一人の人が、俺のことを好きになってくれるほうが嬉しいです」
「それって…」「好きな子いるんだ?」
「マヤさんは好きな人はいるんですか?」
「私?見ての通り彼氏もいないし、出会いもなくて…もう25なのに…どうしよう…そろそろ友達の結婚ラッシュが…頭痛い」
「大丈夫ですよ、マヤさんは素敵ですから」
「ありがと…実は、来週合コンに呼ばれてるのよ。いい出会いかな~」


「姉ちゃん!なにしてんの!?」
「ノブ。牧くんと神くんも、お疲れ様~」
「今日、なんか、感じ違いますね」
「分かる??今からね、合コンなの~」
「なに、俺も行く」
「は?姉の合コンについて来るって、どんなシスコンよそれ」
「腹へったの!ね、牧さん!」
「まあ腹はすいてるが…」
「行く!連れてってくれないと父さんにチクる」
「やめてよー」
「連れて行くと言え!」
「あれ?マヤ、早かったね~って、デカいの連れてるね…」
「弟とその先輩…偶然会っちゃって」
「俺も飯いくうううう!」
「…グゥ」
「…3人追加できるかな…ノンアルだからね!二度とないからね!」

「いいんですか?」
「君たちも、親御さんには連絡しててね…10時前には帰るから…お代は気にしないでいっぱい食べて…」
「合コンかあ、初めてだなあ」
「ってことで、弟がついて来ちゃいました。すみません。隣で静かにさせときますんで」
「いいよいいよ、一緒に食べよう。みんなデッカいね!いっぱい食べてくれ。マヤちゃんの弟くんだったら仲良くさせてほしいのはこっちの方だし」
「姉ちゃん狙いっすか?」
「お姉さん人気あるんだよ。難攻不落だけど、そこがさらにグッとくるというか」
「ちょっと止めてよ、冗談吹き込まないで。家で広められるんだから」
「このとおり、相手にしてくれないんだ。今日も、後輩から頼まれて飲み会セッティングしたんだよ。清田さんと話したい~って、あいつ」
「へえ」

「清田先輩、俺本気なんです。明日デートしてくれませんか?映画行きましょう。先輩が観たがってたやつ。先輩、お願いします!」
「うーん…あれは観たいんだけど…」
「すみません、明日は試合について来てくれることになってるんです。」
「牧くん?」
「…もう遅いんで、我々は失礼します。今日はお邪魔させていただいてありがとうございました。マヤさん、ご馳走様でした。清田、帰るぞ」
「え、牧くん?じゃあ私も帰るよ。駅まで送る。ごめん、先帰るね。お疲れ!」

「牧くん!待って」
「すみません、勝手に嘘ついて。反省してます。」
「いいよいいよ、むしろ助かっちゃった。あの子いい子なんだけど…お酒入るとしつこくて」
「皆さんにも失礼しました。謝っておいてもらえると…」
「いいよ、元はといえばノブが付いて来るって暴れたせいだし…ごめんね、付き合わせちゃって」
「そんな…」
「すみません、監督から電話が」
「あの、もし都合がよければなんですが、本当に引率してもらえませんか?監督が、ぎっくり腰で倒れたそうで…」
「それは…また、いいタイミングだったね」
「すみません」
「いいよ、弟の部活でもあるんだし、甘えてください。どこ行くの?」
「湘北です。湘南のほうなんで、電車でいく予定です」
「わあ、海見れるね!」
「試合おわって、多分時間あるんで寄りましょうか」
「わ、嬉しい!役得だ」
「じゃあ、監督にはその旨伝えておきます。ありがとうございます。また明日…マヤさん」

牧 告白のあと1

「ずるいよ、こんなに好きにさせといて…」
「作戦を立てるのも仕事ですから」
「これからもよろしくお願いします。」
「はい。幸せにします。こちらこそよろしくお願いします。」
「…えっと…」
「じゃあ、今夜は…これで帰ります。おやすみなさい。ご馳走さまでした」
「あ・卒業おめでとう…!」

「すみません、入学準備に付き合ってもらってしまって」
「楽しいよ~」
「初デートなのにすみません」
「そういえばそうだね…よく図書館とかスーパーとかは二人で行ってたけどね。なんか不思議」
「最初に図書館で声をかけてもらったときは嬉しかったですね。お茶もご馳走になってしまって、将来お返しするので、待っていて下さい」
「いいんだよ~社会人なんだから。弟がかけてるご迷惑に比べればなんてこと…」
「清田に感謝です。今日は親から軍資金もらってきたので、俺が出します。」
「ええ、ダメだよ。私は自分で出すから大丈夫だから。それに、なんか悪いことしてる気持ちになっちゃう。ご両親に悪いよ」
「そのことなんですが、親にマヤさんのことを話したら、会いたいそうなんです。もしマヤさんさえ良かったら、うちに遊びに来てくれませんか?」
「ええ…私、門前払いされないかな…うちの息子たぶらかして!この年増女!みたいな…」
「ネットの読み過ぎですよ。俺の性格は分かってくれているので、大丈夫だと思います。それに、なにがあってもマヤさんを守りますから安心して下さい。」
「牧くん…、かっこいいわ…」
「え…」
「なかなか、大人でもそういうこと言えないよ。なんでそんなにかっこいいんだろう」
「私も、早めにご挨拶しないとなって思ってたの。都合いい日を教えて下さい。」
「じゃあ、俺も、マヤさんのご両親にご挨拶を…何度か部活でお会いしたことはありますが…」
「あー、うちは、まだいいかなー」
「そういうわけにはいきません」
「じゃあ、せめて、成人…5回生になってからとか…未成年連れて行ったら、親倒れそうで…しかも弟の先輩…」
「…分かりました。まさかとは思ってますが、別れるかもしれないし、なんて心配してませんよね?」
「…若干…?」
「俺はやると決めたことは貫く男です。マヤさんが俺を嫌いになる以外、そんなことにはなりませんし、嫌いにさせてやるつもりもありませんから、安心しててください。」
「サラッと…恥ずかしいこと言っちゃうよね…若さかな…」
「マヤさん以外には言いませんよ」
「でも!私大人だから!バイトもしてない学生にたかるつもりないから!そこは譲りません!」
「分かりました。でも自分で稼いだ分は受け入れて下さい」
「了解!」

「わ、…渋い…スーツダブルって似合いすぎでしょ」
「そうですか?父から勧められたので、これにしました」
(入学式では浮くな…)と思ったが言わないことにした。彼は老け顔を気にしているのだ。
「スーツ姿の牧くんとデートしてみたいなぁ」
「もし、良ければ入学式の日、仕事終わりに会えませんか?会社の近くまで迎えにいきます。」
「うん」

「ああああ…緊張する。ねぇ、この服大丈夫かな…愛され挨拶ワンピって雑誌を信じたんだけど」
「似合ってます」
「ただいま。マヤさんを連れてきた」
「いらっしゃい~待ってたのよ、あなた、いらっしゃったわよ」
「はじめまして!清田マヤです」
「さあ、上がって」
「覚悟してたけど豪邸すぎない」
「親父の力で、俺の能力じゃないので、気にしないでください」
「マヤさん、紳一がいつもお夕飯ご馳走になってありがとうございます。夏頃から嬉しそうにかえってくるから、春が来たのかなって思ってたのよ」
「そんなに顔にでてたか?」
「俺でも気付いたからな。バレバレだ」
「この前も言ったとおり、将来マヤさんと結婚する予定で付き合ってる。出来るだけ早く、マヤさんを安心させたい。」
「それがいい。年頃の女性を待たせるのは良くないことだ。学生結婚でもいいぞ。応援しよう」
「あの、いいんですか?結婚とか…私、7歳も年上ですし、普通の社会人ですし、もっと反対されるじゃないかな~って覚悟してきたんですけど」
「マヤさん、この子はね、昔から頑固で頑固で。言い出したら初志貫徹。親がさせてもらえるのは応援くらいで。」
「はあ」
「突然バスケに目覚めてからは、バスケ一筋で、でも私のために医学部にいってくれてね。とても大変だったとおもう。私は帰宅部だったが、浪人して医学部に入ったんだ。それだけで紳一の努力がわかる」
「はい」
「そんな紳一が、結婚したいと思った人だからね。むしろ、紳一の思いに応えてくれて感謝してるんです。」
「デート代を出させてもらえない、と嘆いてるのを見まして。社会人の女性が、高校卒業したばかりの男と付き合うのは勇気もいったはずです。いままでも、引率や、食事のお世話になっていて、親として、とても感謝しています。」
「いえ…弟がお世話になってますから、当然です…」
「年の差を気にされる気持ちは分かりますが、私たちは息子が愛する人を見つけたことが一番なので、反対も邪魔もしません。」
「ありがとうございます」
「部活もまだ続けるそうなので、とても忙しい日々になると思います。支えてやって下さい。多分バイトをする余裕はしばらく出ないので、マヤさんにばかり負担をかけてしまいます。」
「それでいいで…」
「なので、お小遣いと、貯金の範囲内で、マヤさんが受け入れられる分は受け入れてやってください。紳一は私の夢…親子で医師になる、そのために頑張ってくれているので、私にとってはそれが彼の仕事ですので」
「…分かりました。ありがとうございます。私も助かります。」
「今度、マヤさんのご両親にもご挨拶させていただきたいんですが」
「うちは…もう少し落ち着いてからで…」
「分かりました。時期が来たら教えて下さい。」
「はい。ありがとうございます」

「独り暮らしでしょ?たくさん持って行ってね。どうせこの子、たくさんおごちそうになってるんだから、気にしないでね」
「ありがとうございます~すごく助かります!」
「また遊びにきてね。」
「じゃあ、送ってくるから。遅くなるから先に寝ててくれ」


「まさかの大歓迎だったよ」
「不安、解消できましたか?」
「うん、ありがとう。ご両親、ほんと理解あるすごい方だね」
「親も学生結婚なんで、好きな人と結婚するのが一番だと思ってるらしいです」
「そうなんだ、どおりで若い…」
「俺は、今にでも入籍したいですけどね」
「ま、まずは、学校になれてから!」

「手、繋いでもいいですか?」
「なんだ~そんなことか~難しい顔してるからなにかと思ったよ~ふふ、顔真っ赤だ」
「女性と手を繋ぐなんて初めてで」
「あ…私からもお願いがあって…敬語じゃなくて、ノブたちに話すように話してほしいな~って…」
「なんだ、そんなことですか。急には変えられないから、徐々にな」
「そんなことじゃないよ~」
「手、おっきいね」
「マヤさんは小さい。折れないか心配です」
「折れないって」
「マヤさんは小さいし、誰にでも親切だだし、キレイだし、ちょっと抜けてるし…心配だ」
「うわ…やられた…そんな愛しそうにみないで…まぶしい」

「清田?と、彼氏…?あれ、弟くんのキャプテン…?」
「あ、久しぶり~偶然だね。あ、会ったことあったね~なんか照れる」
「え、付き合ってるの?キャプテンと?」
「うん。そうなの。」
「私が高校卒業したので、やっと付き合ってもらえました。」
「卒業か、おめでとうございます。キャプテン、年上好きなんだね。でも、早めに解放してあげないと、清田もアラサーだからな。」
「結婚するので、ご心配には及びません」
「あ、すぐじゃないよ!仕事辞めないから心配しないでね」

「びっくりしてたね…こりゃ明日は質問責めだな」
「俺としては、嬉しかったです。彼氏として紹介してもらえて。あの人、以前会ったときマヤさん狙いだったので、牽制できました」
「え~そうかなぁ」
「そうです」

SLAM DUNK 清田姉2

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マヤ 29
牧 22


「おはようございます。清田の姉です。今日は監督さんの代わりに引率させていただくことになりました。よろしくお願いします!」
「高校なんて久しぶり~」
「7年ぶりだな姉ちゃん」
「うるさい。ほら、いってきな」
「ごめんね、私スコアとか全く分かんなくて…何もお役に立てず」
「向こうをマネージャーがうちの分も付けてくれるそうなので、大丈夫です。マヤさん、試合みるの初めてでしたよね。良かったら見ててください。頑張ってきます」

「今日の牧さんすごかったな」
「マヤさんいるから張り切ったんだよ。相手は赤木さんも木暮さんもいないし、桜木はまだ復帰してすぐだしね」
「おい!その美女は誰だ!」
「俺の姉ちゃん」
「野猿の、お姉さんだと…?!」
「ジィなんかより、この桜木にしたほうがいいですよ、お姉さん。天才、桜木をぜひ」
「あなたね~牧くんをジィって呼んでる子。面白い」
「な…ジィめ!こんなキレイな人に牧くんなんて呼ばれて…」
「すみません牧さん、花道が失礼しました」
「いや…今日はありがとう。赤木たちの抜けた分、頑張ってくれ」

「面白い子だったね、桜木くん?」
「ああ…あいつはこの前バスケを始めたばかりなのにインハイまでいって、すごい奴なんです」
「ほんとに天才だ!」
「マヤさん、今日はありがとうございました。助かりました。」
「初めてみんながバスケしてるとこみてね、すっごくかっこよかったよ。またみたいな。今度は応援に行こうかな。家族枠、ってアリかな?あ、また大人が必要なときは協力するからね」
「引率が必要ってのもそうなんですが、今日、俺の誕生日だったんです」
「えええ、初耳だよ!お祝いしないと!え?18歳?おめでとう!プレゼント…貝殻…?」
「マヤさんがいてくれて幸せでした。」
「やだな、大げさだよ」
「18になったんで、言わせて下さい。好きです。高校卒業したら俺と付き合って下さい」
「ちょっと、牧くん、早まるな。お姉さんは君の7つ上だ。若い子にいきなさい」
「マヤさんは大人なので、迷惑にならないよう18になるまで待ちました。卒業までは我慢します。年の差なんかで諦めさせるのは不可能です。結婚を前提に付き合って下さい。」
「私、もうアラサーだからね、牧くんが22のとき29だからね。あ、医学部なら卒業したときもう30すぎてるからね。ほら冷静になって。親御さんも反対するって」
「卒業式でもう一度言います。でも…合コンには行くなよ。誕生日プレゼント、その約束でよろしくお願いします。」
「ええ…」


「牧くんの卒業パーティー…っていうか鍋パね。こんなんでいいの?」
「このメンバーで姉ちゃんち!ってのがいいんだろ。アットホームで」
「はいはい。あんたは肉が食べられればどこでもいいんでしょー」
「親が肉持たせてくれました。お世話になってますと伝えるように言われました」
「わあ!松阪牛!すごい~ノブ!うちじゃ食べられないお肉だよ、良かったね」
「おいしい…」
「改めて、先輩卒業おめでとうございます。大学でも頑張って下さい」
「ああ、部を頼んだ」
「はい」
「いい話やぁ…」
「姉ちゃん酒飲んでんの?」
「君たちはまだジュースです」
「ちょっとくらいいーじゃん」
「ダメ」
「じゃ、そろそろ帰りなさーい。遅くなるよ」
「はい。あ、片付け」
「俺が手伝うからいい。電車だろ、二人は先に帰れ」

「牧くんお片付けも上手よね…」
「そうですか?」
「いい旦那さんになるよ~」
「マヤさん、合コン行かなかったですね」
「…なぜ知っている…悪魔の証明って知っているかい。酔い冷めた…」
「マヤさんはすぐ顔にでますからね。見てれば分かります。」
「誕生日プレゼントだったからね」
「マヤさん」
「せ、正座…!あ、はい、ちょっと待って、正座正座…はいなんでしょう」
「俺と結婚前提に付き合ってください」
「や、でも、これから大学で素敵な人に出会うかもよ、若くてかわいくて賢くて」
「マヤさん!本気です」
「…ズルいよ…こんなに好きにさせといて…」
「PGは作戦を立てるのも仕事ですから」
「うん…よろしくお願いします」



「わ、牧さん!お久しぶりっす!どうしたんすか家にくるなんて!偶然近く通りかかったとか?上がってください!今日、姉ちゃんが彼氏連れてくるらしくて!!一緒に見ましょうよ!」
「ごめんね、紳一くん、いつもいつもノブが…」
「いや、なれてる」
「へ、紳一くん…?え?」
「ささ、上がって上がって」
「へ?まさか、姉ちゃん、牧さんと??え、姉ちゃんの彼氏って牧さん?!」 「うちで何度も会ってたじゃん…」
「ええ、近いからご飯食べにきてたんじゃなかったんすか?!」
「それはお前だけだ」
「はじめまして。牧紳一と申します。」
「ノブの高校のときのバスケのキャプテンよ。」
「覚えてるよ…え、マヤの彼氏ってキャプテン?」
「結婚を前提にお付き合いさせていただいております。ご挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。」
「紳一くんはね、すぐ挨拶したいっていってくれてたんだけど、未成年だったし、大学出てからにしよう!って私が言ったの!あ、未成年っていっても高校卒業してからね!あと、大学はまだ卒業してなくて、でも学部は終わったから、それで」
「海南大医学部の5回生になりまして、今度アメリカに留学することになったので、その前に結婚のお許しを頂きたく参りました。あ…こちら、どうぞ」
「あら~あらあら~どうぞ貰ってください!もう、この子ったら29にもなってなにもないからすごく心配してたんです」
「それは、アメリカに連れて行くということ…でしょうか」
「ご両親さえよければ、ぜひ結婚して、一緒にいければと」
「っていうか、私、アメリカ赴任決まりそうで、紳一くんが私に合わせてくれたの。ちょうどいいタイミングだし」
「あ…そう…」
「そちらの親御さんは大丈夫なんですか?年とか気にされてません?」
「はい。心配はされましたが、私の性格はよく分かってくれていますので。早めに結納をさせてほしいそうです」
「式挙げるくらいの貯金あるから心配しないでね」
「娘をよろしくお願いします」


「やっぱりジィの彼女だった!」
「付き合い始めたのは卒業してからって言ってたでしょ」
「俺の勘は当たった…ふふふ」
「私もびっくりなのよ。紳一くんなら選び放題なのに」
「でも、牧さんみたいな人ってなかなか女性を好きにならないんじゃないですか?で、好きになった、一直線」
「そうみたい…」
「帝王ですからね、自分が認めた女性だけ見つめていられるんですよ。」
「いやあ、お恥ずかしい」
「おめでとうございますマヤさん。」
「ありがとう彩子ちゃん…」

「マヤさん、実は、マヤさんはバスケ部の有名人だったんですよ」
「えーなにそれ」
「ランニングのときたまにすれ違ってたでしょ?まだ信長が入学する前から、キレイな人がいるって話題になってて、マヤさんが見られたらきっついランニングもやってよかった~とかなってました」
「うそだー」
「先輩、そのころからずっとマヤさんのこと好きだったんですよ」
「おい、神!やめろ」
「ええ、初耳!」
「だから、浮気とか多分あり得ません。安心して下さい」


「結婚、しちゃったねえ…人妻か」
「そうだな。やっと捕まえた。長かった」
「ほんとに私で良かったの?私すぐ老けるよ?」
「一緒に年をとるんだよ。シワシワのお婆さんになってもずっと愛してる」
「あー、幸せだなあ」

SLAM DUNK 清田姉1

マヤ 25
牧 18
神 17
信長 16



ランニングの時、たまにすれ違うお姉さん。会えた日は、どんなに練習が辛くても、ラッキーな1日だったと眠りにつける。


「あれ、姉ちゃん!マヤ姉!」
「ノブ、部活終わったの?久しぶり~元気そうだね」
「あ、こちら部活のキャプテンと先輩!」
「信長の姉のマヤです。弟がいつもお世話になって…大変でしょう」
「キャプテンの牧紳一です…」
「神宗一郎です」
深々と挨拶を交わす三人
「姉ちゃん仕事帰り?こんなおせぇの?」
「うん、繁忙期なの。でももうすぐ終わるから、そしたらうちに遊びにおいで」
「やった!焼き肉ね!」
「薄給一人暮らしに贅沢いうなぁ」
「牧くんも、神くんも、遊びにきてね。ノブがお世話になってるお礼になんかご馳走させてね」


「信長、お前、お姉さんいたんだ」
「はい、マヤ姉が一番上で、真ん中にもう一人いますよ!」
「…お姉さん、キレイだな」
「えーそうっすかね?9も違うんで、姉ちゃんっつーか小さい母ちゃんみたいで、そういうの考えたこともなかったっすね!」
「7つ上か…」
「8つ上か…」
「大学生かと思っていた」
「姉ちゃんのこと知ってたんすか?」
「ランニング中、たまにすれ違ってたからな。」
「ああ、家ちかいんすよ。俺が海南行くってなったんで、転勤のタイミングでこっちきてて、そこら辺歩いてたかもっすね」


「なんか落としたよ~」
「すみません…マ…清田のお姉さん!お久しぶりです」
「あれ、ノブの…牧くん!お久しぶりです。部活こんなに遅いの?大変だね」
「いえ、もうすぐ試験なので残って勉強してました。」
「偉いねぇ…ノブなんか、スポーツ推薦だからってなにもしてないらしくて…母から愚痴がすごいのに…」
「今度言っておきます。お姉さんは今日も残業ですか?」
「そうなの。来週までかな。早くいつものズボラ生活に戻りたくて」
「それは…お疲れ様です」
「そうだ、私の残業地獄と、牧くんたちの試験が終わったら、焼き肉しよ。お肉いっぱい買っとくから」
「ご迷惑では…」
「お店に3人連れてく財力はないけど、おうち焼き肉くらいなら大丈夫!ノブのお世話大変でしょ…すっごく分かるの…良かったらお礼させて下さい」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」


「ってことで、ノブ、土曜日、部活終わったらおいでよ。」
「やった!楽しみ!姉ちゃんサンキュ!」

「ごめん、昨日から熱だしちゃって、今日の焼き肉できそうにないわ。先輩たちにも謝っといて…」
「って、メッセ来てました。すんません」
「いや、俺たちはいいんだが、お姉さん大丈夫か?一人暮らしだろ」
「姉ちゃんしっかりしてますから!」
「ちょっと待ってろ」

「姉ちゃん、生きてる?差し入れ」 「え、ノブ、あんたそんな気遣い出来るようになったの…大人になって…」
「や、牧さんが持たせてくれた。ポカリは神さんから」
「牧くん、すごいね、さすがキャプテン…神くんも、後輩の姉まで面倒見てくれるなんて…ありがたや…」
「来週焼き肉な!先輩たち心配してたから、早く治せよ」
「うん~サンキューノブ」

「完全復活したらしいっす。土曜日空いてるかって言ってます」
「じゃあ、神、お邪魔させてもらうか」
「そうですね。楽しみだな」
「伝えときまーす」

「いらっしゃい~狭いけど、どうぞ上がって下さい」
「先週はごめんね、差し入れもありがとうございました。助かりました。」
「残業続きだと、備蓄がなかったらと心配になりまして。お役に立てたなら良かったです。」
「すごい…この気遣い…ノブと2つしか変わらないなんて信じられない」
「おせっかいかと思ったんですが、元気になられたようで安心しました」
「今日はお肉いっぱい用意したから、いっぱい食べていってね。あんまりいいお肉じゃないけど、うふふ」
「お姉さん、料理上手ですね。味付けが…」
「ノブがねえ、小さいころ全然食べなかったから、研究したの。今じゃ信じられないけど。誉めてもらえて嬉しいな」
「お前、お姉さんに迷惑ばっかりかけてきたんだな…」
「え?なんかいいました?」
「いや、いい」

「気をつけて帰ってね~また遊びにきてね~」
「いいお姉さんだな」
「お前、あんまり迷惑かけるなよ」
「マヤ姉、なかなか悪くないとおもうんすけどね、彼氏なんでいないかなあ。母ちゃんが心配してて」
「彼氏、いないのか」
「…彼氏いたら、信長じゃなくてそっちに連絡しますよね。風邪引いたときなんか特に」
「そうだな」


「牧くん、お勉強?すごいね」
「マ…清田のお姉さん、ご無沙汰してます。」
「ランニング中はたまにすれ違うけどね、お久しぶりです」
「図書館、よく来るんですか?」
「たまにね。牧くんは?」
「俺は部活が早く終わった日に、たまに来ます。」
「ノブから聞いたよ、牧さんはバスケもすごいけど勉強もすごいんだって。頑張ってるね。いつまで勉強するの?」
「5時くらいには終わる予定です。」
「私もしばらく本読んでるから、終わったら、声かけて。お茶おごっちゃう」
「あと、マヤさんって呼んでね」
「はい」

「マヤさん!終わりました!そちらは?」
「お、じゃあ借りてくる。ちょっと待っててね」
「勉強するとお腹へるよね。糖分とカロリー補給しないとね」
「いつもすみません。実は空腹でした」
「ノブは学校でいい子にしてる?牧くんの言うことなら聞いてそうだけど」
「あいつは、ええ、人の嫌がることはしませんから、大丈夫です」
「牧くんって、ほんと大人。海南のキャプテンやれる人ってすごいんだなってびっくりしちゃうよ」
「まだまだ未熟です。所詮高校生ですから。ついてきてくれるチームメイトのおかげですよ」
「うーん…すでに大企業の部長クラスの余裕があるわ…」
「…そんなに老けてますか」
「違う違う、ごめんね。器が、違うって言いたかった」
「老けてる老けてると色んな人に言われるんですが、最近ジィなんてあだ名をつけられまして」
「なにそれ!ジィ!それは気にするよねぇ。思春期の子になんてことを。まあちょっと高校生には見えないけど、素敵なお兄さんって感じだよ」
「そうですか。」
「牧くん?」
「早く大人になりたいと思っただけです」
「あー、受験はね~、辛いよねえ。どこ受けるの?勉強しなくても牧くんなら推薦いっぱいもらえるんじゃない?」
「海南大にそのまま上がる予定ですが、医学部なので成績は落とせないんですよ。」
「え!お医者さんになるの!?てっきり体育大に進むのかと…」
「親が海南病院の理事なんで、成績落とさないのを条件にバスケさせてもらってるんです。」
「えええ、超お坊ちゃまじゃん!でも納得したよ。なんでも頑張ってきたんだね。だからそんなにしっかりしてるんだねえ…忙しいだろうけど、大学でもバスケやってね。」
「はい。両立させます」
「はー、牧くん女の子にモテモテでしょう。バスケ上手で、しっかりしてて、面倒見よくて、礼儀正しくて、頭もよくて、かっこよくて、将来はお医者さん…なに、完璧超人」
「この通り老け顔なんで、残念ながらモテません。」
「うそだあ、わかった、大学入ったらモテモテになる。これ予言ね。」
「俺は、一人の人が、俺のことを好きになってくれるほうが嬉しいです」
「それって…」「好きな子いるんだ?」
「マヤさんはどうですか?」
「私?見ての通り彼氏もいないし、出会いもなくて…もう25なのに…どうしよう…そろそろ友達の結婚ラッシュが…頭痛い」
「焦って変な男に捕まったら目も当てられません」
「そうだね。実は、来週合コンに呼ばれてるのよ。いい出会いあるといいな~」


「姉ちゃん!なにしてんの!?」
「ノブ。牧くんと神くんも、お疲れ様~」
「今日、なんか、感じ違いますね」
「分かる??今からね、合コンなの!っていっても、会社の人たちだから、いつもの飲み会と変わんないんだけど…」
「なに、俺も行く」
「は?姉の合コンについて来るって、どんなシスコンよそれ」
「腹へったの!ね、牧さん!」
「ああ、まあ腹はすいてるが…」
「行く!連れてってくれないと父さんはチクる」
「やめてよー」
「連れて行くと言え!」
「あれ?マヤ、久しぶり~って、デカいの連れてるね…」
「弟とその先輩…偶然会っちゃって」
「俺も飯いくうううう!」
「…グゥ」
「…3人追加でお願いします…ノンアルだからね!二度とないからね!もう、絶対違う駅でやる」

「いいんですか?」
「君たちも、親御さんには連絡しててね…10時前には帰るからね…お代は気にしないでいっぱい食べなさい…」
「合コンかあ、初めてみるなあ」
「ってことで、弟がついて来ちゃいました。すみません。隣で静かにさせときますんで」
「いいよいいよ、一緒に食べよう。みんなデッカいね!いっぱい食べてくれ。マヤちゃんの弟くんだったら仲良くさせてほしいのはこっちの方だし」
「姉ちゃん狙いっすか?」
「お姉さん人気あるんだよ。難攻不落だけど、そこがさらにグッとくるというか」
「ちょっと止めてよ、冗談吹き込まないで。家で広められるんだから」
「このとおり、相手にしてくれないんだ。今日も、後輩から頼まれて飲み会セッティングしたんだよ。清田さんと話したい~って、あいつ」
「へえ」

「清田先輩、俺本気なんです。明日デートしてくれませんか?映画行きましょう。先輩が観たがってたやつ」
「うーん…あれは観たいんだけど…」
「すみません、今週は試合について来てくれることになってるんです。引率がいなくて」
「牧くん?」
「もう遅いんで、我々は失礼します。ご馳走になって、ありがとうございました。おい、清田、帰るぞ」
「あ、じゃあ私も帰るよ。駅まで送ってくる。また来週~」

「すみません、勝手に嘘ついて。反省してます。」
「いいよいいよ、むしろ助かっちゃった。あの子いい子なんだけど、期待させたら悪いから…」
「あの、もし都合がよければなんですが、本当に引率してもらえませんか?監督から今メールが来て…ぎっくり腰で倒れたそうで…」
「それは…また、いいタイミングだったね」
「すみません」
「いいよ、弟の部活でもあるんだし、甘えてください。どこ行くの?」
「湘北です。湘南のほうなんで、電車でいく予定です」
「わあ、海見れるね!」
「試合おわって、多分時間あるんで寄りましょうか」
「わ、嬉しい!役得だねえ」
「じゃあ、監督にはその旨伝えておきます。マヤさん、ありがとうございます。また明日」

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