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グウェンダル

グレタをあやすグウェンダルをみて、子供がほしいなと思い始めた。年長者に囲まれて育ったわたしは、いいおとなになった今も子供気分が抜けず、また周囲もなんだかんだ世話をやいてくれるので自分はずっと子供のままだとなんとなく思っていたふしがある。おなかがすいたら誰かにおねだりすれば、好物を与えてもらえる。眠くなったら、誰かが部屋まで抱いて連れて行ってくれる。寂しくなれば、誰かにかまってもらえばいい。そんな愛情に恵まれた生き方をさせてもらっていたことに、ふと気がついた。
私の周りの女性というと、ツェリとアニシナで、ふたりとも個性的な生き方をしていて、一般的な人間関係を学ぶ機会はなかったかもしれない。男性は女性を守るものよと、ツェリの言葉をそんなものかと漠然と受け入れていた。周囲の男たちが優しく私をあやしてくれるのもそれが当たり前だと思っていた。
でも、そういえば、わたしが城で養育されることになった経緯は、父からの虐待だったと思い出した。

「ねえグウェンダル、子供すきなの?」
「…嫌いではない」
「かわいいよね」
「…そうだな」
「わたしのことも、グレタみたいにかまってくれてたの?ちっちゃい頃」
「そうだな。お前はヴォルフラムと年が近かったから、二人一遍に暴れるから大変だった」
「特にお前はよく泣いたな。もう怖い夢はみないのか?」
「昨日みたよ。それで、色々思い出したの」
「そうか。だからきたのか?」
「うん。あとね、子供がほしくなった」
「それは、唐突だな」
「父親はグウェンがいい」
「お、おい、マヤ」
「わたしもう大人だったよ。ずっと守られて、大人にならずにすんでた」
「私でいいのか?」
「グウェンがいい。多分、ずっと好きだった。グウェンもわたしのこと好き?」
「お前よりずっと昔から好きだと思う」
「キスして」
「もっと」
「いや、これ以上は」
「なんで?わたし子供ほしい」
「ちゃんと手順を踏んでだな、ギュンターにも挨拶をして、婚約をしてだな」
「ギュンターに挨拶!それすごく気が乗らないわね」
「ああ…殺されそうだ」
「秘密の逢い引きとかしてみたいから、挨拶はちょっと後回しにしましょうよ」
「夜、庭で会いましょう!」
「おい、マヤ」
「約束ね!夕飯のあとね!」

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