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イオリとフラガ

9歳差
イオリ13歳
フラガ22歳
士官学校の先輩後輩

「イオリ・ジンです。よろしくお願いします」
「ムウ・ラ・フラガだ。よろしくなお嬢ちゃん」

イオリと初めて会ったとき、彼女はまだハイスクールにも行かない年ごろの少女だった。何個も博士号を持っている天才だとしって驚き、パイロットの素質を見せ付けられてまた驚いた。
ジン総督の娘、ジン家の人間ということで敬遠する者もいたが、フラガはいい意味でも悪い意味でも出自にこだわる性質ではなかったので自然に接していた。気負わないフラガに心をひらいたのか、イオリはよくフラガに懐いた。ロリコンなどからかう仲間もいたが、兄弟がほしかったフラガはイオリが懐いてくれるのが嬉しかった。

フラガの卒業まで半年ほどになって、イオリは訓練の終わりに秘密を教えてくれた。
ジン家から虐待を受けていたこと
ハルバートン提督が引き取って育ててくれたこと
そこで人間の暖かさをしったこと
実父の要請で大学をやめて士官学校に入学したこと
コーディネーターであること
大体、推測はついていたことだったが、淡々と語るイオリはどこか心細そうだった。ハルバートン提督はイオリを軍人にはしたくなかったそうだが、プラントとの関係が悪化する今、地球のコーディネーターである自分にできることがあるはずだと養父を説得したそうだ。

「お父さんはお父様が嫌いなんです。わたしはお父さんが好き。ジンの家の者は、あまり好きじゃありません。でも、割り切れるほど賢くないんです。」
「イオリは人間が好きなんだな。俺も人間が好きなんだ。損したなって思うことも多いけどね。」
「ああ、はい。人間が好きです。ナチュラルとか、コーディネーターとか、そういうの全部含めて人間が好き。お父さんもお母さんもジョンも大好きなんです。実家のひとたちも、多分すき。でも怖いことを言うから、近寄らないようにしようってお父さんと決めたんです。いつか分かり合える日がくることもあるかもしれないし、ないかもしれない。でも私には家族がいるし、満足なんです。」
「今日はいっぱいしゃべるね。なにかあったのか?」
「うふふ。フラガさんのことも好き。なんだか違う好き。お友達に聞いてみたら、それは恋かもしれないっていうんです。付き合ってほしいとか、それはいいんです。ロリコンって言われてからかわれるのわかってるし、ばれてこまるのはさせたくない。でも、好きになったら好きっていってもいいんだよってルーシーがいうの。困らせましたか?」
「嬉しいよ。周りのことはいいんだ、気にしなくて。たしかに君と俺がいますぐどうこう、ってわけにはいかないけど、好きになってもらえて嬉しい」
「私は、フラガさんが好きだから、この気持ちは私とフラガさんと、ルーシー・・・相談した子です、3人の秘密にします。お父さんにも内緒。はじめての内緒です」
「イオリは大人だな。俺が君の年ごろだったときは黙ってられなかったよ」
「いつか、大きな声で言います。だからいまはいいの」
「ハルバートン提督に殺されそうだな」
「お父さん、優しいから大丈夫です。フラガさん、お父さんに似てるんです。わたしのために一緒に楽しんでくれたりするところ」
「いいお父さんなんだな」
「実をいうと、男の人のことはちょっと苦手。実父のことを思い出すんです。カウンセラーはフラッシュバックだから仕方ないって、好きになる人もきっと現れるっていっていました。そして現れた。」
「ところでフラガさん、手はつないでいいですよね?今までも手を引いてくれました。じゃあキスはいけないでしょうか?でもお父さんともお母さんともキスをするし、友達ともします。OK?」
「そうだな、種類によるかもしれないが・・・OK、かな」
「じゃあセックスはダメなんでしょうか?私のお友達、もう経験している子もいますが、それは同年代同士のことなので、司法の範囲外ですよね。フラガさんは成人なので、わたしとそういうことをすると罪にとわれてしまいます。どうすればいいんでしょうか」
「おい、イオリ、お前そんなこと考えてたのか」
「大切な問題です。大学の友達が言っていましたし、心理学でも重要な意味を持っています。同じ年の友達は、興味本位の子と愛を理由にする子両方がいます。士官学校の男の人たちがよくその話題で盛り上がってるのも知ってます。だから、大切なことだと思います。」
「そうだな、ああ、大切なことだな。だから、大切にしていこう。イオリはまだ13歳だから、セックスはダメだ。俺も我慢することにする。君が大人になるのを待ちたい」
「キスは?」
「・・・まだここまで」
「・・・」
「おい、イオリ?どーしちゃったの」
「心臓がいたい・・・」
「ロマンがないなぁ。そういう時は、ドキドキするっていうんだ。」
「・・・ドキドキする」
「俺もドキドキするよ」

9も年下の子にときめいてどうするんだと思う反面、あと5年もたてば問題ないかと楽しみにする自分もいる。いつかハルバートン提督に殴られる日がくるかもしれないなと思いながら、イオリとパイロット寮に戻り、夕食をとった。カレーだった。軍のカレーは本当に旨いが、表情が乏しいイオリが嬉しそうな笑顔をしていたのでフラガは自然と幸せな気分になった。
家族を失った彼は、ちょうどいいと思い軍人になったが、家族を得たイオリが地球を守る手段を探すために軍人になったのは、彼女の深い愛なんだと思った。この子のために、絶対に死ねない。フラガはどんなことをしても生き残ろうと胸に誓った。
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