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イオリ育成日記

相変わらず感情を表にださない子だが、私にもイオリの感情が読めるときがあった。

「イオリは動物が好きなんだね」
「!なんでわかるんですか?」
「マチルダがチョコレートを食べる前と同じ顔をしていたからだよ」
「お母さんはチョコが好き。私もチョコが好きです。・・・動物も好きなんです。あ、これ、実家には秘密にしてください。好きなものは、とられちゃうから」
「言わないし、とらないよ。実家だなんて難しい言葉を知っているね」
「本に書いてありました」
「よし、じゃあお昼から動物に会いに行こうか。動物園に行ったことはあるかな?」
「ないです。でも本で読みました。色んな動物がいるんですよね!」
「すぐ着替えよう。パジャマじゃいけないからな。マチルダ!今から動物園にいこう。準備しよう。ランチは外で、君とイオリが好きなパフェの店でなにかたべないか」
「あら素敵ね!急いで準備するわ。あなたは自分で着替えてくださいね。イオリは、今日はなにを着ましょうか」
「このまえ、買ってもらった、新しいお洋服が、着たい、です」
「じゃああのズボンの可愛いものにしましょう。私もおそろいにしようかしら」

イオリはチラと私のほうを振り返った。ウインクをすると、安心したように笑った。まだ少し硬いが、心を開いてくれた笑顔だったと思った。妻の身支度が終わるまで少しかかるので、私は水筒に家族分の紅茶を用意した。幸せだと思った。

郊外の動物園に行き、子供のようにイオリと遊んだ。
芝生で寝転んだり、柵に登って動物を探した。ソフトクリームを食べた。イオリはなんでも、初めてするとき、私と妻の顔をみる。二人でにっこり笑って、見守っているから安心してやっておいでということにした。彼女の心の傷は深い。なんと自分の子供時代の幸福だったことか。父が昔自分にしてくれたように、私も子供のように振る舞い楽しもうとおもう。イオリはよく私たちをみている。きっとそうしないと実家で生き残れなったからだろう。大人が率先して楽しむところをみせ、イオリも一緒に楽しもうと手をとって、最後は一人で心から楽しめるようになってほしい。

「あの子はとっても優しいのよあなた。いつも人の幸せを祈っているの。事故のテレビをみていて泣いていたわ。ひどい虐待をされていたのに、人に対する優しさが人一倍あるのよ。どうしてこんないい子に虐待なんてできるのかしら」
「ソウイチロウも、その親父も知っているが、嫌な奴らだよ。実の親子でもこんなことができるんだ。指揮権なんて預けていい奴じゃないな。」
「イオリは今日よろこんでくれたな。君とおそろいの洋服も喜んでいた。仲良しみたいだって言ってたから、仲良しなんだよといったよ」
「最近、無理してない笑顔をみせてくれるようになったのよ。心を開いてくれてるみたい」

妻は嬉しそうに笑って、そのまま眠った。私より多く過ごせる分、いろんなイオリを見れるだろう。うらやましい。次は水族館に行こうと約束をした。
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