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虜2

虜2


捕虜になって数日が過ぎた。正確な時間の経過はわからない。クルーゼに薬を盛られるため意識が朦朧とする日々をおくっていた。理性を保っている間に命を絶ってしまおうかと考えたが、それはどうしてもできなかった。いつか機をみてここを脱出し、アークエンジェルへ戻る。無事にアークエンジェルを軍に送り届けるのだと歯を噛み締めて耐えた。でも本当は、もう一度フラガさんに会いたい、それだけだった。
任務を死なない言い訳にするなんて随分熱心な軍人だったんだなと他人のことのように感じたが、私の本当の望みはフラガさんにちゃんとさよならを言うことのようだった。あまり考えないようにしている。望みが叶うかはまったくわからないし、もし脱出のチャンスがあってもこの麻薬に犯された体では敵艦から逃げ出すことはかなわないだろう。
「傷は治りましたね・・・痛むところはありませんか?」
「・・・大丈夫です。アスラン、私の仲間はどうなっていますか?」
「申し訳ないが、教えられません。ただ、我々の任務はまだ遂行できていませんとだけ・・・」
「そう、ありがとう・・・」
「イオリは、私のことをうらんでいないのですか?さらってきたのは俺です。あんな・・・ことまでして、どうして俺なんかに丁寧に話すんですか」
自分より3つ若い少年にイオリはむしろ憐れみを抱いていた。心優しい人が、したくもないことを(それも不必要でさえある行為を)上官命令に逆らえずしている。捕虜蹂躙なんて好む男はいくらでもいるだろうに、わざわざ誠実な彼をこの役にあてがったクルーゼの真意が読めなかった。部下への褒美のつもりならもっと彼が喜ぶものをあたえるだろうに。アスランがこの役に向いていないのは明らかだった。
「あなたの苦しみがわかるから」
「え・・・」
「アスランを責めても意味がないもの。早く帰りたい。それだけです」
「すみません・・・それは俺の力では・・・」
「分かってるんです。
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