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無双パロ蜀編4

呂布の首が晒されたのはそれから数日も経たないうちだった。味方に暗殺されるというのは、武神呂布の死としてはなんともあっけないものだと思った。真矢は曹丕の隣でなんとも言えない表情をしていた。首を見に行くことはなかった。

「今宵、袁紹が宴を開くそうだ。劉備殿も参加する。真矢も来い」
「いく!私、劉備様の軍師の、諸葛亮さんに会わなきゃいけないの。龍眼を持つ人なんだって…もしかしたら、張角がいってた人かも」
「そうか」
「姜維殿が紹介してくれることになってるんだ」
「そうか」


「姜維さん!」
「真矢殿、お久しぶりです」
「妻が世話になったそうだな。礼をいう」
「ちょっと子桓!なんで、そんなに偉そうなのよ!すっごくお世話になったんだから!」
「ははは、とんでもありませんよ。良かった、曹丕殿の隣にいる真矢殿は大変お元気そうだ。それが本来のあなたなのですね」
「そうですか?自分じゃわからないですけど、でも帰ってきたなって思うんです」
「それは良かった。では、あちらで師がお待ちです」
「…はい。」

「お初にお目にかかります。私は諸葛亮と申します。姜維よりお話は伺っています神子殿」
「初めまして、諸葛亮殿。お会いできて、嬉しいです」
「これは…暁の神子とは実在したのですね。神気が見えます。これほどまでとは」
「あなたはまだ帰れません。神を下ろした者をおくることは私にも容易くない」
「諸葛亮殿が龍ではないんですか?」
「龍は私です。奇跡を起こすこともできます。しかし、あなたは神の力をお持ちです。龍は神には及びません」
「そんな…」
「今はその時ではないということです。私にわかるのは、あなたが元の世界に帰れるのは東南の風の吹くその時…なにを意味するのかはまだわかりません。しかし、その時ならば私があなたをお返しできるでしょう」
「東南の風…?」
「時が来ねば私にもわかりません。申し訳ございません」
「いえ、ありがとうございました。実は迷っていたんです。もし帰れたとしても、帰りたくないんじゃないかって」
「ほう…」
「私はここでたくさんの人を殺してしまいました。元通りの世界にはもう戻れないんだと、思いました。この世界でできることをしたいと思います」
「あなたは強い女性ですね」
「…そうなりたいです」

「ってことで、私、帰れませんでした」
「真矢、飲め!今日は飲んで忘れろ」
「馬超殿!もう真矢殿も飲みすぎです!」
「姜維殿も、趙雲殿も今日くらい無礼講だ!真矢を見習ってほら、飲め」
「それで、真矢殿はこれからどうなさるのですか?」
「諸葛亮殿は、東南の風が吹くときがその時だっておっしゃっていました。その時まで、できることをしたいと思います」
「蜀にいらっしゃいませんか。師の側にいたほうが、その機も掴みやすいと思います。私も真矢殿にいていただけたら嬉しい」
「姜維さん…ありがとう。でも私、曹丕のお手伝いがしたいんです。曹丕がいなかったらわたし、もう死んでたと思うの。恩返しというか…」
「真矢は曹丕殿を好いているんだな」
「…うん、好きなんです」
「妬けるな。なあ趙雲殿よ」
「そうですね。しかし私は真矢殿が幸せであってくだされば、それが嬉しい」
「みんなに出会えてよかった」
「また戦場で会うこともあろう。敵でないことを祈っているが、我らはお前を守ろう」
「ありがとう。できれば仲間として戦いたいな」
「お迎えだ。真矢、またな」


「お疲れ様。偉い人は大変ね。酔ってるね」
「部屋で飲み直すぞ。付き合え。司馬懿、お前もだ」
「司馬懿と話すのも久しぶりだね」
「まったく、私がどれだけお前のために時間を割いたと思っている。しっかり働いて返してもらうぞ」
「はいはい。せっかく再会できたんだからもっと友好的にいこうよ」
「司馬懿としては十分友好的だ」
「どこで歪んじゃったんだか」
「真矢!うるさい凡愚め!」
「真矢、お前はこれからどうする?龍の話では帰る機会は来るのだろう」
「うん。私はここに、魏にいるよ。子桓についていく。みんなのためになにか出来ることがしたいの」
「龍の側にいたほうが、よいのではないか?友人としての意見だ。軍師としては、神子を他国に渡すのは反対だが…お前のためなら手を打とう」
「ううん、その時がくるなら、私がどこにいても帰れるはず。運命ってそういうものじゃない?」
「そうかもしれぬな」
「それにね、劉備様の軍にいたときに、日本に帰りたいより、曹丕のいる魏に帰りたいって思ってたの」
「惚気は余所でしろ」
「すまんな司馬懿。私はこれが可愛くてたまらん」
「ふっ、その調子では無傷で帰すのは無理そうですな」
「もう怪我しちゃったしね」
「そういう意味ではない。貞操の話だバカめが」
「て、貞操!」
「邪魔者は退散いたします。あまりしつこくなさりませんよう」
「心得ている」
「ちょっと!子桓!」
「お前はもう少し酒を飲むべきだな。飲ませてやろう、遠慮するな」
「うっ、ん…」
「私の元に残るのだろう。本当の妻になる、そういうことだろう」
「あ…そう、うん、そうなりますよね」
「お前が残ると言ってくれて嬉しかった」
「子桓…」
「愛している」

「お久しぶりです曹丕様、満足なさいましたか」
「とりあえずはな」
「私がいないうちに鋭気を養わせている」
「生娘には堪えましょうな」
「手加減くらいわきまえている。それで司馬懿、今後の予定は決まったか?」
「曹操様は袁家を討つおつもりです。後顧の憂いをなくし、富国強兵につとめよとのお達しです。私としても、依存はありませんので、準備が整い次第出陣となるでしょう。主戦場は官渡となりましょう」
「名族の終焉か…無常なものだな」
「曹操様としては、戦女神のご威光が欲しいようで、真矢を従軍させたいとのお達しです」
「使えるものは、つかう、か。真矢は後方で控えさせよう。もう前線にはださん。お前が見張ってくれ」
「はっ…しかしあれが大人しくしておるとは考えにくく…私はか弱いです故」
「うむ…戦女神というだけはあるな。しかしもう懲り懲りだ。淵小父上を近くに配置しよう。真矢とお前は本陣で軍師らしくしているんだな」

「寝ているのか?」
「あ…おはよう子桓、あれ、もう夜?」
「夜も朝も知らなくていい。私だけを覚えておればな」
「なっ…そんなこという人だったっけ」
「愛しい妻には睦言も囁く」
「つ、ま…」
「もうすぐまた戦になる。敵は袁家だ。勝利の宴のあとに祝言をあげるからそのつもりでいてくれ」
「それって、正妻ってこと?」
「それ以外になんだというんだ?不満か?」
「子桓は、王子様だから、正妻は名家のお姫様なんだろうなーとか、思ってて。私はほら異世界の住人で実家の力とかまったくないわけだし、それで、いいの?」
「私が妻の実家の助力なしでは天下を築けぬと思うのか?」
「そうじゃなくて、一般的な話」
「お前さえいてくれれば、私はなんだってできる。本当はこの屋敷で大切に守って行きたいが…暁の巫女として私を支えてくれないか」
「うん。もちろんだよ。そのためにここにいるんだから」


「久しいな真矢。元気そうでなによりだ」
「あんたねぇ、乙女をからかって楽しい?オヤジ趣味のセクハラやめてくんない?」
「はっ、もう乙女ではなかろうに」
「うわ、最低!上司の奥さんにそーいうこという?」
「バカめが!」
「素直じゃない奴」
「なにが素直じゃないというのだ!」
「うっざ」
「それで、袁家攻めるんでしょ?私はなにをすればいいの?また前線いき?」
「もうお前は前線には出さぬ。後方で神子の存在を知らしめるのがお前の役目だ」

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