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このおぞましい世界 シュナイゼル
このおぞましい世界
何度体を重ねただろう。実のない行為はいつの間にかわたしを蝕んで、日々をさらに憂鬱なものにしてくれた。彼はなにを思いながらわたしを抱いているのだろうか。求められたところで、それが本心とも思えない。
「もうすぐ誕生日だね。なにか欲しいものはあるかな?驚かせるより、喜んでもらいたいんだ。教えてもらえないかな」
「子供が…子供が欲しいです」
「それは…私と君の子ということかな?」
「はい」
「君がそういう風に思ってくれていたなんて知らなかったよ。嬉しいな…でも誕生日には違うプレゼントもさせてほしいな」
「子供が一番ほしいんです。」
「子供が欲しいと、おっしゃったんですって?殿下が嬉しそうにはしゃいでいらっしゃいましたよ」
「あの方でも、はしゃいだりするんですね」
「それは、表面上は落ち着いていらっしゃいましたけど、内心とてもお喜びでしたわ。殿下は小さな子がお好きですもの。セラ様とご自分のお子となれば格別ですよ」
「カノン、わたしは違うんです」
「子供ができれば、もうあの方に抱かれずにすむと思って言ってしまったんです」
「身重になれば、あの方は解放してくださる。母となれば、その子を中心に家族として繋がれる…体でなく…」
「それは…セラ様…殿下をお嫌なの?」
「シュナイゼル様をきらっているのではないんです。ただ、あの行為が、とても」
「とてもおぞましいものに思えて」
「命はそうやって繁栄してきたんですよ」
「繁栄のためだけの行為ならいいのです。終わりがいつかくるでしょう。男性の欲ばかりを受け止めるのは、わたしには荷が重すぎます」
「まるで意味のない行為におもえて、苦痛でなりません」
「恋をしらぬまま大人になってしまわれたのね」
「…そうかも、しれません」
「殿下に恋をなさいなさい。偽りの恋でもよろしいの。あの方はすばらしい方ですわ。尊敬は憧れになって、きっと恋の代わりにあなたの心をすくってくれる」
「そしていつか、愛に変わるでしょう」
「変わらなかったら?」
「諦めることですわ」
何度体を重ねただろう。実のない行為はいつの間にかわたしを蝕んで、日々をさらに憂鬱なものにしてくれた。彼はなにを思いながらわたしを抱いているのだろうか。求められたところで、それが本心とも思えない。
「もうすぐ誕生日だね。なにか欲しいものはあるかな?驚かせるより、喜んでもらいたいんだ。教えてもらえないかな」
「子供が…子供が欲しいです」
「それは…私と君の子ということかな?」
「はい」
「君がそういう風に思ってくれていたなんて知らなかったよ。嬉しいな…でも誕生日には違うプレゼントもさせてほしいな」
「子供が一番ほしいんです。」
「子供が欲しいと、おっしゃったんですって?殿下が嬉しそうにはしゃいでいらっしゃいましたよ」
「あの方でも、はしゃいだりするんですね」
「それは、表面上は落ち着いていらっしゃいましたけど、内心とてもお喜びでしたわ。殿下は小さな子がお好きですもの。セラ様とご自分のお子となれば格別ですよ」
「カノン、わたしは違うんです」
「子供ができれば、もうあの方に抱かれずにすむと思って言ってしまったんです」
「身重になれば、あの方は解放してくださる。母となれば、その子を中心に家族として繋がれる…体でなく…」
「それは…セラ様…殿下をお嫌なの?」
「シュナイゼル様をきらっているのではないんです。ただ、あの行為が、とても」
「とてもおぞましいものに思えて」
「命はそうやって繁栄してきたんですよ」
「繁栄のためだけの行為ならいいのです。終わりがいつかくるでしょう。男性の欲ばかりを受け止めるのは、わたしには荷が重すぎます」
「まるで意味のない行為におもえて、苦痛でなりません」
「恋をしらぬまま大人になってしまわれたのね」
「…そうかも、しれません」
「殿下に恋をなさいなさい。偽りの恋でもよろしいの。あの方はすばらしい方ですわ。尊敬は憧れになって、きっと恋の代わりにあなたの心をすくってくれる」
「そしていつか、愛に変わるでしょう」
「変わらなかったら?」
「諦めることですわ」
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