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サンクチュアリ

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第二皇子が亡き弟君の婚約者を妃に選んだと、すぐに国中に知れ渡った。セイレーンの身の上は全国民が知るものであり、同情が多く集まった。
自分の娘をシュナイゼルへと考えていた貴族たちは肩を落としたようだったが、今度は第二妃の座を狙い始めたらしく、セラに多少嫌みを言う程度だ。


コーネリアがイレブンの総督に着任し、世界はまた動き始めた。クロヴィスがいなくなったことで変化したものはほとんどありはしなかった。母君ガブリエッラが消沈し、以前の輝きを失ってしまったことと、皇位継承権が繰り上がったこと、セラの婚約者が変わったこと、それぐらいだ。

しかし世界から見ればかすかな変化でも、セラにはとても大きな革命だった。次期皇帝とも噂される第二皇子の婚約者ともなれば、クロヴィスのそれだったときとは比べものにならない試練が待ち受けていた。毎週のパーティー出席はもちろん、広報へのパフォーマンスじみた出演だったり、シュナイゼルから引き継いだ戦災孤児への支援事業であったりと多岐に渡る。
いままでは帝位から程遠いクロヴィスの婚約者という中途半端な立場のために必要最低限の露出ですんでいたが、今やセラの顔をメディアで見ない日はない。



「わたし、イレブンに行きたいの」



「どうしてだい?公務が大変だったのかな」
「表向きはそういうことにしてくれないかしら」
「私にだけ教えてくれるならね」
「クロヴィスがいた場所をみておきたいの。マスコミの相手にうんざりしちゃったってのも本当。戻ったら、ちゃんとするから」
「…しっかり見て来るといいよ。コーネリアにお願いしておこう」
「いいの?」
「セイレーン、君は人質じゃない。私の奥さんになってもらう人だよ。大切な人のお願いなら叶えてあげたいんだ」
「わがままを言ってごめんなさい。でもありがとう」
「そうだ、今イレブンに私の友人がいるんだ。特別派遣響導技術部といってね、ナイトメア開発部門のひとつなんだけど、時間があるときに手伝ってあげてくれないか。きっとセラも気に入ると思うよ」

セラは学生時代、ナイトメアの設計を専攻していた。前線で戦うコーネリアの力になりたかったというのが当初の理由だったが、いまでは立派な機械オタクだ。シュナイゼルは彼女の専攻は知っていても裏の顔までは知らないはずだったが、彼の楽しそうな顔をみるに情報がもれている可能性が高い。

「ちなみに…そのご友人というのは」
「ロイドだよ。知り合いだと聞いているよ」

正しくは現在お世話係をしているセシルと知り合いなのだが、ロイドとはよく研究室でお茶をしていた。
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