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暁の神子 結核

「ゴホ、ゴホ…」
「郭嘉さん、風邪ですか?そういえばお咳が多いですよね」
「いや…持病なんだ。」
「持病ですか…」


そういえば彼は軍師とはいえ、戦場に赴く者にしてはえらく線が細く、色白だった。思えば病人そのものではないだろうか。

「この薬ができれば、私の病も治るかなって希望を持っているんだよ。」
「…身近な方で同じ症状の方はいらっしゃいますか?」
「母がそうだった。もう亡くなったけどね。…もしかすると父も…咳をよくしていたが、彼は戦死したよ」

伝染病、太れず、色白になり、長年をかけて死に至る病。

「…結核」
「君の世界では核というのかい?」
「え」
「君は、この世界の人間ではないように思うんだ。専門家ではないと言っているのに、どの医師より深い知識がある。農政官より、学者より…でも、神から与えられた知識というにしては不完全だ」
「それに、この世界のことは知らなすぎる。しかし遠い未来のことはよくわかるようだ」
「神子殿はきっと遠い未来から来た、普通の女の子、かな」
「そんなわけ…」
「曹丕殿と司馬懿殿は知ってるのかい?」
「…はい」
「ああ、やっと分かった。君と、曹丕殿との不思議な関係」
「不思議?」
「彼は、君を妻だというけど、そうは見えない。守ってはいるけど、奥さんに対する接し方ではない。夫婦にしてはぎこちなくてね。」
「なんで分かるんですか?」
「ずっと君のことをみていたからさ」
「郭嘉さんには気をつけろと言われた意味が分かりました」
「私は余命短い身だ。美しいものだけを愛でて生きたいんだよ」
「…薬、作ってみましょう。今作ってるものでは結核には効きません。別のものが必要です。」
「作れるのかい?」
「分かりません。でも、作り方は、多分、覚えてます。」
「そうか…ごめんね、君に希望を見てしまうよ。小さなあなたには重たい希望だ」


「結核…労咳の薬を作りたいと思います。」
「やり方はペニシリンと似てますが、カビじゃなくて土壌から菌を探すことから始めます。」
「その前に、結核菌を培養してもらいますが、郭嘉さんの体液を使います。郭嘉さん、痰をだして、シャーレで培養してください。」
「郭嘉殿が…労咳…」
「はっきり断定はできませんが、ご病状からその可能性は高いのではないか…と思います。もし労咳でなくても、この研究で郭嘉さんに効くお薬が出来るかもしれません。」
「新兵器を作成しました」
「ガラスで作った顕微鏡です。採取した郭嘉さんの体液ですが…これを覗いて見てください」
「なにか、虫のようなものが見えます」
「それが病原菌です。」
「神よ…」
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