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戦国神子ベース2
「織田信長ってあれだよね、あの信長だよね…で、明智光秀が本能寺で、秀吉で…詳しくは覚えてないけど結構な泥沼よね」
「私がどうかなさいましたか?」
「え、光秀様…ってお呼びすればいいんでしょうか」
「神子殿にそのように呼ばれてはかないません。どうか光秀と、気安くお呼びください。ただ、信長様のことは上様とお呼び頂けますか。」
「じゃあ光秀さん、わかりました。」
「お着物にもお慣れになられましたね。所領には女性がおりますので、いろいろとお聞きください」
「安土に戻るんですか?」
「なぜ安土と…」
「え、なんとなく、そうなのかなーって」
「神子の神通力たる所以でしょうか…不思議なものです。私は龍神の加護というものは信じておりませんでしたが、このように神子殿を眼前にいたしますと、今までの不敬を謝罪したい」
「いや~私もよくわかってなくて、困っちゃいますね」
「神子殿は馬には乗れますか?今回、駕籠をつかうには時間が足りませんので、早馬にての帰還となります」
「のれません…乗ったことないです」
「では私と一緒にお乗りください。出来るだけご負担をかけないようにはいたしますが、女人のお体には辛いものかもしれません…」
「わかりました。よろしくおねがいします」
「あなたは…私共を憎くは思わないのですか?あなたにもご自分の生活や家族があったのではありませんか?」
「憎くはないっていうか、まだ実感がなくてよくわからないです。家族は…愛とかあんまりなかったし、友達は、会いたいなって思うけど…いつか帰れるかなーとか…」
「私共のわがままであなたの生活を奪ってしまいました。申し訳なく思っております。神子とは、天界から天女が降りてくるようなものだと思っておりました。あなたは天女というより我々と同じ人に見えます」
「戦いが終わったら帰るってのがセオリーですし、私で役に立つならがんばります!」
「セオリー?」
「定石…?」
「そなたには我が城の離れを授ける。うぬが屋敷と思うて自由にせよ。用があれば光秀か秀吉に申しつけよ。側女も手配せよ」
「側女はおねねがやりたいそうですわ」
「任す」
「上様って凄いオーラの人ですよね。王者って感じ」
「上様は凄いお人じゃ。神子殿もお目が高いのう!」
「そうそう、嫁のねねじゃ。とりあえず着物と調具を用意させた。今日はゆっくり風呂にでも浸かって休んでくれ」
「はじめましておねねです!男所帯で不自由したでしょ?すぐキレイにしたげるからね」
「真矢です。よろしくお願いします」
「真矢ちゃんか。神子様っていうんで怖い人だったらどうしようかと思ったんだけど、良い子そうで安心したよ」
「上様もあれで、真矢ちゃんのこと心配してるんだよ。不安だろうからしっかり支えてくれって頼まれたの」
「意外…もっと怖い人かと思ってた」
「大殿様だからね、なよなよしてちゃ、やってけないんだろうね」
「あ、蘭丸くん、おはよう」
「神子殿!見違えました。その…お着物がよくお似合いです」
「ありがとう!おねねさんが選んでくれたの。稽古してるの?帰ったばっかりなのに」
「武士の勤めです。いざという時信長様をお守り出来るよう、鍛えております。」
「私もねー剣道やってたんだよ。一緒に稽古したいな」
「え…女性が剣でございますか」
「私の国じゃそんなに珍しくないよ。でも、ここのみんなと違って、人を斬ったりはないけどね」
「活人剣というものにございますね」
「ほお、なかなかに筋がよい」
「上様!このようなところに…」
「神子の様子を見にきたのだ。まさか剣の腕を見られるとはな。か弱きだけの女ではないようだ」
「人は斬ったことがあるか?」
「ないです」
「斬れる剣を学べ。おぬしは望まぬとも狙われる身だ。死にたくなければ身を守る術を多く身につけよ」
「斬れる剣かあ…蘭丸くんは斬ったことがある?」
「もちろん。戦国の習いでございます」
「私は…出来れば斬りたくないなぁ…その前にやられちゃうかな」
「神子殿は私が命にかえてもお守りいたします!」
「命にかえられちゃうのもねえ」
「神子殿のお国は、どのような国なのですか?戦はございましたか?」
「戦は、外国…南蛮とかであってたけど、私の国は平和だったよ。人が死ぬとか殺されたら大騒ぎ。そりゃ、殺人事件とかはあるけど、ここみたいにみんなで大合戦ってのはなかったわ」
「この日の本が、神子殿のお国のようになるよう、ご加護お願いいたします」
この国の未来なんだけどな、と真矢は心の中で呟いた。
「私がどうかなさいましたか?」
「え、光秀様…ってお呼びすればいいんでしょうか」
「神子殿にそのように呼ばれてはかないません。どうか光秀と、気安くお呼びください。ただ、信長様のことは上様とお呼び頂けますか。」
「じゃあ光秀さん、わかりました。」
「お着物にもお慣れになられましたね。所領には女性がおりますので、いろいろとお聞きください」
「安土に戻るんですか?」
「なぜ安土と…」
「え、なんとなく、そうなのかなーって」
「神子の神通力たる所以でしょうか…不思議なものです。私は龍神の加護というものは信じておりませんでしたが、このように神子殿を眼前にいたしますと、今までの不敬を謝罪したい」
「いや~私もよくわかってなくて、困っちゃいますね」
「神子殿は馬には乗れますか?今回、駕籠をつかうには時間が足りませんので、早馬にての帰還となります」
「のれません…乗ったことないです」
「では私と一緒にお乗りください。出来るだけご負担をかけないようにはいたしますが、女人のお体には辛いものかもしれません…」
「わかりました。よろしくおねがいします」
「あなたは…私共を憎くは思わないのですか?あなたにもご自分の生活や家族があったのではありませんか?」
「憎くはないっていうか、まだ実感がなくてよくわからないです。家族は…愛とかあんまりなかったし、友達は、会いたいなって思うけど…いつか帰れるかなーとか…」
「私共のわがままであなたの生活を奪ってしまいました。申し訳なく思っております。神子とは、天界から天女が降りてくるようなものだと思っておりました。あなたは天女というより我々と同じ人に見えます」
「戦いが終わったら帰るってのがセオリーですし、私で役に立つならがんばります!」
「セオリー?」
「定石…?」
「そなたには我が城の離れを授ける。うぬが屋敷と思うて自由にせよ。用があれば光秀か秀吉に申しつけよ。側女も手配せよ」
「側女はおねねがやりたいそうですわ」
「任す」
「上様って凄いオーラの人ですよね。王者って感じ」
「上様は凄いお人じゃ。神子殿もお目が高いのう!」
「そうそう、嫁のねねじゃ。とりあえず着物と調具を用意させた。今日はゆっくり風呂にでも浸かって休んでくれ」
「はじめましておねねです!男所帯で不自由したでしょ?すぐキレイにしたげるからね」
「真矢です。よろしくお願いします」
「真矢ちゃんか。神子様っていうんで怖い人だったらどうしようかと思ったんだけど、良い子そうで安心したよ」
「上様もあれで、真矢ちゃんのこと心配してるんだよ。不安だろうからしっかり支えてくれって頼まれたの」
「意外…もっと怖い人かと思ってた」
「大殿様だからね、なよなよしてちゃ、やってけないんだろうね」
「あ、蘭丸くん、おはよう」
「神子殿!見違えました。その…お着物がよくお似合いです」
「ありがとう!おねねさんが選んでくれたの。稽古してるの?帰ったばっかりなのに」
「武士の勤めです。いざという時信長様をお守り出来るよう、鍛えております。」
「私もねー剣道やってたんだよ。一緒に稽古したいな」
「え…女性が剣でございますか」
「私の国じゃそんなに珍しくないよ。でも、ここのみんなと違って、人を斬ったりはないけどね」
「活人剣というものにございますね」
「ほお、なかなかに筋がよい」
「上様!このようなところに…」
「神子の様子を見にきたのだ。まさか剣の腕を見られるとはな。か弱きだけの女ではないようだ」
「人は斬ったことがあるか?」
「ないです」
「斬れる剣を学べ。おぬしは望まぬとも狙われる身だ。死にたくなければ身を守る術を多く身につけよ」
「斬れる剣かあ…蘭丸くんは斬ったことがある?」
「もちろん。戦国の習いでございます」
「私は…出来れば斬りたくないなぁ…その前にやられちゃうかな」
「神子殿は私が命にかえてもお守りいたします!」
「命にかえられちゃうのもねえ」
「神子殿のお国は、どのような国なのですか?戦はございましたか?」
「戦は、外国…南蛮とかであってたけど、私の国は平和だったよ。人が死ぬとか殺されたら大騒ぎ。そりゃ、殺人事件とかはあるけど、ここみたいにみんなで大合戦ってのはなかったわ」
「この日の本が、神子殿のお国のようになるよう、ご加護お願いいたします」
この国の未来なんだけどな、と真矢は心の中で呟いた。
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戦国神子ベース1
信長様が龍神を呼び出すという。上洛を果たした魔王は国の守護神たる龍を降ろすと言い放った。神仏すら恐れぬというのに龍を信じているのだろうかと不思議に思ったが、決戦の前には熱田神宮に参る癖があったことを思い出した。熱田の神は日本武尊、すなわちヤマタノオロチであった。
「古来より京は龍神に守られているという。草薙剣を持ったものが天下を手にするのだ。」
「しかし…龍神などと、私にはただの伝承としか思えません」
「京で、この信長が龍神を降ろした。この事実が重要なのだ。儀式を続けよ」
「なに…ここ…神社?」
「なんと!異形の娘が!」
「なに…みんな、着物なんかきて…ていうか、どちら様でしょう…」
「我は織田弾正忠信長。神子よ、名はあるか?」
「橘真矢…織田信長?って、戦国時代の織田信長?わたしさっきまで学校にいたんだけど…」
「橘…公家の橘家の者か?」
「公家?いえ、一般庶民の出身ですけど…」
「奇妙な着物を着ておる。南蛮物にしても見慣れぬ作りよ」
「これは学校の制服で、…ねえ、本気?本当に織田信長なの?ドッキリとかじゃなくて?」
「信長様は龍神を召喚する儀式を行っていたのです。そしてあなたが現れた。伝承には龍神の神子が世を救ったとあります。あなたが当代神子のようです」
「み、神子…龍神…なにそれ…」
「神子様!」
「別室に寝かせよ。蘭、世話を」
「はい」
「神子様、お目覚めですか?お加減はいかがですか」
「あ、やだ、夢じゃなかった」
「私は森蘭丸と申します。信長様の小姓をさせていただいております。神子様のお世話を仰せつかりました。なにぶん戦所帯にて、女手がありませんので、私でご勘弁下さい」
「森蘭丸…時代劇だわ」
「時代劇?」
「いえ、いいの、ありがとう蘭丸くん。わたし全然状況が分かってないけど、ちょっと、外がみたいな。諦めもつくかも」
「宮の中ですが、お庭と街並みがご覧になれます」
「ああ…空が広いわ…ビルがない…」
「神子様、信長様のもとへお連れしたいのですが」
「ああ、はい、分かりました。連れてって下さい」
「目覚めたか。神子よ」
「あの…その神子っていうのは…」
「龍神の神子のことです。信長様は龍神を呼び出して…」
「ああはい、聞いたような…でもわたし特に特技もなにもありませんよ」
「お主は我々の目の前で、神体よりまかりでた。龍神の神子じゃ」
「神子でなくとも良い。わしに龍神が神子を遣わしたと、諸国に広まれば良い。お主にはなにも求めぬ」
「そうですか、わたし本当に、この時代?のこともなにも知らないし、なにも役には立たないと思いますけど…」
「よい。着物と世話人を与える。光秀、お前が神子を守れ。死なせること許さぬ」
「さあ神子殿、まずはお着替えください。そのお着物は、肌が出すぎです」
「そうですね!着替えます。あ…着物の着方が分からないんですけど…」
「着方、ですか…普通に着ていただければよいのですが」
「着物自分で着たことないんです…」
「では…私がお世話させていただきます。目は、瞑っておりますので、その」
「はい!すみません!早く覚えるので!」
「古来より京は龍神に守られているという。草薙剣を持ったものが天下を手にするのだ。」
「しかし…龍神などと、私にはただの伝承としか思えません」
「京で、この信長が龍神を降ろした。この事実が重要なのだ。儀式を続けよ」
「なに…ここ…神社?」
「なんと!異形の娘が!」
「なに…みんな、着物なんかきて…ていうか、どちら様でしょう…」
「我は織田弾正忠信長。神子よ、名はあるか?」
「橘真矢…織田信長?って、戦国時代の織田信長?わたしさっきまで学校にいたんだけど…」
「橘…公家の橘家の者か?」
「公家?いえ、一般庶民の出身ですけど…」
「奇妙な着物を着ておる。南蛮物にしても見慣れぬ作りよ」
「これは学校の制服で、…ねえ、本気?本当に織田信長なの?ドッキリとかじゃなくて?」
「信長様は龍神を召喚する儀式を行っていたのです。そしてあなたが現れた。伝承には龍神の神子が世を救ったとあります。あなたが当代神子のようです」
「み、神子…龍神…なにそれ…」
「神子様!」
「別室に寝かせよ。蘭、世話を」
「はい」
「神子様、お目覚めですか?お加減はいかがですか」
「あ、やだ、夢じゃなかった」
「私は森蘭丸と申します。信長様の小姓をさせていただいております。神子様のお世話を仰せつかりました。なにぶん戦所帯にて、女手がありませんので、私でご勘弁下さい」
「森蘭丸…時代劇だわ」
「時代劇?」
「いえ、いいの、ありがとう蘭丸くん。わたし全然状況が分かってないけど、ちょっと、外がみたいな。諦めもつくかも」
「宮の中ですが、お庭と街並みがご覧になれます」
「ああ…空が広いわ…ビルがない…」
「神子様、信長様のもとへお連れしたいのですが」
「ああ、はい、分かりました。連れてって下さい」
「目覚めたか。神子よ」
「あの…その神子っていうのは…」
「龍神の神子のことです。信長様は龍神を呼び出して…」
「ああはい、聞いたような…でもわたし特に特技もなにもありませんよ」
「お主は我々の目の前で、神体よりまかりでた。龍神の神子じゃ」
「神子でなくとも良い。わしに龍神が神子を遣わしたと、諸国に広まれば良い。お主にはなにも求めぬ」
「そうですか、わたし本当に、この時代?のこともなにも知らないし、なにも役には立たないと思いますけど…」
「よい。着物と世話人を与える。光秀、お前が神子を守れ。死なせること許さぬ」
「さあ神子殿、まずはお着替えください。そのお着物は、肌が出すぎです」
「そうですね!着替えます。あ…着物の着方が分からないんですけど…」
「着方、ですか…普通に着ていただければよいのですが」
「着物自分で着たことないんです…」
「では…私がお世話させていただきます。目は、瞑っておりますので、その」
「はい!すみません!早く覚えるので!」
伊達政宗 無双
神子 龍を宿す娘
トリップ 龍から自分の力を回復してくれるように呼び出された。地震とか多いらしい。力ー平和
たまに予知夢があるくらいで、普通の現代人。
居合いをやっていた。
最終目標は天下太平
拾われる勢力によって所属がかわる。
触れられない人に触れる喜びと罪悪感。要は神聖さとエロの狭間をかきたい。
神子トリップだけベースにいろんな相手とロマンスをかきたい。
雪深い土地だった。気候の穏やかな場所で育った真矢にとって、初めてみる東北の冬は美しさのなかに残酷さが見え隠れしていた。エアコンも二重窓どころかガラスさえないこの時代の冬は、多くの死が隣り合わせだ。
「お前は寒がりじゃな。そんなことでは冬を越せぬぞ」
「雪国育ちと一緒にしないでよ…私の故郷じゃ雪なんてめったに降らないし積もらないのよ」
「火鉢をもうひとつ用意させる。風邪でもひかれてはかなわぬわ」
「ありがと…みんなはどうやって過ごしてるの?慣れれば平気ってことじゃないでしょ?」
「女と寝るのだ。お互いで暖をとれる。子も増えてよいだろう」
「…なるほど…あんた奥さんいっぱいいるもんね…ガキのくせに」
「お前はならんぞ!寒いからとそこらの男で暖をとるのはわしが許さん」
「自分はぬくぬく楽しんでるくせに?」
「だから火鉢を増やすと言っておる!わしは女と寝るのも仕事じゃ!子を残さねば家臣がうるさい。…この気候だからな、子も多く作らねば、残らぬのだ」
真矢は胸の奥が締め付けられたように感じた。家のために子を作る政宗と、彼に触れてさえもらえない自分。神子とは清らかな乙女であり、その神通力が失われることを恐れ、真矢は不可侵の存在となっていた。
「ねえ政宗、わたしが神子じゃなかったら…」
「言うな。わしは小十郎と違って、我慢のできる男ではない。」
「政宗、わたし、あんたが国のためにどれだけ頑張ってるか分かってるよ。」
そんなあんたが好きだよ。って言葉は口に出さなかった。言ってはいけない事だと思ったのだ。
「わしは国を守る。そしてお前も守る。」
「うん、あんた格好いいよ」
「ごめん…失敗しちゃった…でも、役に立ったよね?」
「ああ!立った!十分すぎる働きじゃった!今は休め、しゃべるな」
「わたし、これで死ぬのかな…」
「死なぬ。わしが死なせぬ」
「政宗…すき…」
「真矢!傷が癒えたら祝言じゃ!もう我慢はせん。わしの嫁になれ」
「なにそれ…そんなこと言われたら…死ねない…」
「真矢様、具合はいかがですか?」
「小十郎さん、どうぞ」
「ああ、顔色も良くなられた。傷の痛みはまだありますか?」
「はい、動くと傷が開くみたいで…まだ戦場には戻れませんね…」
「殿も真矢様を戦場に戻すおつもりはございません。殿のお戻りまで、しっかり養生するようにとの仰せです」
「小十郎さんは少し休んでいかれるんですか?」
「いえ、私はすぐに起ちます。真矢様のご無事を確認できましたので。殿に一刻も早くお伝えせねばなりませんからね。なにか、言付けいたしましょうか」
「…しっかり働けって、伝えてください」
「おかえりなさい政宗」
「ああ、言われたとおり、しっかり働いてきたぞ」
「うん。お疲れ様!良い顔になってるよ」
「まったく、わしにそのような口をきくのはお前ぐらいじゃ」
「そりゃ、龍神の神子ですから、独眼竜はこき使わないと」
「お前が生きておるのも龍神の加護かの。感謝せんとな」
「傷は癒えたか?」
「うん、跡は残っちゃったけど…もう大丈夫だよ」
「約束を覚えておるか?」
「え…うん…本気?」
「龍神よりお前をもらい受ける。神子の力なくとも、わしはわしの力で国もお前も守ってみせる。安心して嫁にこい」
「なにそれ…あんた、かっこよすぎよ…」
「よい夜じゃな」
「そ、そうね、お酒、のむ?」
「ああ、注いでくれ」
「お前も飲め。うまいぞ」
「あ、ちょっと!」
「少し見ぬ間に、おなごらしい体になったな。柔らかい」
「政宗も、なんだか大きくなった…知らない人みたい…」
「もう子ども扱いはできまい」
「冷えておるな。お前の故郷は雪の降らぬ国だったな」
「なんだか…緊張して…」
「わしが温めてやろう。」
政宗は真矢の冷えた指先をペロリと舐めた。こちらを見つめる眼差しが、獲物を狩る獣のように熱を帯びていた。初めてみる男の顔に真矢は戸惑ったが、政宗は考える余裕を与えるほど女に疎くはなかった。多少荒々しく組み敷くと、深く口付ける。真矢はなにが起こったのか分からないまま意識が薄まっていった。政宗に応えれば良いのだと、彼の舌を求めて甘い吐息を漏らす。他人に身を任せるなんて恐ろしいほど無責任だと思っていたが、この男ほど安心できる相手はいないと思った。傲慢な態度の裏で、重い責任を背負い、しかし神の力に頼らず自らの力で生きるこの男は、なんて強い人間なのだろう。政宗に抱かれたいと真矢の女が目覚めていく。
「政宗…すき…」
「わしもじゃ。むちゃくちゃに抱いてしまいたい」
「真矢、ずっとお前が欲しかった」
数日、部屋に籠もりきりの政宗に、家臣は業を煮やし小十郎を遣いによこした。
「政宗様、そろそろお顔をお見せくださいませんと」
「まだやりたりぬ。どれだけわしが我慢してきたと思っとるんじゃ」
「真矢様のお体にも、あまり無理をさせてはなりませんよ」
「ちゃんと手加減はしておる!全く、自分の城でもゆっくりできぬわ!」
「政宗、働いてきなさい…女で国が滅んだなんてわたしいやよ…」
「疲れたし、わたし寝たい。寝かせて…」
「お前!夫をなんだと…」
「国もわたしも守ってくれるんでしょ?」
「夜、待ってるから」
トリップ 龍から自分の力を回復してくれるように呼び出された。地震とか多いらしい。力ー平和
たまに予知夢があるくらいで、普通の現代人。
居合いをやっていた。
最終目標は天下太平
拾われる勢力によって所属がかわる。
触れられない人に触れる喜びと罪悪感。要は神聖さとエロの狭間をかきたい。
神子トリップだけベースにいろんな相手とロマンスをかきたい。
雪深い土地だった。気候の穏やかな場所で育った真矢にとって、初めてみる東北の冬は美しさのなかに残酷さが見え隠れしていた。エアコンも二重窓どころかガラスさえないこの時代の冬は、多くの死が隣り合わせだ。
「お前は寒がりじゃな。そんなことでは冬を越せぬぞ」
「雪国育ちと一緒にしないでよ…私の故郷じゃ雪なんてめったに降らないし積もらないのよ」
「火鉢をもうひとつ用意させる。風邪でもひかれてはかなわぬわ」
「ありがと…みんなはどうやって過ごしてるの?慣れれば平気ってことじゃないでしょ?」
「女と寝るのだ。お互いで暖をとれる。子も増えてよいだろう」
「…なるほど…あんた奥さんいっぱいいるもんね…ガキのくせに」
「お前はならんぞ!寒いからとそこらの男で暖をとるのはわしが許さん」
「自分はぬくぬく楽しんでるくせに?」
「だから火鉢を増やすと言っておる!わしは女と寝るのも仕事じゃ!子を残さねば家臣がうるさい。…この気候だからな、子も多く作らねば、残らぬのだ」
真矢は胸の奥が締め付けられたように感じた。家のために子を作る政宗と、彼に触れてさえもらえない自分。神子とは清らかな乙女であり、その神通力が失われることを恐れ、真矢は不可侵の存在となっていた。
「ねえ政宗、わたしが神子じゃなかったら…」
「言うな。わしは小十郎と違って、我慢のできる男ではない。」
「政宗、わたし、あんたが国のためにどれだけ頑張ってるか分かってるよ。」
そんなあんたが好きだよ。って言葉は口に出さなかった。言ってはいけない事だと思ったのだ。
「わしは国を守る。そしてお前も守る。」
「うん、あんた格好いいよ」
「ごめん…失敗しちゃった…でも、役に立ったよね?」
「ああ!立った!十分すぎる働きじゃった!今は休め、しゃべるな」
「わたし、これで死ぬのかな…」
「死なぬ。わしが死なせぬ」
「政宗…すき…」
「真矢!傷が癒えたら祝言じゃ!もう我慢はせん。わしの嫁になれ」
「なにそれ…そんなこと言われたら…死ねない…」
「真矢様、具合はいかがですか?」
「小十郎さん、どうぞ」
「ああ、顔色も良くなられた。傷の痛みはまだありますか?」
「はい、動くと傷が開くみたいで…まだ戦場には戻れませんね…」
「殿も真矢様を戦場に戻すおつもりはございません。殿のお戻りまで、しっかり養生するようにとの仰せです」
「小十郎さんは少し休んでいかれるんですか?」
「いえ、私はすぐに起ちます。真矢様のご無事を確認できましたので。殿に一刻も早くお伝えせねばなりませんからね。なにか、言付けいたしましょうか」
「…しっかり働けって、伝えてください」
「おかえりなさい政宗」
「ああ、言われたとおり、しっかり働いてきたぞ」
「うん。お疲れ様!良い顔になってるよ」
「まったく、わしにそのような口をきくのはお前ぐらいじゃ」
「そりゃ、龍神の神子ですから、独眼竜はこき使わないと」
「お前が生きておるのも龍神の加護かの。感謝せんとな」
「傷は癒えたか?」
「うん、跡は残っちゃったけど…もう大丈夫だよ」
「約束を覚えておるか?」
「え…うん…本気?」
「龍神よりお前をもらい受ける。神子の力なくとも、わしはわしの力で国もお前も守ってみせる。安心して嫁にこい」
「なにそれ…あんた、かっこよすぎよ…」
「よい夜じゃな」
「そ、そうね、お酒、のむ?」
「ああ、注いでくれ」
「お前も飲め。うまいぞ」
「あ、ちょっと!」
「少し見ぬ間に、おなごらしい体になったな。柔らかい」
「政宗も、なんだか大きくなった…知らない人みたい…」
「もう子ども扱いはできまい」
「冷えておるな。お前の故郷は雪の降らぬ国だったな」
「なんだか…緊張して…」
「わしが温めてやろう。」
政宗は真矢の冷えた指先をペロリと舐めた。こちらを見つめる眼差しが、獲物を狩る獣のように熱を帯びていた。初めてみる男の顔に真矢は戸惑ったが、政宗は考える余裕を与えるほど女に疎くはなかった。多少荒々しく組み敷くと、深く口付ける。真矢はなにが起こったのか分からないまま意識が薄まっていった。政宗に応えれば良いのだと、彼の舌を求めて甘い吐息を漏らす。他人に身を任せるなんて恐ろしいほど無責任だと思っていたが、この男ほど安心できる相手はいないと思った。傲慢な態度の裏で、重い責任を背負い、しかし神の力に頼らず自らの力で生きるこの男は、なんて強い人間なのだろう。政宗に抱かれたいと真矢の女が目覚めていく。
「政宗…すき…」
「わしもじゃ。むちゃくちゃに抱いてしまいたい」
「真矢、ずっとお前が欲しかった」
数日、部屋に籠もりきりの政宗に、家臣は業を煮やし小十郎を遣いによこした。
「政宗様、そろそろお顔をお見せくださいませんと」
「まだやりたりぬ。どれだけわしが我慢してきたと思っとるんじゃ」
「真矢様のお体にも、あまり無理をさせてはなりませんよ」
「ちゃんと手加減はしておる!全く、自分の城でもゆっくりできぬわ!」
「政宗、働いてきなさい…女で国が滅んだなんてわたしいやよ…」
「疲れたし、わたし寝たい。寝かせて…」
「お前!夫をなんだと…」
「国もわたしも守ってくれるんでしょ?」
「夜、待ってるから」
雅瀬名1
「なにか落としたぞ?」
「あ、雅先生、すみません」
「なんだ、睡眠導入剤?不規則だからわからないことはないが」
「ちょっと、いろいろあって…最近眠れなくなっちゃったんです」
「それは辛いな。私でよければ話をきくぞ?そうだ、いつもケーキをおすそ分けしてもらってるお礼に、食事にいかないか?」
「居酒屋で良かったのか?」
「はい。わたしはこういう庶民的なところのほうがリラックスできるんです」
「なるほど。危先生絡みの悩みか」
「!なんでそうなるんですか!まあ…そうなんですけど」
「ホテルの高級レストランに苦い思い出ができたかな。ああいうところもたまにはいい気分転換になる」
「雅先生ぇ」
「そうか、君は危先生を好きだったんだな。気付かなかったよ」
「好きっていうか、ちょっといいかも?って感じですよ…先輩としては尊敬できるし、性格も、そんなに変じゃないですし、頼りになるなって感じで…」
「十分好意的だと思うぞ」
「まあ…好きだったんですけど…ふられちゃいました…別に気になる人がいるそうです」
「真中先生か。職場内でそれはたしかに辛いな」
「だからなんで分かるんですかぁ」
「狭い人間関係でなければ、睡眠障害にまで発展しないだろう」
「…はい」
「だが二人はつき合っているわけではないんだろう?まだチャンスはあると思うが」
「あんなハッキリ言われちゃったら、もうないですよ…時間がたって、わたしが忘れるのを待つだけです」
「男の傷は男で治せというだろう」
「そーとも言いますけど、西條先生は、最近はもう尊敬!って対象ですし、ラブレターくれた方もいたんですけど、なんか違うなぁって…」
「私はどうだ?私は君に好意を持っているんだが」
「えっ、雅先生?そんな、冗談…」
「私は本気だぞ。かわいい後輩と思ってたんだが、他の男に任せたくないと思ったんだ。導入剤なんか飲むくらいなら、私と付き合ってみないか?」
「ええ、そんな、いきなり…」
「返事は待つよ。無理しなくていい。危先生のことを考える時間に、少し私のことを考えてみてくれ」
「さて、そろそろ帰ろう。駅まで送るよ」
「おい瀬名、お前最近顔色悪いな」
「危先生、そんなことないです。元気いっぱいですよ」
「本当か?そんなんで手術中倒れたりなんかしたら…」
「ほんとですって!わたしだって自己管理くらいできてますっ」
「それなら、いいけど…あの頃から調子悪そうな日が増えたからよ、引きずってんのかとおもって」
「え?」
「えってお前…」
「危先生のことなんて…全然忘れてました…」
「心配して損したぜ!」
「雅先生!」
「ああ、瀬名さん。少しは眠れるようになったかい?」
「はい。おかげさまで」
「良かった。只でさえ忙しい仕事だ。休めるときは休んだほうがいい」
「あの、お返事なんですけど…」
「今日は上がりか?食事にいかないか」
「あの、お返事…」
「君の顔をみれば察しがつくんだが、間違ってるかな」
「お食事、連れてってください…」
「こ、ここは…!鬼門!なんでこのレストランなんですかあ」
「トラウマにするにはもったいないレストランだからな。今日でいい思い出に変えよう」
「コースでいいか?ワインもおすすめのものをもらおう」
「はい。たしかに、ここはとってもおいしいですよね!」
「ああ」
「あれから、雅先生のことばっかり頭に浮かんじゃって、危先生のことなんて言われるまで考えるの忘れてたこと忘れてたんですよ」
「危先生に言われたのか?ショックだったろうな。彼は自信家だから」
「自意識過剰っていうんです。尊敬してるのは変わりませんけど、好きとかそういうのはなくなりました」
「眠れるようになった?」
「はい。もうお薬も飲んでません。雅先生のおかげです」
「私のことはどう思うんだ?」
「え…っと…分かってますよね…」
「君の口から聞いてみたい」
「好き…です」
「嬉しいな。私もだ。」
「もう!いじわるなんですね!」
「私も不安なことがあるってことだよ。まだまだ未熟でな」
「最近、あいつとよく一緒にいるな」
「あいつ?」
「瀬名だよ。打ち合わせか?」
「いや、彼女と付き合い始めたんだ」
「はあ?!」
「君にふられた彼女につけこんでな」
「そ、そうだったのか」
「彼女、そっちでは元気そうにしてるか?」
「ああ、いつも通りだぜ。お前と付き合ってるなんて全く気づかなかった。しかし、お前なら安心だ。あいつもいい男つかまえたな」
「私が元々好きだったんだよ。その点では危先生には感謝している。そっちはどうなんだ?上手くいってるのか?」
「ちっ、俺は職場に恋愛は持ち込まない主義なんだよ。モテモテだしな」
「そうだな、モテると思うよ」
「あんまりデートできませんね」
「そうだな。医者の離婚率の高さもよくわかる。来月はシフトを合わせて申請しよう。急患がなければゆっくりできるだろう」
「そうですね。こうやって一緒に帰るだけでも幸せなんですが、フツーのデートもしたいです」
「でも、いいんですか?ここらへん、病院関係者も多いのに、手なんか繋いじゃって…」
「私は君と付き合ってることを隠すつもりはないが、瀬名さんは嫌か?」
「嫌なんかじゃ…見られたらちょっと恥ずかしいですけど…」
「牽制したいというのもあってな。噂が広まれば、君を狙う男たちへの牽制になる」
「わたしそんなにモテませんって」
「お前らうまくいってんのか?」
「は?ええ、雅先生とっても優しくて、紳士だし、毎日幸せです。おかげでケーキ食べる頻度が下がりました」
「あっそ…」
「なんですか?嫉妬してるんですか?」
「んなわけねぇだろ!後輩を心配してやってんだよ。医者同士の恋愛も破局も山ほどみてきたからな」
「心配してもらわなくて結構ですーっ。手を繋いで駅まで帰るだけで幸せですから」
「は?それだけ?泊まったりしないわけ?」
「なっ、危先生みたいにふしだらじゃないんですよっ」
「あいつホントに男か?みた?」
「なにをですか!」
「やっぱり女なのかも…あのな瀬名、紳士っていってもな、いい大人の男がお手て繋ぐだけで満足なわけないだろ?浮気か、ゲイか、お前に魅力がないか…」
「そそそ、そんなことしなくても、私たちラブラブですから」
「お前だって不思議に思ったことくらいあるだろ。付き合って結構経っただろ。もうとっくにだと思ってたんだが…」
「そんなこと思ってないでください!」
「うわあ…心配になってきたわ。元気だせよ」
「元気ですよっ!!」
「…」
「瀬名さん?どうした?難しい顔をして」
「いえ、その、ランチなに食べようかなーって…」
「Bランチの食券買ってただろ」
「あ、ははは」
「なにか悩みごとか?話してくれないのかな」
「大したことじゃないですから…昼間の食堂ではちょっと…」
「つまり、夜のレストラン向けの話なのか」
「ど、どうでしょう」
食堂ではなんとかごまかしたが、有耶無耶にさせてくれる相手ではない。でもなんて話せばいいのかわたしはぼんやり考えていた。なんでセックスしないんですか、なんて乙女から聞けるわけがない。雅先生ってゲイなんですか?なんて論外。わたしに魅力ないんですか…はわたしが可哀想すぎる。なんたってそこらの女性の何倍もキレイな男性なのだ。そんなことを聞いてしまえば女のプライドはずたぼろだ。
そもそもまだキスもしたことがなかった。仕事帰りに食事して駅まで帰るのがほとんどだとはいえ、付き合ってしばらくになるというのにまだ手しか繋いでいない。いまどき中学生でももっとすすんでいる。
そんなことを考えながら廊下を歩いていると、いきなり暗がりに引き込まれた。
「きゃっ、雅先生…」
「ごめんね、不安にさせたのは私のようだ」
「え?」
人通りの少ない道とはいえ、白昼堂々、壁ドンされている。
「今度は食事のあとに部屋をとってもいいだろうか。一緒に過ごしてほしい」
「え、あの…んっ…」
「好きだよ。楽しみにしている」
「今日は車なんだ。少し遠い場所に予約してある」
「はい…」
「この前はいきなりキスをして悪かった」
「いえ、なんといいますか…かっこよすぎて、言葉に出来ないというか…不安な気持ちもなくなっちゃったんで、嬉しいです」
「良かった。私はあまり女性の気持ちに敏感なほうではなくてな。どうしたら君を喜ばせられるだろうかと考えていたら、失敗してしまったようだ」
「そんな…雅先生はいつもなんでこんなこと分かるんだろうってくらいなんでも気付いてくれて…わたしの方こそ気がきかなくって…」
「お互い不器用だな」
「ほんとに」
「さて、君が喜んでくれるといいんだが」
「わあ!ここって、雑誌でいっつも一位とってるホテルじゃないですか!」
「雑誌の評価がいいからと、一概にはいえないんだが、君の好きそうなレストランがあったんだ。評判もいい。」
「うわぁ、素敵です!」
「すっごくおいしかったです。こんなに美味しいものがあったなんて…」
「ああ、おいしかった。バーの眺めも良いな」
「はい…」
「私はこのとおりもう今日は車に乗れない。部屋も約束通り予約してある。付き合ってくれるか?」
「はい…」
「んっ…雅先生…」
「瀬名さん…いや、マリア」
「あ…」
雅先生の声が耳元で囁く。名前を呼ばれたら、なにも考えられなくなった。
「あ、雅先生、すみません」
「なんだ、睡眠導入剤?不規則だからわからないことはないが」
「ちょっと、いろいろあって…最近眠れなくなっちゃったんです」
「それは辛いな。私でよければ話をきくぞ?そうだ、いつもケーキをおすそ分けしてもらってるお礼に、食事にいかないか?」
「居酒屋で良かったのか?」
「はい。わたしはこういう庶民的なところのほうがリラックスできるんです」
「なるほど。危先生絡みの悩みか」
「!なんでそうなるんですか!まあ…そうなんですけど」
「ホテルの高級レストランに苦い思い出ができたかな。ああいうところもたまにはいい気分転換になる」
「雅先生ぇ」
「そうか、君は危先生を好きだったんだな。気付かなかったよ」
「好きっていうか、ちょっといいかも?って感じですよ…先輩としては尊敬できるし、性格も、そんなに変じゃないですし、頼りになるなって感じで…」
「十分好意的だと思うぞ」
「まあ…好きだったんですけど…ふられちゃいました…別に気になる人がいるそうです」
「真中先生か。職場内でそれはたしかに辛いな」
「だからなんで分かるんですかぁ」
「狭い人間関係でなければ、睡眠障害にまで発展しないだろう」
「…はい」
「だが二人はつき合っているわけではないんだろう?まだチャンスはあると思うが」
「あんなハッキリ言われちゃったら、もうないですよ…時間がたって、わたしが忘れるのを待つだけです」
「男の傷は男で治せというだろう」
「そーとも言いますけど、西條先生は、最近はもう尊敬!って対象ですし、ラブレターくれた方もいたんですけど、なんか違うなぁって…」
「私はどうだ?私は君に好意を持っているんだが」
「えっ、雅先生?そんな、冗談…」
「私は本気だぞ。かわいい後輩と思ってたんだが、他の男に任せたくないと思ったんだ。導入剤なんか飲むくらいなら、私と付き合ってみないか?」
「ええ、そんな、いきなり…」
「返事は待つよ。無理しなくていい。危先生のことを考える時間に、少し私のことを考えてみてくれ」
「さて、そろそろ帰ろう。駅まで送るよ」
「おい瀬名、お前最近顔色悪いな」
「危先生、そんなことないです。元気いっぱいですよ」
「本当か?そんなんで手術中倒れたりなんかしたら…」
「ほんとですって!わたしだって自己管理くらいできてますっ」
「それなら、いいけど…あの頃から調子悪そうな日が増えたからよ、引きずってんのかとおもって」
「え?」
「えってお前…」
「危先生のことなんて…全然忘れてました…」
「心配して損したぜ!」
「雅先生!」
「ああ、瀬名さん。少しは眠れるようになったかい?」
「はい。おかげさまで」
「良かった。只でさえ忙しい仕事だ。休めるときは休んだほうがいい」
「あの、お返事なんですけど…」
「今日は上がりか?食事にいかないか」
「あの、お返事…」
「君の顔をみれば察しがつくんだが、間違ってるかな」
「お食事、連れてってください…」
「こ、ここは…!鬼門!なんでこのレストランなんですかあ」
「トラウマにするにはもったいないレストランだからな。今日でいい思い出に変えよう」
「コースでいいか?ワインもおすすめのものをもらおう」
「はい。たしかに、ここはとってもおいしいですよね!」
「ああ」
「あれから、雅先生のことばっかり頭に浮かんじゃって、危先生のことなんて言われるまで考えるの忘れてたこと忘れてたんですよ」
「危先生に言われたのか?ショックだったろうな。彼は自信家だから」
「自意識過剰っていうんです。尊敬してるのは変わりませんけど、好きとかそういうのはなくなりました」
「眠れるようになった?」
「はい。もうお薬も飲んでません。雅先生のおかげです」
「私のことはどう思うんだ?」
「え…っと…分かってますよね…」
「君の口から聞いてみたい」
「好き…です」
「嬉しいな。私もだ。」
「もう!いじわるなんですね!」
「私も不安なことがあるってことだよ。まだまだ未熟でな」
「最近、あいつとよく一緒にいるな」
「あいつ?」
「瀬名だよ。打ち合わせか?」
「いや、彼女と付き合い始めたんだ」
「はあ?!」
「君にふられた彼女につけこんでな」
「そ、そうだったのか」
「彼女、そっちでは元気そうにしてるか?」
「ああ、いつも通りだぜ。お前と付き合ってるなんて全く気づかなかった。しかし、お前なら安心だ。あいつもいい男つかまえたな」
「私が元々好きだったんだよ。その点では危先生には感謝している。そっちはどうなんだ?上手くいってるのか?」
「ちっ、俺は職場に恋愛は持ち込まない主義なんだよ。モテモテだしな」
「そうだな、モテると思うよ」
「あんまりデートできませんね」
「そうだな。医者の離婚率の高さもよくわかる。来月はシフトを合わせて申請しよう。急患がなければゆっくりできるだろう」
「そうですね。こうやって一緒に帰るだけでも幸せなんですが、フツーのデートもしたいです」
「でも、いいんですか?ここらへん、病院関係者も多いのに、手なんか繋いじゃって…」
「私は君と付き合ってることを隠すつもりはないが、瀬名さんは嫌か?」
「嫌なんかじゃ…見られたらちょっと恥ずかしいですけど…」
「牽制したいというのもあってな。噂が広まれば、君を狙う男たちへの牽制になる」
「わたしそんなにモテませんって」
「お前らうまくいってんのか?」
「は?ええ、雅先生とっても優しくて、紳士だし、毎日幸せです。おかげでケーキ食べる頻度が下がりました」
「あっそ…」
「なんですか?嫉妬してるんですか?」
「んなわけねぇだろ!後輩を心配してやってんだよ。医者同士の恋愛も破局も山ほどみてきたからな」
「心配してもらわなくて結構ですーっ。手を繋いで駅まで帰るだけで幸せですから」
「は?それだけ?泊まったりしないわけ?」
「なっ、危先生みたいにふしだらじゃないんですよっ」
「あいつホントに男か?みた?」
「なにをですか!」
「やっぱり女なのかも…あのな瀬名、紳士っていってもな、いい大人の男がお手て繋ぐだけで満足なわけないだろ?浮気か、ゲイか、お前に魅力がないか…」
「そそそ、そんなことしなくても、私たちラブラブですから」
「お前だって不思議に思ったことくらいあるだろ。付き合って結構経っただろ。もうとっくにだと思ってたんだが…」
「そんなこと思ってないでください!」
「うわあ…心配になってきたわ。元気だせよ」
「元気ですよっ!!」
「…」
「瀬名さん?どうした?難しい顔をして」
「いえ、その、ランチなに食べようかなーって…」
「Bランチの食券買ってただろ」
「あ、ははは」
「なにか悩みごとか?話してくれないのかな」
「大したことじゃないですから…昼間の食堂ではちょっと…」
「つまり、夜のレストラン向けの話なのか」
「ど、どうでしょう」
食堂ではなんとかごまかしたが、有耶無耶にさせてくれる相手ではない。でもなんて話せばいいのかわたしはぼんやり考えていた。なんでセックスしないんですか、なんて乙女から聞けるわけがない。雅先生ってゲイなんですか?なんて論外。わたしに魅力ないんですか…はわたしが可哀想すぎる。なんたってそこらの女性の何倍もキレイな男性なのだ。そんなことを聞いてしまえば女のプライドはずたぼろだ。
そもそもまだキスもしたことがなかった。仕事帰りに食事して駅まで帰るのがほとんどだとはいえ、付き合ってしばらくになるというのにまだ手しか繋いでいない。いまどき中学生でももっとすすんでいる。
そんなことを考えながら廊下を歩いていると、いきなり暗がりに引き込まれた。
「きゃっ、雅先生…」
「ごめんね、不安にさせたのは私のようだ」
「え?」
人通りの少ない道とはいえ、白昼堂々、壁ドンされている。
「今度は食事のあとに部屋をとってもいいだろうか。一緒に過ごしてほしい」
「え、あの…んっ…」
「好きだよ。楽しみにしている」
「今日は車なんだ。少し遠い場所に予約してある」
「はい…」
「この前はいきなりキスをして悪かった」
「いえ、なんといいますか…かっこよすぎて、言葉に出来ないというか…不安な気持ちもなくなっちゃったんで、嬉しいです」
「良かった。私はあまり女性の気持ちに敏感なほうではなくてな。どうしたら君を喜ばせられるだろうかと考えていたら、失敗してしまったようだ」
「そんな…雅先生はいつもなんでこんなこと分かるんだろうってくらいなんでも気付いてくれて…わたしの方こそ気がきかなくって…」
「お互い不器用だな」
「ほんとに」
「さて、君が喜んでくれるといいんだが」
「わあ!ここって、雑誌でいっつも一位とってるホテルじゃないですか!」
「雑誌の評価がいいからと、一概にはいえないんだが、君の好きそうなレストランがあったんだ。評判もいい。」
「うわぁ、素敵です!」
「すっごくおいしかったです。こんなに美味しいものがあったなんて…」
「ああ、おいしかった。バーの眺めも良いな」
「はい…」
「私はこのとおりもう今日は車に乗れない。部屋も約束通り予約してある。付き合ってくれるか?」
「はい…」
「んっ…雅先生…」
「瀬名さん…いや、マリア」
「あ…」
雅先生の声が耳元で囁く。名前を呼ばれたら、なにも考えられなくなった。
twilight ギュンター2
「とりあえず、わたしいろいろ勉強したから。ギュンターは練習台になるのよ」
「お任せください!このギュンター、全身全霊で務めさせていただきます」
「動いちゃだめよ。手もだめよ。チューの練習するんだから」
「んっ…これはファーストステップ」
「次は啄むように」
「ペロペロ舐める?難しいわね」
「はあ、マヤ、これでは拷問です」
「キスが拷問?キス嫌いなの?」
「その逆です…」
「ギュンター、べーして」
「あぁ…なんて甘美な…」
「なになに?ここまですれば、殿方は喜びであなたに襲いかかいたいのを必死に我慢していること間違いなし。そっと股間に触れてみて」
「なっ!なんてこと!マヤ、それはいけません!」
「だって指導書にかいてあるのよ」
「なんですかこのいかがわしい指導書は!」
「ツェリ様直筆の愛のレッスン…意中の殿方にして差し上げたいことシリーズそのイチです」
「あの方は…このようなものを…わたくしのマヤに…」
「わたしがお願いしたの!わたしはギュンターが喜ぶことしたいんだもん!」
「あ、あぁ、いけませんマヤ…そんな…」
「気持ちいいの?」
「は…い、あぁ、いけません…まだ婚約式も…」
「自由恋愛なんだからかしこまらなくってもいいのよ」
「そっと優しく殿方をベッドに押し倒したら、下のお洋服をすべて下ろして差し上げましょう。ガマンならないそれを優しく優しく手にとって、直接さすって差し上げましょう」
「マヤ!」
「大丈夫だよ。わたしギュンターのなら平気…だとおもう。こういうことは初めが肝心なんだからギュンターは黙って大人しくしてて!」
「お好きな角度や速さを探してみます。直接殿方にお聞きしてもよろしいでしょう。どう?どこが気持ちいい??」
「う…」
「ここ?こうかな」
「マヤ…お上手です…」
「才能あるのねきっと」
「うぅ…!」
「小さなお口に咥えてみましょう。きっと喜んでくださるはず。歯を当てないことだけ気をつけて、舐めたり吸ったりこすったりして差し上げましょう。変な味がするかもしれないけれど、それは喜んでくださっている証拠です。ふーん」
「最初はゆっくりねっとりと。次第に激しく情熱的に、上から根元まで丹念に含んでは抜いてを繰り返したましょう。舌の位置を殿方の反応をみながら変えて差し上げるとより効果的。吸い上げるようにいたしましょう。どんな殿方でも天国がみえるはず」
「あああ!マヤ!そんな!わたくしもうだめです!」
「うえーん、どーしよー」
「申し訳ございません!お口に…さあ、お水を飲んで…お口をぬぐいましょう」
「ごめんね、あんなに出てくるなんて分からなくって、ベッド汚しちゃった…」
「とんでもありません!その…とっても気持ちよかったです…あなたがわたくしのために頑張ってくださって…幸せです」
「ギュンターかわいかったわ。はまっちゃいそう」
「お任せください!このギュンター、全身全霊で務めさせていただきます」
「動いちゃだめよ。手もだめよ。チューの練習するんだから」
「んっ…これはファーストステップ」
「次は啄むように」
「ペロペロ舐める?難しいわね」
「はあ、マヤ、これでは拷問です」
「キスが拷問?キス嫌いなの?」
「その逆です…」
「ギュンター、べーして」
「あぁ…なんて甘美な…」
「なになに?ここまですれば、殿方は喜びであなたに襲いかかいたいのを必死に我慢していること間違いなし。そっと股間に触れてみて」
「なっ!なんてこと!マヤ、それはいけません!」
「だって指導書にかいてあるのよ」
「なんですかこのいかがわしい指導書は!」
「ツェリ様直筆の愛のレッスン…意中の殿方にして差し上げたいことシリーズそのイチです」
「あの方は…このようなものを…わたくしのマヤに…」
「わたしがお願いしたの!わたしはギュンターが喜ぶことしたいんだもん!」
「あ、あぁ、いけませんマヤ…そんな…」
「気持ちいいの?」
「は…い、あぁ、いけません…まだ婚約式も…」
「自由恋愛なんだからかしこまらなくってもいいのよ」
「そっと優しく殿方をベッドに押し倒したら、下のお洋服をすべて下ろして差し上げましょう。ガマンならないそれを優しく優しく手にとって、直接さすって差し上げましょう」
「マヤ!」
「大丈夫だよ。わたしギュンターのなら平気…だとおもう。こういうことは初めが肝心なんだからギュンターは黙って大人しくしてて!」
「お好きな角度や速さを探してみます。直接殿方にお聞きしてもよろしいでしょう。どう?どこが気持ちいい??」
「う…」
「ここ?こうかな」
「マヤ…お上手です…」
「才能あるのねきっと」
「うぅ…!」
「小さなお口に咥えてみましょう。きっと喜んでくださるはず。歯を当てないことだけ気をつけて、舐めたり吸ったりこすったりして差し上げましょう。変な味がするかもしれないけれど、それは喜んでくださっている証拠です。ふーん」
「最初はゆっくりねっとりと。次第に激しく情熱的に、上から根元まで丹念に含んでは抜いてを繰り返したましょう。舌の位置を殿方の反応をみながら変えて差し上げるとより効果的。吸い上げるようにいたしましょう。どんな殿方でも天国がみえるはず」
「あああ!マヤ!そんな!わたくしもうだめです!」
「うえーん、どーしよー」
「申し訳ございません!お口に…さあ、お水を飲んで…お口をぬぐいましょう」
「ごめんね、あんなに出てくるなんて分からなくって、ベッド汚しちゃった…」
「とんでもありません!その…とっても気持ちよかったです…あなたがわたくしのために頑張ってくださって…幸せです」
「ギュンターかわいかったわ。はまっちゃいそう」